美少年たちのロック~本田恭章・up-beat tribute band | Let's Go Steady――Jポップス黄金時代 !

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Jポップスの黄金時代は80年代から始まった。

そんな時代を活写した幻の音楽雑誌『MUSIC STEADY』をネットで再現します。

メリークリスマス。年に一度(当たり前!)の12月25日である。ロックンロール・サンタクロースからプレゼントをさせていただく。

 

西島秀俊、向井理の結婚・婚約の報道、そして“最後の砦”佐々木蔵之介のデート報道に胸を痛めている素敵な女性のため、見目麗しい、ビジュアル全開、イケメンな美少年ロッカーを紹介させてもらう。いつもは渋い、通好みのラインナップの本ブログだが、クリスマスらしく、華やかでもいいだろう!

 


先日、11月9日(日)に東京・南青山MANDALAで開催された種ともこのコンサートの模様を書かせていただいたが、同コンサートの直前に見たのが渋谷Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREで開催された本田恭章のコンサート。種と本田、縁も所縁もなさそうな両者だが、実はシンコーミュージック繋がり。

 

「Re Experience 2014」とタイトルされた本田のコンサートは、ベスト・アルバム『ゴールデン☆ベスト コンプリート・シングルス』のリリース、並びに4枚のオリジナル・アルバム『ICE PALACE』(1982年)、『ANGEL OF GLASS』(1983年)、『It’s no FASHION GAME』(1984年)、『STAY GOLD』(1985 年)を本人監修による、最新デジタル・リマスタリングでの復刻を記念したものでもある。

 

会場にはデビュー当時から聞き続けたと思しき、熱心なファンが集い、客席を埋める。残念ながら全部を見ることはできなかったが、FBでも簡単に触れたように“あんなにレザーパンツとベルベットのジャケットが似合うロッカーはいない!”、久しぶりにロックの格好良さを目の当たりにしたようだ。

 

その美少年ぶりゆえ、アイドル的な手法でデビューし、アイドル的な注目を集めた本田だが、年齢を重ね、いい意味で、ロッカーの顔になってきた。枯れることや劣化することなく、いや、皺や弛みなどもあるかもしれないが、それさえ味になる。ストーンズやニューヨークドールズ、ハノイロックスなど、いわゆる“ロック=不良”的な恰好良さを纏う。その歌唱や立ち居振る舞いもロッカーそのもの。こんなにもあからさまなロックンロールな佇まいは久しぶりで懐かしくもあり、その健在ぶりに嬉しくもある。

 

いまでは考えられないかもしれないが、当時はロックをやるためには自分を殺し、回りから言いくるめられ、歌謡曲的な楽曲、売れ線なんていう実体のないものに惑わされて、アイドル仕様にしなければならないということもあった。


80年代中頃、吉川晃司やチェッカーズなどが出てきて、メイン・ストリートでスターを演じつつ、どこかで、一気に状況をひっくり返すトリックスターになろうとしていた。彼らはアイドル的なところから抜け出し、アーティストとして自我を確立するため、軋轢と闘う反抗する“新世代”の代表という感じでもあった。私が関わった「MUSIC STEADY」の1985年4月号で、「NEW AGE」をテーマに、尾崎豊や吉川晃司、伊藤サヤカなどとともに本田泰章も取材をしている。彼はレコード会社批判や現状への不満を口にするなど、かなり本音を喋っている。


JAPANのコンサートでスカウトされ、テレビドラマで注目されて、デビューという“近道”をした分だけ、“回り道”することになるが、ハノイロックスとロンドンでレコーディング(アンディ・マッコイには楽曲提供もされている)、後には元TENSAWの鈴木享明、富岡GRICO義広らとThe TOYSを結成している。彼自身は元々、アイドルを志向していたわけではなく、結果としてそうなっただけで、本来は生粋のアーティストだったのだろう。美形というのは、時代によっては良くも悪くも作用するようだ。

 

私自身、本田恭章との関わりは、MUSIC STEADY以後は1997年になる。マーク・ボランの生誕50周年と没後20周年が重なった同97年に彼を敬愛するアーティストたちが参加したトリビュート・アルバム『Boogie With The Wizard/A Tribute to MARC BOLAN & T.REX』(テイチク)を制作した際に、本田恭章にも参加してもらった。

 

