新しく発見した私のグルメ My New Favorite | zuzu's room ズーズーズルーム

zuzu's room ズーズーズルーム

翻訳者が書く英語・日本語ブログ English/Japanese Blog
ごくたまに英会話レッスン! With Free English Lessons (Rarely)
                    


筆者は昔からまあまあおかしな食べ物を

好む。



はったい粉を水で練ったヤツは父が好きで

母は大っ嫌いらしかったが、幼子の筆者もダイスキで、

はったい粉の時間は父と筆者の気が合う数少ない

時間の一つであった。

父はどうやらはったい粉で戦中を生きた、というようなことがあって

はったい粉に特別な思いがあったらしいが、昭和が平成に向かって

どんどん進み、戦後のニオイが加速的に薄れるに従って、

父もだんだん食べなくなった。



はったい粉は筆者が作ったわけではないから、これを

おかしな食べ物のように言うのはいけなかったかもしれないので、

他の筆者の好みに合わせておかしくした食べ物を述べよう。



中学生にもなると食欲が制服を着て帰ってくる、

ぐらいの勢いで、毎夕超空腹の筆者が帰宅するのだが、

ウチは母がオヤツを作って待っているような家ではなかったので、

帰るや否や筆者が作るのは、

冷ごはんにプロセスチーズを乗せ、チンした上に

鰹節と醤油と味の素をかけたヤツである。

これを海苔で巻きつつ食べる。

思い出しても超おいしいが、目撃した他人は皆一様に

「きしょわるうー!」

「なにそれえー!」

などと言ったものである。



チーズといえば、昔は雪印の長方形のチーズしかない、ぐらいに

種類が少なかったので、こっちで工夫しないとチーズがつまらないのだ。

それで、小学校の頃に発明したのが、プロセスチーズの味海苔巻きである。

これは今でもよくやる。

死・ぬ・ほ・ど・美味しいのだ。

それから、プロセスチーズを食べながらキリンレモンを飲む、のが

美味しいことにある日気付いたのだが、これはシャンパンとチーズが

似合うことを考えれば当然のコトワリかも知れぬ。

もうひとつがプロセスチーズの苺ジャム乗せである。

これまた、オ・ニ・ウ・マ・である。

これなどは、近年チーズにはちみつをかけて食べたりするのの

先を行く発明であり、世界が筆者に追いついたのかなと思う。



ここ数年マイブームなのは、温かい白ご飯にクリームチーズを乗せて柔らかくし、

その上からゆかりと煎りゴマ、またはピーナッツかアーモンドをトッピングしたヤツだ。

ゆかり抜きにして、いかなごのくぎ煮を乗せてもいいのだ。

おいしいのなんのって、毎晩これしか食べられない、という監獄に入れられても

それほどイヤではないと思うぐらいである。



スイーツでいうと、羊羹の乾き始めて外側がジャリジャリになってきたヤツ

が大スキだ。



栄養機能食品で言うと、脱サラしてからやっていないが、

カロリーメイトの封を切って

しばらく会社のデスクの引き出しに入れておき、

おそるべきビル空調力によって乾ききったところを

サックリとさわやかにいただくのが筆者流。



ま、こういう筆者であるから、料理がマズいので有名なイギリスに

英語の勉強をしに行って9か月後、10キロ太って帰ってきた。

日本人留学生が全員眉を顰めるところの、

あのマズいなんとかパイやらなんたらプディングやらのあのマズさが

なんか知らぬがクセになって食べまくってきてしまったのである。

持ちたくて持った味覚ではないし、つまり卑しいのかも知れぬとも

思うことは思うが、こういう方が幸せではないかと思うのだ。

本当に美味しいものしか美味しいと思えない高級なる味覚を持つ人間に、

筆者はなりたいとは思わない。

そんなことになったら、イギリスに行ってもアメリカに行っても食に不満を、

持ち続けなければならぬ。*

そんなのは願い下げである。

美味しいものも美味しくないものも美味しいと感じられるなんて、

こんなにも2倍オトクなことがあろうか!

                                     (*これはイギリスとアメリカの悪口ではない。)



さて、そんな筆者のダサおいしい食べ物リストに、

昨夜、仲間入りを果たしたものがある。

それは、

昆布の佃煮の干からびたヤツ

である!



年初に参列した親戚の三十五日の法要の引き出物が

神宗の塩昆布アンドちりめん山椒だったのであるが、

この塩昆布のパックが一見フタができて保存に適しているようで、

その実バカバカだったのである。

しかも3分の2ぐらい食べてから忘れていて、

昨日発掘してフタを開けたら、ちょうど

筆者→うちのバアサン

ぐらいの変化率で水分が失われており、

醤油と味醂とフコイダンがタール状になった粘着物ではがすのが

ものすごく大変なぐらいに一枚一枚が固くくっついている。

そいつを力を入れてニーッチョリとはがして食べたらコレがな!

――ウマイ!!!

オイ、誰か酒持って来い!!

と口走りながら足早に自分で酒を汲んできて、

コブをしがんでは酒を飲み。しがんでは酒を飲み。

コブにガッチリ接着して乾きかけた山椒の粒がときたま何とも言われぬ良い刺激を

もたらして、思わぬ晩ハッピー酌タイムを持ったのである。



それで、今夕、神宗淀屋橋店に赴いて、また買ってきた。

塩昆布を。

あの店は何だか知らぬが、入店すると背広を着た黒服みたいなのが

上品に、音を立てずに滑り寄って来て、聞こえるか聞こえないかの瀬戸際、ぐらいの音量で

「いらっしゃいませ、贈り物をお探しですか?」

などと問いかけてくるという高級仕立ての店なのだ。

背広と雰囲気に負けぬよう、嫣然と微笑み、

「いいえ、うちでいただく塩昆布を・・・」

などと高級感を打ち出しつつ返す筆者。



しかし筆者の野望を知ったなら、背広もその奥の「ワンランク上」といった

風情のレジのお姉さんも、とても澄まして筆者の相手などしておれまい。

筆者の真の目的は、正確には神宗の塩昆布ではない。

神宗の塩昆布を密閉せずに冷蔵庫に数か月寝かし、

「干からび元神宗の塩昆布」

を作ることなのだ。

神をも、いや神宗をも恐れぬ邪悪な目論見であるが、

神宗が聞いてうれしいかどうかは知らぬが、

もしかしたら聞かないよりは救われるかもしれないから言うが、

筆者の冷蔵庫の奥底で、偶然にも人知れず出来上がった

干からび塩昆布があんなにもおいしかったのは、

神宗の味付けと、あのすばらしく肉厚な上質の昆布があったからこそ!!!!

さすが、創業230年の老舗だからコソ!!!!!

・・・・・・なのであるから、

「ウチのコブに何するんじゃ!!」

などと度を失わないようにして、今まで通り上品におさまりかえっておいていただければと思う。



さて、家に帰って封を切ったらしっとりと醤油に濡れたツヤツヤの昆布が

姿を現した。こんなんだったのか、始め。

やはりこれはこれでおいしそう~、

と一つ口へ放り込む。

いや、美味しいことはおいしいが・・・・・・・・

すまぬ、背広、

すまぬ、ワンランク上のお姉さん、

ワシはやっぱりこれを干からびさすでえ!!!!!

ほんで秋口にはお月さん見ながら”ガッシー”なったコレで一杯やるでえ~!!!



というわけで、ジップロック®コンテナに入れ、フタをするかわりに

サランラップ®で覆って冷蔵庫へ。

ふふふふ・・・・・・楽しみだ。

わはは、わははははははは!!!!!