「勝負をつけろ」(1961)

 

ベルモンド主演の犯罪映画をU-NEXTで観ました。初見。

 

 

監督はジャン・ベッケル。予告編はコチラ

 

大親友のグザヴィエが無実なのに殺人罪で逮捕されたことを聞いたロベルト・ラ・ロッカ(ジャン=ポール・ベルモンド)。彼を救うために港町マルセイユにやって来ます。銃を扱わせたら天下一品の暴れん坊のラ・ロッカ。まずはグザヴィエを陥れて雲隠れしているヴィラノヴァをあぶり出すため、情婦のモードに近づきます。いつの間にか自分の女にした頃、ヴィラノヴァの一味に呼び出しを食らったラ・ロッカオレの女を寝取ったらどうなるのか思い知らせてやるぜと言い放つヴィラノヴァ銃弾をぶちかましてあっさりと射殺。すると、ヴィラノヴァの部下たちはビビッて即降参。死体を始末させて、ヴィラノヴァや部下が仕切る賭博場やバーもゲット。しかし、モードに任せたバーにショバ代を要求して来たアメリカ人ギャング(ミシェル・コンスタンタン)と乱闘になって、射殺した時にラ・ロッカも負傷してそのまま投獄されます。

ちょうどグザヴィエと同じ刑務所に収監されたラ・ロッカ横暴な囚人長を締め上げて独房に入れられっぱなしグザヴィエを救うと、二人は刑期が軽減される地雷の撤去作業に志願します。危険な作業ゆえに複数の囚人が事故で爆死する中、ラ・ロッカが手こずっていた地雷を代わりに撤去しようとしたグザヴィエは誤爆させてしまって、左手を失います。出所した二人はグザヴィエの妹ジュヌヴィエーヴ(クリスティーネ・カウフマン)と暮らしはじめます。手頃な農場を見つけたものの、金欠の三人。グザヴィエはかつて自分を刑務所送りにした裏切者ネヴァダを脅迫して得た金で農場を買います。グザヴィエが戻って来た時、家で待っていたのは、ラ・ロッカをかばってネヴァダの手下に撃たれたジュヌヴィエーヴ死体でした・・・というのが大まかなあらすじ。

 

原題は「Un nommé La Rocca」。"ラ・ロッカと呼ばれた男"という意味。邦題は"かたをつけろ"と読みます。ジョゼ・ジョヴァンニの「ひとり狼(L’Excommunié)」が原作。のちにジョバンニ自らがリメイクした「ラ・スクムーン」(1972)とU-NEXTで同時に配信開始となったため、未見のコチラをチョイス。ラ・ロッカとグザヴィエの向こう見ずなコンビが自分を裏切った組織と争った結果、カワイイ妹を失ってしまうというお話。ジャック・ベッケルの息子のジャンはこれが監督デビュー作。エピソードを淡々と描写していくドライなタッチ。地雷撤去作業シーンはそれなりにハラハラ。妹の葬式シーンであっさりと終わります。部下の一人がムダにオシャレでした。あと、賭博場で働いていた男の一人「フレンチ・コネクション」(1971)の冒頭で殺されてしまうフランスの刑事役のおじさんを見つけました。ジャン・ルイジという俳優さんのようです。