「フレンチ・ドレッシング」(1964)

 

映画祭で町興しを企てる英国製ドタバタコメディをU-NEXTで観ました。初見。

 

 

ケン・ラッセルの長編監督デビュー作。予告編はコチラ

 

イギリスのリゾート地ゴームレイ。行楽シーズンになっても観光客がほとんどおらず、市の職員としてヒマをもてあそんでいる青年ジム(ジェームズ・ブース)ヘンリー(ロイ・キニア)。人気絶頂のセックス・シンボルであるB・Bことブリジット・バルドーを特集した映画祭を開催すれば人が集まるんじゃないかとジムが言い出すと、ジムの彼女で地元紙記者のジュディ(アリタ・ノートン)がジムの活性化案を記事にしてしまいます。市長に呼び出されたジムは、ここぞとばかりに開催を提案。有名女優を招聘できるのならと言われたジムは、B・Bにちょっと似ているフランスのF・Fことフランソワーズ・ファイヨル(マリーザ・メル)を招くことにします。ポルノまがいの映画に出ている三流女優です。ジムとヘンリーはさっそくフランスに渡って偶然出会ったF・Fと意気投合して、ゴームレイに連れてくることに成功。

 

ゴームレイに到着早々、市長をはじめとした職員総出で大歓迎。予想以上にチヤホヤされて、F・Fはご満悦の様子。やがて、おらが町にスターがやって来たということで、彼女を一目見たいと思った人たちでビーチには行列ができる騒ぎに。各地からも観衆が集まって、片田舎の映画祭は活況を呈します。市長もF・Fの色気にデレデレ。で、ジムが計画したのは映画祭以外にもう一つあって、地元の海岸をヌーディスト・ビーチとして売り出すことでした。映画祭の盛り上がりに気を良くしたF・Fがビーチでヌードを披露することにも乗り気でしたが、ちょっとした気まぐれで帰国してしまいます。いよいよ、ヌーディストビーチ解禁の日。どういうわけか、ジュディが代わりにヌードになることになって・・・というのが大まかなあらすじ。

 

原題は「French Dressing」。どういう意味なんでしょうか。TVディレクターだったケン・ラッセルが「ジャック・タチ風のコメディ映画を」というリクエストで作った映画監督デビュー作。たしかに「ぼくの伯父さんの休暇」(1953)のようにリゾート地のバカンスを舞台にしたコメディではあるけれど・・・、たいしたことない女優の招聘でもなぜか大騒ぎになった町の数日間の狂騒が可もなく不可もないドタバタで描かれていました。F・F役のマリーザ・メル「女の秘めごと」(1969)に出てましたね。主役3人は知らない俳優さんです。アリタ・ノートンはなかなかキュート。ロイ・キニアの息子は、近年の「007」シリーズに出ているロリー・キニア。ハリウッドに渡って俳優を続けていたジェームズ・ブースは、ファラ・フォーセット主演の「サンバーン」(1979)の脚本を書いたそうです。「サンバーン」のチラシを2時間眺めている方が楽しいかもと思わせるような映画でございました。