パン入れ職人 Bread-Packing Craftsmanship | zuzu's room ズーズーズルーム

zuzu's room ズーズーズルーム

翻訳者が書く英語・日本語ブログ English/Japanese Blog
ごくたまに英会話レッスン! With Free English Lessons (Rarely)
                    


何を隠そう、筆者はパンを買ったとき、イチイチ、イチイチ、イチイチ

パンをイッコずつ小さいビニール袋に入れられるのが

めっちゃキライである。



しかし、パン屋のおねえさんたちのパンの袋詰め手際はものすごく、

ただの一瞬サイフとか見てるスキに、5コやそこらのパンのバラバラ袋詰めプロセスは

開始され、完了してしまう。

だから、パン屋のレジに並ぶときは最初から気を抜かず、

自分の番がきたらすかさずハッキリと

「全部を一つの袋に入れてくださいっ。」

と言わねばならぬ!

― と思うから気合いを入れてこれまで何度か実行したのだが、

タダの一度も全部1つの袋におさめてもらったことはない。

”同じ種類のだけはまとめる” までは対応してくれる人もいたが、

それも数年前までのことで、最近はそれもない。

筆者が言ったことなんか言わなかったのと同じにスルーされてしまうだけなのだ。



例を挙げる:

ブリオッシュのみ5つ買い、しかも気を入れてレジ待ちをし、

「全部を一つのフクロに入れてください。」

とお願いしたところ、おねえちゃんは気持ちよく

「ハイッ!!」

と言いつつ、躊躇のカケラも感じる様子なく次々と小さいフクロを

つかんでは開き、パンを入れるか入れないかのうちに次のフクロを

つかんで開き、パンを入れるか入れないかのうちに次のフクロが・・・。

(・・・・・??)

とあっけにとられる筆者が、ただの一言も発し得ないうちに、

とっくに5つの個包装化ブリオッシュたちは最後の大きな袋に入れられ終わっていた。



その動き、千手観音の如し。



「ただの一言も発し得ないうちに」というのを詳しく言うと、

筆者の動揺した脳内で、まだ

(なんじゃこら?)

というフレーズさえ形成できず、かろうじて

(な?)

と思い始めた、ただそれだけの時間で

もうすべて終わっておったし。



「うおーりゃあ!”フクロひとつ” ゆうたら ”ハイ” ちゅて返事したんちゃうんかいネエちゃん!

出せ出せ、全部出してフクロひとつに入れ直さんかいイイイ!!!」

って言おうかなって思ったが、

そしたら出した後の5枚のフクロは捨てられるだけだから

なんの意味もない、と気づいて黙ってお金を払って帰って来た。



↑5つのブリオッシュを個包装せず袋詰めした場合の想像図。こんでええやんケ。


もうしんどいから何も言わない。

と、完全に戦意喪失した筆者であるが、

それから1年半がたち、もう一回やってみよう、と思えるようになったから、

こないだ近所のパン屋で 「全部を一つのフクロに入れてください。」

って言ったらな・・・。



オバチャンが、

「ハイッ!!」

と言いながら全部を別々のフクロに入れたのさ。



それで、筆者、これまでなら黙っていたところだが、今回は

「いや、そうじゃなくて、別々のフクロは要らないんです。」

って言ったのだが、このセリフの↑このあたりで

すでにすべてのパンが別々のフクロに入れられ終わっていた。



それで、筆者の 「別々のフクロは要らないんです。」 は途中から変更になって

「別々のフクロは要らない~ていう意味だったんですが・・・。」

になってしまった。

オバチャンは

「あ、ありがとうございます!」

などと礼を言ってくる。

オバチャンに礼を言われる筋合いはない。

筆者は地球のために言ったのだ。

低炭素で持続可能な社会の実現のために言ったのだ。



筆者の中から出そうになる抑えにくいものを頑張って抑えようかどうしようか

一瞬迷った。

オバチャンだけが問題なのではない。

パン業界全体にはびこる悪しき習慣なのだ。

筆者のこれまでの人生で溜まって来たものの初めの99%は

オバチャンには関係ない。

だが、ガマンできなくなった。

それに、誰かがたまには言わねばならぬ。



しかし、

「ウオーーーリャアアアア!!そらなんの礼じゃいイイ!!」

というのはやめておき、静かに

「1個ずつ別のフクロに入れない、というのはできないことになっているんですか?」

と聞くことにした。

そしたら、オバチャンは

「はい、くっつきますので。」

と返事した。

ナニが?

筆者はくるみパンとチーズが「中に」入ったフランスパンと

「5つが一つの袋に入った」 ミニクロワッサンを買っただけである。

ドレとドレがどうくっつくというのだ。



「ウオーーーリャアアアア!!!

くるみパンとフランスパンくっつけて見してみんかいイイ!!」

心の中で叫んで筆者は再び戦意喪失し、店を後にした。



もう今度こそ一生何にも言わない。