このところ週に2日ほど、15年も前からご縁のある
正しい企業様に赴いてお仕事を頂戴しているのだが、そこでとうとう筆者も
「息子の世代と働く」
という初体験をすることになった。
息子いないが。
これを仮に青年Aと呼ぶ。
精神年齢が38ぐらいで止まっている筆者であるから、
青年Aが来ることになったとき、ウッスラ
(そんな若いのはまだロクでもないかもしれない。)
と思った以外になんの感想もなかったのだが、
初日のランチ中に事態を把握しはじめ、ためしに
青年Aの母の年齢を尋ねたところ、青年Aときた日には
ハッキリ母の年齢を知らなかったが、どうも筆者より2つ3つ年上なだけ
のようであったことから筆者の気の持ちようがガラリと変わったのである。
それは人生の転機と言っても過言でない変化である。
まず悪い面から語ると、突然フケた気分になってしまった。
しかし、良く言うと大人の自覚があるべき方向へ少し進展したかもしれない。
なにしろ子供を持つ同世代の女性と筆者の決定的な違いは
大人度の違いであることを常日頃から感じていたところ、
青年Aの登場によって、自分の歳が意味するところを知識でなく
気持ちで分かって来たのである。
べつにそんなもん分かりたくなかったが。
さて、昨日の話である。
この青年Aと、あとは筆者と同世代の男女を交えた5名で
連れだってお昼ご飯を食べに行った。
店は鶏料理を中心に名古屋めしを食べさせる、その名も
手羽一郎
というもので、間違いなく鳥羽一郎のシャレなのであるが、
店名でひとしきり会話してしまったのは店の思うツボである。
社員A 「鳥羽一郎って、鳥羽出身なんですかね?」
社員B 「はいそうです。」
筆者 「へえ、地元愛ッスねえ。※」
(実際には「ですね」と言ったが、筆者はかしこまるのが超苦手なので
内面はこのような気持ちである。以下同様。)
社員B 「はい、野口五郎と一緒です。」
筆者 「え!?野口五郎て、もしかして野口五郎岳出身なんスか(岳出身てなんだ。)?!」
社員B 「あはい、あの辺です。」
筆者 「へえー、ワタシどっちが先かと思ってましたわ。」
全員 「野口五郎が先なわけないじゃないですか!」
筆者 「あそーか、てへぺろ。(完全にアホである。)」
社員C 「(青年Aに) 野口五郎って知ってます?」
筆者 「(知ってるだろ、いくらなんでも。)」
青年A 「知りません。」
は?!
知らん?!
・・・・てどういう意味じゃ?!
青年A 「あ、名前は知ってますけど、顔は分かりません。」
なんやとコラ。
それやったらまずそう言わんかい。
まず
「あ、知ってます。顔は分かりませんけど。」
と言ってこられた場合と、
「知りません。」
を最初にカマされるんとでは、こっちの受ける衝撃に
エライ差があるんじゃい!
・・・と思ったけど言わなかった。オトナだから。
でも
筆者 「野口五郎って、ベツにまだ引退とかしてないんだけど。」
と伝えた口調が不満ゲになってしまったのは
結局大人げなかったかも知れない。
社員C 「野口五郎って、いい歳のとり方してますよね、私は昔から野口五郎派です。」
筆者 「あそうすか、渋いスね、ワタシゃヒデキ派でしたわ。」
社員C 「やっぱりヒデキが人気でしたよね。」
筆者 「そうそう、野口五郎ってちょっと3人の中で色が違うというか、曲調もちょっと」
社員C 「演歌調というかね。」
筆者 「そうそう。郷ひろみはあのまんまでしたね。」
社員A 「あの人ほんまに感心するぐらい変わりませんね。」
筆者 「ようやりますよね…・(青年Aに)という具合に女子がガッキーンと3つに割れて騒いでたんや!」
青年A 「あそうなんですか・・・。」
筆者 「それを ”新御三家” っちゅーんや!!」
青年A 「ハハハ、【新】 ですか。 ハハハハ!」
筆者 「そう、【新】や、それがァ!!!」
青年A 「ハハハハ、アハハハ!」
青年Aのヤツ、「新」のところで笑いやがって。
別に笑わそ思てゆうたんちゃうぞ、
ホンマに「新」やから「新」ゆうたんじゃ!
御三家には旧もあるからそないなっとるんやこれはァ!
・・・ゆうたろと思たけど、大人ゲないからやめた。
そのかわりに次に筆者の発した質問は、
「え、8時だヨ、全員集合は見てた!?」
というものであり、いつも言葉遣いの丁寧な社員Cが
驚くべきことに隣から筆者を突き飛ばし、耳を疑うほどのタメ口で
「んなワケないやん!!」
と突っ込むほどの泣く子も黙る大愚問であった。
心優しい青年Aは
「あ、そういう番組があったのは聞いてます。」
などと言っていた。
ああ、ドリフターズが、カックラキン大放送が、まるで白黒放送だったかのような、
もう完全に歴史の一部ででもあるかのような大過去になってゆく。
昭和が、まるで筆者たちにとっての大正ででもあるかのような
「むかし」
になってゆく。
視聴者が 「ブラウン管の向こうの皆様」 だったあの頃が・・・。
とはいうものの、昔話をし始めると勢いが止まらないのがおじさんとおばさんである。
青年Aにはかわいそうだが、4:1で圧倒的に昭和なテーブルではその後も
「いしだあゆみのブルーライトヨコハマ」
やら
「オウヤンフィフィ」
やら
「前川清とクールファイブ」
の話に花が咲き、青年Aは、真向いから筆者の観察したところでは終始、
「トンブクツーってどこの国。」
「は?」
ぐらいの勢いでついて来れぬ表情にて戸惑い続けていた。
あー、フケた気がする。
あ、ところで青年Aは、全然ロクでもなくなく、大人しく、
かといって暗いわけではなく、きちんとしていて思慮深く、
就業態度も申し分のないヤツで、これなら
ニッポンの未来もウォウウォウウォウウォウかもしれないと思わせてくれた。
(↑ 平成の知識)
とりあえず良かった。