「らしゃめんお万 彼岸花は散った」(1972)

 

金髪女賭博師を描いた任侠ポルノの続編をU-NEXTで観ました。初見。

 

 

監督は曽根中生。予告編はありません。

 

前作の罪で刑務所入りして3年。シャバに出て賭場に向かったお万(サリー・メイ)壺振りの半次(高橋明)とのサシの勝負に敗れて無一文。盲目の半次の華麗なテクニックと男っぷりに惹かれて一夜を共に住むお万。それ以降、稲荷組にワラジを脱いで金髪壺振り師として人気を博していきます。旧知のお秋(林美樹)と再会するも、お秋の愛する相手が半次であることを知ってショックを受けるお万。一方、グレてしまった種違いの妹お菊(山科ゆり)は、ヤンキー少女たちとつるんでたところを稲荷組に拉致されて、留吉親分(前野霜一郎)に手篭めにされた挙げ句、遊郭に売り飛ばされます。

 

お万がお菊を身請けするための300万円に困っていたところ、ヤクザの親分を殺して追われている半次は、逃亡用に貯めた資金をお万に差し出します。留吉親分はお菊を遊郭から足抜けさせる条件としてお万のカラダを要求。たっぷりと味わった後、眠らせたお万の背中に吉祥天女像の刺青を入れます。やがて、半次の命を狙うヤクザの刺客が現れますが、カラダを張って刺客を足止めするお秋。で、なんやかんやあってから、留吉親分にお菊を殺されてしまったお万は、助っ人を志願した半次を従えて稲荷組へ殴り込みに行くのだが・・・というのが大まかなあらすじ。

 

劇場公開は1972年4月29日。同時上映は「団地妻 しのび逢い」。刑期を終えて堅気になればよかったのですが、真っ先に駆けつけた母の料亭はヤクザの手に渡っていました。母はすでに死亡していて、唯一生き残った肉親の妹を更生させるためにまたヤクザな世界に舞い戻ることに。おっさん連中に抱かれたりしながら最後は討ち入り成功するお万さんの女っぷりに磨きがかかっています。本作でも2回流れる主題歌の『金髪仁義』。前作で陰毛を欲しがる遊郭の客で出ていた高橋明が主人公を助ける盲目の侠客をカッコ良く演じています。そして、ラスボスの稲荷組長役をお騒がせ俳優前野霜一郎が怪演。スケバングループの女どもを拉致して凌辱するだけなので、東映任侠映画に比べれば悪のスケールはかなり小さく、こじんまりとした一品でした。