2018年最初に筆者が口にしたのは、近所のスーパーで
予約注文していた洋風お節だ。
例年普通の日本味お節を頼んできたが、
今年はバアサンが施設に入所して初めての正月であることを踏まえて、
洋風とした。
施設の朝ごはんで正月料理的なものが供された後で
家に帰ってもまたお節になってしまっては、詰まらなかろうと
案じたためである。
母のいる施設は有名寺院のそばにあり、周辺道路は大晦日から松の内が明けるまで
警察主導の重い交通規制が敷かれる。
故に、今朝の筆者は家を出るといきなり県道をいつもと反対方向に曲がり、
山を越えてくだんの寺院の裏から施設にアプローチする作戦をとった。
調子よく峠を越えて下り、「ここで曲がらないと絶対施設に到達できない」
という曲がり角まで来ると、そこに通行禁止の看板が!!!!!
数秒止まって考えたが、他にどんな経路もあり得ない。
普段の経路も全部通行禁止であることは、周辺住民として
正月の常識である。
看板の言うことを真っ正直に聞いていたら、この筆者は老母に、
腹を空かせて待っている老い先短い我が母に、会いに行ってやることができぬ……!!
というわけだから突破した。
本当にダメならコーン&ポールとか、看板が道の真ん中に置いてあるとかの
手段で通せんぼがしてあるはずだ。
とは言うものの、その辺の藪からパトカーや警官がワラワラと飛び出し、
嬉々として「はい運転手さん、止まって下さーい」を食らわす筋書き
ではないか、との恐怖もあった。
数百メートル行くと、一本道の真っ只中に、また通行禁止の看板がある。
これについては本当にどうにもしようがないから、どきどきしながら
その横を通過した。
現在一本道を通行中の車にその道が通行禁止であることをこんな途中で
教えたくなる料簡がわからないが、どきどきすることはする。
しばらくしたら、信号機の所に通行禁止の看板を持った警備員あり。
しかし、だからと言って、もしその手前を曲がっても、行着く先は
マンション群だけで、最終的にはまたこの道に帰って来るしかない。
やはりどうしようもないから恐る恐る横を通過したが、
警備員は筆者と筆者のクルマを制止するどころか、
ちらともこちらを気にしない。
何のために通行禁止をうたいながら立っているのか、ゼンゼンわからぬ。
さらに数百メートル進んで、参道との分かれ道に来ると、さすがに
参道の進入路は仮設遮断機にて遮断され、数人の警備員が
車の進入を阻止していたが、その手前を施設の方へ曲がろうとする筆者には
手にした赤ランプ棒をくるくる回して 「どん~どん行きなはれ」 とやってくれるので、
筆者は無事バアサンのもとに至ることができた。
結局筆者の行動が正しかったのかなんなのか全然わからなかった。
筆者が見てどきどきした看板は、みな予告だったのかも知れぬ。
しかし、もし予告なら予告とどこかに書いておいてくれなければ予告に見えず、
ムダにどきどきして心臓が弱ってしまうかもしれないので困る。
さて、バアサンをアパートに連れ帰り、食べた洋風お節は
どれもこれも非常に美味であった。
ウチは二人であるし、お節は一食食べれば十分なので、個食タイプのを買う。
値段的にもこれが最も安い。
一番安いのにこんなにおいしいなんて!!!
とのんきなことを思いそうになったが、13分後に食べ終わると、
(この量で、サービス料もなしで、一人前5500円取るのか。)
と心が騒いだ。
正月だからと思って足元見やがってと思う一方で、
こんなマネ許してやるのは正月だけだからな!
と直ちに許すから足元を見られるのだ。
しかも来年もこれで行くと思う。
だって美味しくてなんかもう、まあいいかなって。
これをもって筆者の今年の初福とする。