「猿の惑星/キングダム」(2024)

 

「猿の惑星」リブートシリーズのその後を描いた新作をグランドシネマサンシャイン池袋Dolby Atmosで観てきました。

 

 

監督はウェス・ボール。予告編はコチラ

 

シーザーが人類との決戦を制してから300年後の地球。シーザーの功績は遠い過去の出来事となっています。ウィルスの影響で知性が後退した人類は野生化。猿は各種族ごとにそれぞれの文明圏を形成して平和に暮らしていました。その一つであるイーグル族のノア(オーウェン・ティーグ)が幼なじみのスーナアナヤ(写真中央)と共に絶壁の崖上にある鳥の卵を捕獲していました。一族のリーダーの家系に生まれた主人公属性高めのノアは、成人になるための儀式に使う卵を勇ましくゲットした帰りに、エコー(野生化した人類)が近くにいる気配を感じます。夜になって集落に潜入していたエコー(フレイヤ・アーラン)を見つけた後、事態は急変。エコーの行方を追っている武装化した別種族に襲撃されて、イーグル族の集落は全滅。生き残った猿は捕虜として連行されます。無残な現場のドサクサに紛れて置いてけぼりを食らったノアは仲間を探すための旅に出発進行

 

放浪早々、オランウータンのラカに遭遇。彼も武装種族に襲撃された一族の生き残りでした。シーザーが大切にしていた知性を継承しようとしているラカの薫陶を受けると同時に、集落で会ったエコーのノヴァがラカに付きまとっていることを不審に感じるノア。しゃべれないバカだと思っていたノヴァが話せることを知った時、またしても武装種族が襲撃。ラカは川の激流に巻き込まれて行方不明。ノアとノヴァは捕虜になります。武装種族がかき集めた捕虜と暮らしていた拠点に連行されたノアは、イーグル族の残党と再会。そこには他の猿たちやエコーのトレヴェイサン(ウィリアム・H・メイシー)もいて、全てを束ねている権力者プロキシマス(ケヴィン・デュランド)が、シーザーの後継者として猿の王国建設を画策中。拠点には人類が隠した文明の利器が眠っていますが、堅牢に閉ざされた扉をずっと壊せないでいました。やがて、人類の叡知を獲得しようとする猿と、覇権を取り戻そうとする人類との争いが勃発して・・・というのが大まかなあらすじ。

 

原題は「Kingdom of the Planet of the Apes」。本物の猿が感情豊かに言葉をしゃべって自然を大自然を駆け巡ってるようにしか見えない映像の数々を堪能できただけでもう大満足でした。可能なら、ハリウッドで「さるかに合戦」をフルCGで作ってもらいたいです。あと、ずっと猿ばっかり見てたせいで、やっと人間の美女が薄着で出てきた時にはちょっと性的な興奮を覚えたことも告白しておきます。オリジナルシリーズやリブートシリーズへの目配せもされていて、何度も過ちを犯す人類、その人類と同じような道を辿ろうとする猿、それに対抗する猿。という感じで、新始動したシリーズの初期設定と今後活躍するだろう主要人物を紹介する内容。設定の肝になる部分をようやく明かす終盤までの間、少し長いなと感じる時間帯はあるかも。ラストはというと、人工衛星システムの装置を再稼働させるツールを手に入れた人類と、一族の象徴である鷲の統率力を改めて手に入れたイーグル族がそれぞれに空を見上げるショットで終わりました。次作も期待したくなる映画でございました。