縁起とは、実体なし。 It's All about How You Look at Things | zuzu's room ズーズーズルーム

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また年末である。



大したことをするわけでもないのに、

やはり少しは普段しないことをするから

筆者の年末は非常に忙しい。



第一、年賀状というのがいけない。

しょっちゅう会う相手にまで改まって書面で挨拶しなくても

良さそうに思うが、出さないで友達甲斐がないと思われるのも困るから、

やはり出す。

やっと今夕投函した。

今日届くはずだった原稿がほぼ1日遅れたから、明日も仕事がある。

窓拭きもしなければならない。

できるだろうか。心もとない。



今年はカーテンを洗濯した。

寝室に3枚のカーテンがかかっているのが、

かけてこのかた5年ほど洗ったことがない。

白のレースだから汚れたら分かろうし、

分かったら嫌でも洗いたくなるだろうと

思っていたのだが、案外洗いたくなるほど汚れない。

しかしなにしろ5年以上洗っていないのだから、

汚いにきまっている、年末には洗おう、と数ヶ月来考えてきたから、

今日洗った。

洗って吊るして、どんなに白く美しくなったかと期待して、

少し離れて眺めたら、そんなにきれいになったようにも思えず、

あまりにも変わり映えしないので納得いかず、

再びはずして今度は漂白剤で洗った。

それで少しはきれいになったようにも思うが、気のせいかもしれない。

それでも「洗った」と思うから、気分は良い。

しかし、それでいくと、洗っていないのに洗ったと信じれば気分が良いことになる。

気分とは虚無なものである。



昨日、正月用に慈姑を15個買って、もって帰って剥いたら、

1つは半分腐っており、あとの10個ぐらいも腐ってはいないものの傷みがひどく、

悪いところを片端から包丁でえぐり取ったら

満足に丸い形を保っているのがほんの4,5コにすぎず、

全体の体積が3分の1ぐらい減ってしまった。



そういえば例年と違うスーパーで、いつもの5分の3ぐらいの値段であった。

安いのには理由があるに決まっているが、

腐っているから安い、というのは間違っている。

店に文句を言いたいが、もし新しいのと変えてもらったら、

剥いた苦労が無駄になる。

それに、仕入先や値段が同じならそんなに良くなるとも思えぬ。

第一また15個剥かねばならない。そしたら全部で30個剥くことになる。

それは困るのだ。

仕方ないからそのまま炊いて、正月にはそれを食べることにした。



母にその話をした。

「だからほとんど全部丸くないねん。お正月の縁起物やのに、縁起悪いやんか?!」

そうすると、老母がこう言った

「でも、悪いところを全部取ってんから、新しい年も悪いところが全部ない、ということやん。」



母は認知症におかされながらも、

時としてはっとするような、きらきらするようなことを言う。

脳というのは本当に人智の元でありながら人智を超えている。

さっきのことどころか、昔の記憶まで失われつつある萎縮した

母の脳の中で、母にこう考えさせた部分はまだ完全なままなのだ。

つくづく脳みそは油断がならないと思う。



とにかく、慈姑の悪いところを全部年内に取ってしまったから

来年の悪いところももう全部今年のうちに取ってしまったのだ、

と信じるのはとても気分がよいから、一も二もなくそう思うことにした。



                              記 ネット翻訳サービス ちょっと訳して.com  運営者