同作のハイライトであるメドレー・ナンバー(ボーカル:吉井和哉、PANTA、秋間経夫、ローリー寺西、広石武彦、本田恭章)の録音にも立ちあったが、その変わらぬ容貌に驚いたものだし、そのグラマラスな歌いぶりに逞しさも感じた。

 

ベスト・アルバムのリリースにオリジナル・アルバムの復刻、積極的なライブ活動、本田恭章の再始動ともいうべきものだが、来年にもライブが予定され、その活動も加速していきそうだ。

 

元祖ビジュアル系、軽薄な言葉でいえば、元祖イケメン・ロッカーの復活、恰好良い大人のロッカーになった彼から目が見逃せないだろう。注目していただきたい。イエモンやレッズが好きだという方なら絶対、聞き逃せないはず。

 

 

 

同じように元祖ビジュアル系、元祖イケメン・ロッカーといえば、UP-BEATの広石武彦だろう。ブルーハーツやレッズなどとともに、BOΦWY以降のバンド・ブームを牽引した。故佐久間正英がプロデューサーに加わり、数々の名作『HERMIT COMPLEX』(1988年)、『UNDER THE SUN』(1989年)などを発表した。

 

彼らもデビュー時はその美形ゆえ、「KISS…いきなり天国」というオリジナル以外の曲でデビューさせられている(ただし、作曲は大沢誉志幸、作詞は芝山俊之)。デビュー時に広石は“この顔をつぶしたっていいんだぜ”と、挑発的なことをいっていたものだ。

 

北九州出身のバンドで、同地区特産のビート・ミュージックを縦糸に、グラマラスでビジュアルなサウンドを横糸に独特の世界を織りなしていた。

 

バンド自体は残念ながら95年に解散し、広石はソロ活動を開始、新たなバンドも組んでいた。広石とは本田と同じく、マーク・ボランのトリビュート・アルバムにも参加していただいた。私もレコーディングに立ちあい、お茶くみ係(!)を立派に務めさせてもらった(笑)。


その彼がUP-BEATのオリジナル・メンバーである水江慎一郎とともにup-beat tribute bandを結成し、当時の楽曲を新たな解釈で録音したセルフ・カバー・アルバム『LEGENDARY SONGS』をこの11月にリリースした(11月に「バトルクライオンラインストア」より発売。来年1月からはアマゾン等でも発売予定)。

 

また、up-beat結成30周年を記念した「up-beat tribute band tour 2014 up-beat結成30周年記念ツアー『 Legendary Songs 』」も行われている。

 

 

この『LEGENDARY SONGS』には「Time Bom」や{Kiss In The Moonlight」「Dear Venus」、「Rainy Valentine」「Blind Age」など、ファンなら誰もが知る名曲、全15曲が収録されている。

 

サウンド的には当時のままではなく、現在の手法や技法を用いて再現したものだが、楽曲そのものの骨格、体幹は強固で経年劣化することなく、いまでも新鮮に響いてくる。改めて、楽曲の完成度の高さを再確認。名曲は名曲のままだ。

 

当時は若さゆえの生硬さや不安定さがあり、自ら思い描くものとの多少の落差があったかもしれないが、それを20数年かけ、リベンジしたとも取れる。むしろ、新たな装いが予め用意されていたが如く、いまの彼らの佇まいに相応しい。

 

懐かしさに浸るというより、いま普通に聞いて、いい曲として感じる。ある意味、彼らのポップなロックンロールは、30年の時空を超えたという趣きさえある。

 

また、アルバムのパッケージやHPにリンクされたメイキングのトレイラーの彼らのビジュアルを見ると、当時のままとはいわないが、その美形ぶりに大人の渋さが加わり、いい感じで色香を増している。そういう意味でも改めて、聞かせるだけでなく、魅せてもくれるのだ。

 

是非、『LEGENDARY SONGS』を手に取っていただき、聞いていただくとともに、そのビジュアルも堪能していただきたい。


美少年たちのロック、時を超え、時間の残酷さを感じさせることなく、格好良いままだ。神様の依怙贔屓、天は二物を与えたということか。いまのビジュアル系の方々にも節制、鍛錬いただきたい。私も私なりに恰好良くありたいものだ、と、遠い目で空を見る(笑)。

 


「本田恭章オフィシャルサイト」
http://yasuakihonda.com/

 

「up-beat tribute band web site」
http://www.up-beat.jp/tribute.html

 

 

 

 

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