「ダイ・ハード3」(1995)

 

2月からアマプラ配信となったシリーズの第三弾をひさびさに観ました。

 

 

監督はジョン・マクティアナン。予告編はコチラ

 

NYの市街地で爆弾テロ事件が発生。警察にはサイモンと名乗る犯人が電話してきて、妻と別居中でアル中一歩手前で休職中のジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)をクイズの回答者に指名して、正解できないとまた爆破するぞと脅してきます。まずは、ハーレム地区の路上に「I hate Niggers」と書かれたボードを身につけさせられたマクレーン。その姿を見かけた家電修理店の主人ゼウス(サミュエル・L・ジャクソン)が助けに行くも、黒人ギャング達に絡まれてボコボコにされます。なんとかタクシーで逃げ延びて警察署に戻ると、今度はマクレーンとゼウスの二人で指示通りに動けと電話で命令してきます。大量の特製液体爆弾を盗んだと思われる犯人の脅迫は本物で、やむなく二日酔いのマクレーンと同行することになったゼウス。繁華街の路上にある公衆電話に連絡が入り、なぞなぞチックなクイズを出題される二人。つづいて地下鉄の車両に仕掛けたという爆薬を除去させられるマクレーン。先回りして停車駅で待つゼウス。マクレーンがようやく見つけた爆弾を後方車両から線路に投げ捨てると、最悪の事態は回避するも、脱線した車両プラットフォームに突っ込んでくる惨事に。

 

やがて、サイモン(ジェレミー・アイアンズ)国際指名手配中のテロリストで、ダイ・ハードの1作目でマクレーンが退治したハンス・グルーバーの兄であることが判明。また電話を掛けてきたサイモンは、二人を爆弾を仕掛けた公園に呼び出して、本日2問目クイズを出題。正解されると、すかさず第3問目に突入。正解できないとNY市内にあるどこかの小学校が爆破されます。出題内容は『42の中の21は何でしょう?』。意外な人物の解答で小学校の名前を割り出すことに成功して、学校に駆けつけた捜査チームが爆弾除去作業を進めながら生徒たちの避難を開始。一方、NY中の警察官が全ての小学校の捜索で散らばっている間に何らかの犯行を企んでいるのではということに勘づいたマクレーンは、強引な推理で連邦準備銀行に眠る金塊強奪が犯人の目的だと見抜きます。正解です。サイモンはタルゴ(ニッキー・ワイマン)カティヤ(サム・フィリップス)らを擁したテロ部隊を組織して、地下鉄爆破現場の解体工事のフリをして、連邦準備銀行の地下にある金塊を強奪していました。マクレーンはゼウスの協力を得ながら、打倒サイモンに執念を燃やして・・・というのが大まかなあらすじ。

 

原題は「Die Hard with a Vengeance」。"復讐によるダイ・ハード"、"猛烈にダイ・ハード"というダブルミーニングらしいです。ビル、空港と来て、本作の舞台はNYの街全体。NYの全面協力で実際の市街地でロケ撮影された映像にはリアルな迫力あり。最初の爆発から最後の対決まで荒唐無稽なバカバカしさも織り交ぜてほぼノンストップでアクションが展開。弟の復讐と思わせておいて、1400億ドル相当の金塊を国外に持ち出すことが目的の悪党を演じるのはジェレミー・アイアンズ。知的な存在感が画面を引き締めます。当初はショーン・コネリーのオファーしていたとのこと。全作共通でいえることですが、結局マクレーンを殺さずにもて遊んだばっかりに破滅を迎えます。シリーズが続くにつれて、なかなか死なないキャラから、犯人がなかなか殺さないキャラになっていくマクレーンことブルース・ウィリスは孤軍奮闘だった前2作と違って、共に戦ってくれる相棒が登場。小市民の正義漢を演じるのはサミュエル・L・ジャクソン。クレーンとの丁々発止のやりとりも絶好調で、死なないキャラが伝染して悪党退治に貢献。得意の「マザーファッカー」も数回口走ります。こちらの当初の配役はローレンス・フィッシュバーンだったようです。

 

"融通が利かずにマクレーンの捜査を邪魔してしまう味方"が本作にはいないため、マクレーンの推理を信じてスタッフが動いてくれます。残り数分で爆発するのに、避難しそびれた小学生を救うために校舎に助けに行くとランバート(グラハム・グリーン)コワルスキー(コリーン・キャンプ)。逃げる時間を捨てて爆弾を解除しようとするチャーリー(ケビン・チャンバーリン)。NY市民のために命を懸ける警察官の勇気にちょっぴり感動。クジの当選番号や扁桃腺のクスリに関する仕掛けはちょっと強引な伏線の張り方になっていて、改めて1作目の奇跡的な素晴らしさを感じます。その1作目の監督ジョン・マクティアナンが戻って、ユーモアを交えたユルさアクションのハデさが共存している本作は、IMDBスコアでは1作目の8.2に続く評価となる7.6。個人的にはハデでバカな2作目(IMDBスコアは7.1)の方が好みです。