何十年も生きている割に月蝕を見たことが
ほとんどなかった筆者である。
結構しょっちゅうやっているらしいが、なぜか
あまり事前に知っていたことがない。
夕べのは一昨日に知ったので、間に合った。
近所の高所にある公園に行き観察だ。
そこには他人同士らしきおばさんとおじさんが一人ずついるのみで
皆既日食とは違う皆既月食の人気のなさが伺えた。
筆者の相棒、シャープのガラケーにて撮影開始だ。
日食のときは日食観察メガネごしに撮影したが、
今回はそんな手間はいらない。
そのかわり手ブレとの戦いだ。
息をする自分、脈打つ自分の熱き血潮、そんなものが
さて、そこにいたおばさんであるが。
筆者が到着する前から観察開始10分後ぐらいまで
この人は知らないおじさんを相手にのべつ幕無しにしゃべり倒していた。
天文のロマンを目撃しながら知らないおじさん相手に
あんなにしゃべるなんて、なんてロマンのないヤツなのだ、
と思っているうちに思い出した。
おととしの皆既日食のとき、もう少しのところで知らないおじさんを
しゃべり殺しそうになっているおばさんがいたことを。
間違いない。ソイツがコイツであった。
おばさんは筆者が撮影を開始すると、単に大声なのか
筆者に注意を促しているのか知らないが、丸聞こえの大声にて
「写真には撮れへんわ~!!!写真うつらへんでしょお、ねえ!!
うつらへんわ~!!写るでしょうか?写らへんわねえ~!
そら無理やわねえ~!!!」
と騒ぐのであった。
気の毒にも返事を期待されているおじさんは
「写るといいですねえ~。」
とやや小さめの声で答えていて、気遣いを感じさせる、良識ある人物のようであった。
筆者もそんなにバッチリ写せる自信は初めからなかったのだが、
まあこのぐらい撮れたら御の字である。
おばさんのしゃべりはエンドレスではあったものの、
おばさんの月蝕に対する関心の持続時間は非常に短かったと見え、
「ほなお先に失礼しますう~!!!」
と、早々に帰って行ったので、あとに残ったおじさんと筆者は
静かに別々に心ゆくまで観察を楽しんだのであった。
帰ってごはんをするのはイヤになったので
ピザーラの術を使ってしまった。
ダブルハワイ攻撃である。
おいし!!





