筆者の会社員時代の友人S藤であるが、
神戸、大阪、カナダ、アメリカ、北海道、東京、沖縄、京都
を働き歩いて、旧年春、再び沖縄に赴任したので、
しめしめ沖縄に宿ができたわい、と思っていたのに
さらなるステップアップを狙っているのか何か知らないが、
転職して名古屋に行こうと思うなどと言い出したので、
ソイツは約束が違う、と慌てた筆者である。
S藤が沖縄に引っ越した春から今まで、沖縄に行こう行こうと思いながらも
沖縄旅行どころの騒ぎでないほどに忙しく過ごしてきてしまったのだが、
とはいうものの、無理矢理計画してしまえば一泊や二泊の旅行が
できないはずはないのである。
その無理矢理の計画ができないところに筆者の問題がある。
S藤は、早ければこの春にも名古屋に行こうとしているという。
マズイ。激マズである。
どうしてもその前にせめて一度S藤を利用して、あ、S藤と一緒に
沖縄を楽しまねばならぬ。
その気持ちはS藤も同じでいてくれたらしく、今日S藤が名古屋の話を持ち出した
4時間後には、石垣島のホテルの予約と筆者の航空券の購入が
完了するという怒涛の運びとなったのである。
そういえば、こないだ買った雑誌のホロスコープのところに
「まだまだだと思っていたことが突然実現するかもしれません。」
て書いてあった。
今までゼンゼン当たったことなかったが、やればできるではないか。
とはいうものの、他には
「今月は新しいことが始まりそうな予感」
みたいなことが一年の始まりである1月の運勢として書いてあるなど、
やはりどうしようもないヤツではある。
4月頃に
「今月のあなたはコートが要らなくなりそうな予感」
のようなことを言っているに過ぎないへなちょこ占いであるが、
この旅行計画に関しては的中だったということにしてやってもいい。
さて、計画が立ったのはいいが、S藤が住んでいるのは沖縄本島で
筆者が行きたいのは石垣島だから、S藤のアパートを宿にすることなど
よく考えたらはじめからできない相談であって、
さらにはS藤の仕事の都合に合わせたりしているうちに
格安航空券ではウマクいかないことが分かって往路はトランスオーシャンで
行くことにしてしまったので、期待していた激安度は失われた。
経済面からだけ語ると、S藤をダシにする意味あったかな、と思いそうにもなるが、
S藤がいなければ、いや、S藤が名古屋に行くなどと言い出さなければ、
筆者はまたずーっとずーっと沖縄行きたいな~、と思ったまま
今年も来年も腰を上げなかったことだろう。
万が一行ったとしても、折角S藤が沖縄にいるうちをみすみす逃して、
またぞろお一人様で行ったに決まっている。
お一人様での石垣ならば、もう何度も根暗く経験済みなのだ。
やはりこれは、S藤を原動力にしたからこそ実現した話である。
S藤のおかげで二十数年ぶりの友人とゆく石垣島は、非常に楽しみだ。
ひとつの気がかりは、早割航空券である。
筆者はこういうのを好かない。
こんなに前から変更の利かない予約をしてしまって、
その日病気になったらどうしよう、バアサン死んだらどうしよう、
というようなことを思ってしまうからである。
本来、筆者は 「あさって」 ぐらいから突然旅に出かけたい人間なのである。
しかしもう予約してしまったのだから、これからの1カ月半、
体調管理を慎重にやって行かねばならぬ。