ホタル狩りは筆者の重要な趣味。
毎年6月前半はホタルを目指して夜な夜な出歩く。
出歩く、と言っても、そこは山中に住む筆者のこと、
そんなに足を伸ばさなくってもホタルポイントには困らない。
筆者行きつけの超極秘ホタルポイントをほとんどわからない
程度にお教えしよう。
その1: 猪名川町のマル秘小川
今を去ること13年ほど前、母がコミュニティ紙で見つけたもので、
以来1夏も欠かさず鑑賞しに行く。
なかなかに遠いが、ウチからマル秘ゾーンまで信号がほとんどないから
距離の割には早く到達できる。
ここにワンシーズン2,3回は必ず、多いと4回ぐらい行く。
平日はほとんど誰もいなくて静かに鑑賞できる。
何年か前、週末に行ったら数グループ来ていて、子供を中心に大騒ぎしており、
非常に具合が悪かったので平日にしか行かない。
一体、ホタルというものは静寂の中で見るのが正しいと思うのだが、
大騒ぎしながら見る向きが案外多くて閉口する。
近所迷惑という点からも、大騒ぎは控えるべきである。
また、子連れの親は必ずといっていいほど虫取り網アンド籠を子にもたせ、
ホタルの捕獲を奨励するのだが、これが筆者には非常に苦々しい。
しかし、いくら苦々しがったって、筆者のホタルじゃないのだから
何にも言えるわけではない。
だから黙って苦虫をかみつぶす。
それから、人が多いとホタルを懐中電灯で照らす、というヤツが必ず出る。
アホではないのか。自分から光っているものを照らして何になる。
勘弁してほしい。
そういうわけだからこういうのがいない平日が良い。
ここは一目で100匹近い数のホタルが観察できたのが、
2、3年前に護岸工事が行われ、河川内の草が完膚なきまでに刈られてしまった結果
蛍の数が激減してしまった。
しかし、去年は少し回復し、今年はさらに増えていたのが大変にめでたい。
完全復活ももはや時間の問題といった瑞兆である。
その2: うちから歩いて10分の、極秘小川
数の増減はあるものの、昔々から不動の筆者のホタルポイントである。
あまりにも昔から通っているので、見つけたきっかけを思い出せないが、
この小川から徒歩2分の場所に住んでいた大叔母のタレコミ
であったろうと推測する。
山がすぐそこ、といったロケーションにあり、まだ山川の面影を残すこの川は、
川幅の割に谷が深く、細い生活道路にかかった小橋の欄干に身を載せて
谷底を望むと、蛍が各々自己アピールしまくりのギャル引っかけまくりである。
ホタルがなんのために光り、なにを念頭に乱舞しているのか考えると、
(ヘンなもの見てるなあ、ワタシ。)
とも思う。
子供は見てはいけないぐらいの事態なのだが。
第一そんなのじろじろ見るなんて失礼極まりない話であるのだが。
キレイ。とか言って感動している場合でもないのだが。
ここは村人のみぞ知るポイントであり、筆者は村人ではないのだが、
村人の大姪だから十分見に行く権利があるのではないかと思う。
その3: ウチの前の超秘密小川
谷に面して建てられた実家は崖の上に立っており、
従って敷地の外側は谷であり、そこに谷川が流れている。
庭の端に貼られたフェンスにつかまって見下ろせば、
そこはもう、幽玄の世界。
自慢してない振りなどするだけムダだから言うが、
庭でホタル狩りができるなんて、いいだろ。
筆者一家が引っ越してきた昭和後期前半は、
この川の両側が、ビッシリとまったホタルが放つ光で
ギラリと光っていたという。
筆者は赤子であったため、そんなのは知らない。
その後宅地開発が進むにつれホタルの数が激減、のち絶滅した。
それもそのはず、筆者が子供のころ、この川は洗濯時になると
泡立っていたものだ。
それが、だんだんと下水道の整備が進み、ウチの庭の浄化槽も
お役御免になった頃から魚が戻り、幼虫のえさとなる貝が戻り、
とうとうホタルが帰ってきた。
そして25年ほど前、ホタル爆発、とも呼ぶべき異常発生があった。
この年は一目千匹は下らなかろうという数のホタルが飛び交い、
谷に余ったホタルは実家の庭から道路まで上がって来、
人にぶつからんばかりに乱れ舞う事態となった。
ホタル以外のなんという虫だろうが、こんな事態は気持ち悪く、
到底受け入れることなどできはしないはずなのに、ホタルなもんだから
いいことだと思っていたのが勝手な話である。
爆発のあとは反動で再度激減し、その後20年ほどは数匹に落ち着いていたのが、
去年から増えだして、今年は見た目50匹ほどになった。
来年はさらに増えることだろう。
今から大変に楽しみ、という話なのである。
以上が筆者の鉄板ホタル観賞ポイントであるが、
今年はこれらに加えて万博公園にも行った。
心から称賛してやまない、大好きな万博公園であるが、
ホタルポイントとしてだけは、ウチ近辺の比ではない。ウチ圧勝であった。
しかし夜の万博公園を楽しめることは稀なので、
万博公園ファンとして来年も行くかもしれない。
長くても2週間しかないホタルシーズンの一夜一夜を惜しみながら
筆者はホタルのハシゴをする。
★ ちょっとだけイングリッシュ ★
余談だが、このところ英語版をサボリまくっているので、
少しは英語の悪口を書かねば、ということで書くが、
ホタル を英語で
firefly という。
あんまりではないか。
日本語の蛍は、語源が 「火垂る」 あるいは 「火照る」 である。
蛍を見た古代人が
「あれ、見なはれ、空中に火が照っているような、火を垂らして飛んでいるような
虫やおまへんか。これからあれをホタル、と呼びましょやおまへんか。」
とか言ってついた名である。
日本人の情緒と美しい言葉の感性あっての作物である。
翻って、fireflyであるが。
火の蠅ってあんた。
あんまりではないか。
英語の人の動植物に対する命名法はあまりにも
こういっちゃなんだがつまりその。
貧相である。
日本人は自然と同化した生活文化を育み、
西洋人は自然を敵として、できるだけ排除・征服する生き方を採った。
その結果がこの、シオカラトンボ?ヤンマ?何それ、どっちもdragonflyじゃんどう見ても。
火を出しながら飛んでるハエだな、ありゃ。火バエだな。
という、どう控えめに言ってもガサツな生き物の把握の仕方につながったものと思われる。
つまり農耕民族と狩猟民族の違いということだろうか。
知らないが。
さて、これだけ悪く言えば覚えやすいのではないだろうか。
firefly
夏の重要事項なので覚えてお使いください。
おわり。