ジャッキーの別作品のフッテージをベースにでっち上げた珍作をU-NEXTで観ました。初見。
監督はチェン・チュアン。予告編はコチラ。
中国清朝末期。末世流の使い手である極悪兄弟の天鬼(ヤム・サイクン)と地鬼が六合八卦流の使い手であるチン兄弟のザンバッ(チェン・ウェイロー)とザンナム(ジェームズ・ティエン)を襲撃。共に子連れのチン兄弟は二手に分かれて命からがら逃走します。それから10年後。チン兄弟は生き別れのまま。物乞い集団のボスに匿ってもらっていたザンバッの息子ドン(ワイ・ティンチー)は武術の修行もせずに悪友ティンガイ(ハン・クォツァイ)とつるんでイカサマ商売に精を出していました。一方のザンナムは各地を転々とする生活を続けていて、息子ロン(ジャッキー・チェン)はギャンブルに明け暮れる放蕩息子に成長。ある日、ティンガイのイカサマ商売が縁でドンとロンは再会しますが、お互いがいとこだとは気づきません。
しばらくして、チン兄弟を追い続けていた極悪兄弟がザンナムを見つけて、家を焼き討ちにした挙句に惨殺。不在にしていたロンは焼野原となっていた住処を見て絶句。ロンは父の兄であるザンバッを探し当てて、自分たちを追っている極悪兄弟の存在を教えてもらって、仇を討つためにマジメに修行してほしいと諭されます。そして、自ら腕を磨く特訓をしながら、修行する気がないドンとティンガイにも修行を促します。そうしてるうちに、ティンガイとザンバッも殺されてしまって、生き残ったロンとドンは極悪兄弟をおびき寄せて、末世流と六合八卦流の覇権争いに決着をつける壮絶な死闘を繰り広げるのであった・・・というのが大まかなあらすじ。
原題は「龍騰虎躍」。活気に満ちている状態を指す言葉のようです。日本での劇場公開時には短縮した日本語吹替版だったとのこと。今回観たのは字幕版。ゴールデン・ハーベストにジャッキーを奪われてしまったロー・ウェイが他作品の未使用素材とそっくりさんを使って、新しいストーリーを作った商魂たくましき一品。VHSビデオでのリリース時の邦題は「新クレージーモンキー 大笑拳」。一部使用されているのは「笑拳」のNGカット、「拳精」や「龍拳」のシーン、そして、撮影中止となった「鬼手十八翻」のカットなんだそうです。ストーリーに沿った演技をしてるわけではないので、ジャッキーのテンションが場面の状況と合っていません。服装もコロコロ変わります。
素材をかき集めただけでは話が繋がらないため、本作用に追加撮影。ジャッキーの出演箇所では付け髭の別人が演じてます。ブルース・リー作品だと「死亡遊戯」に相当するパチモン感が好きな人にはたまらないかもしれません。「笑拳」の未使用シーンと思われる食堂の場面では、ディーン・セキも出演。当時彼が出演していた大ヒット作「悪漢探偵」のテーマ曲を何度も流用しています。ドンを演じるワイ・ティンチーはなかなかの二枚目で、体のキレも良く、香港映画界でスターになってもおかしくないぞなんて思ったら、2012年に55才で亡くなられるまで多くのアクション映画に出演されていたそうです。ちなみに、妹さんはクララ・ウェイという芸名でカンフー映画のヒロインとして活躍して以降、現在も現役の女優さんです。









