まずは施設長の挨拶、次に数え年で喜寿から始まって
傘寿、米寿、上は百歳超えのプレゼント贈呈式が行われ、
酒なしごはんで終わりの小会だ。
宴もたけなわの頃、スタッフさんが各テーブルを回って
老人&その家族のツーショット写真を撮ってくれた。
ウチのばあさんは食べ出したら食べ物しか見えなくなるので、
○○さあん!こっち向いて!などと、どんなに明瞭に言われても気付かないから、
肩を揺すらんばかりにして注意喚起し、
「ホレ、写真撮りますよーって!あっち見て!笑って!」
と指示して撮影完了。
そしてスタッフさんは隣のじいさんとその孫娘の方へ移動。
「△△さん、撮りますよ~!」
と言われ、ちゃっちゃと撮影に応じるじいさんは、ウチのばあさんより
一回りも年上の100歳だ。
しっかりしてるな~、と思いながら、我がばあさんの方へ目をやると、
よく見えぬ目線を宙に浮かべてニッコリしているではないことか。
「△△さん、撮りますよ」に反応したらしい。
自分の時はあんなに反応しなかったクセに、一旦撮影モードに
なったら他人のじいさんへのキューにも機敏に対応だ。
そのニッコリが、私などにはとてもとてもマネもできない、
「ホホホ、お撮りなさい。」
と言わんばかりの大女優風ニッコリなのだから恐れ入る。
でもアンタちゃうし。
「ママの写真はもう終わってるのよ、もう笑わんでええんよ!」
と教えるも微笑みを止めないため、テーブルは爆笑の園と化したが、
それでもなお微笑みを止めない老母であった。
このように、2歳児がいる母のような気分をしばしば味わわせてもらえるのが、
認知症者を長年介護した挙げ句の褒美なのではないかと思う。
ありがとう、老母よ。