地上600mの鉄塔から下りられなくなった女たちの映画をU-NEXTで観ました。
監督はスコット・マン。予告編はコチラ。
フリークライミングが趣味のダンとベッキー(グレイス・キャロライン・カリー)の仲良し夫婦と友人のハンター(ヴァージニア・ガードナー)。危険な山でフリークライミングをしてるときに夫が落下事故で死んでしまいます。死んでしまうかもというスリル込みで楽しんでる人たちなので自業自得だと思いますが、最愛の夫を亡くしたショックで1年近く飲んだくれる日々を過ごしていたベッキー。前々から夫ダンのことを悪く言っていた父の心配も無視して、助言も聞く気なし。ある日、親友ハンターがベッキーの元にやって来ます。ベッキーを元気づけようと一緒にクライミングしないかと提案します。今は使われてないテレビ塔を登ろうという大胆な企画。UPした動画視聴で小遣い稼ぎをしているハンターはノリノリ。最初は気乗りしなかったベッキーもハンターの熱心な誘いに負けて一緒に登ることを決意します。
砂漠みたいな場所にポツンと立っているテレビ塔。立ち入り禁止の金網を越えて、地上600mもある鉄塔を登り始める2人。老朽化していて、ネジが外れそうな箇所がいくつかあることを当人たちは気づかず、観客だけが知っている状態なのでハラハラします。高所恐怖症の私は、序盤の登っている描写からずっとドキドキしています。ある程度スリリングな瞬間もありながらテッペン近くにたどり着いたハンターとベッキー。持ち込んだドローンで自分たちを撮影したり、ぶら下がってハラハラを楽しんだりして楽しんでたのは最初の30分くらいで、案の定、ネジが外れてハシゴが全部崩壊してしまいます。周囲に人は誰もおらず、電波の届かない高さのため、ケータイも使えません。文字通りハシゴを外された2人はこのピンチをどう切り抜けるのか・・・というのが大まかなあらすじ。
登った鉄塔から逃れられなくなりましたっ！というシンプルなサスペンスで押し切る映画。面白いです。落下事故で夫が亡くなったというのに、ショック療法なのか、より危ない高地に挑んで、結局はヒドイ目に遭う女性コンビの物語。映画館で観たらチビってたかもしれません。自分ではやりたくないことを疑似体験できるのは、映画の醍醐味そのもの。チラチラと女性のオッパイも見えますが、そちらに目が行かないくらいハラハラしている自分がいました。登るのは3、4人だと数人は死ぬんだろうなと予測できますが、2人しか登場人物がいないので、どっちかが先に死んじゃうのか、どっちとも死ぬのか、どっちとも生き残るのかの三択しかないため、サスペンスがずっと続けられるのかどうかにもハラハラしていました。序盤に出て来る会話やキャラがサバイバルモードになってからの展開に繋がっているので、最後までハラハラさせてくれます。
知っている俳優さんは、ハンター役のヴァージニア・ガードナーだけでした。少ない出演作のうち、「ハロウィン」も「スターフィッシュ」も面白かったので、作品選びのセンスがある女優さんなのかもしれません。W主役といっていいですが、実質的な主役はベッキー役のグレイス・キャロライン・カリー。最初はオドオドしていたベッキーがストーリーが進むにつれて、ちょっとだけたくましくなっていく姿が見どころでしょうか。しかし、●●●が●●となってしまってという予想外の出来事も起きたります。IMDBトリビアによると、もろもろCGで合成しているとはいえ、山の頂上に30mくらいの鉄塔のセットを作って撮影したそうです。映画のクオリティがどうのこうのというより、とにかく高い所はコワイという一言に尽きる映画でございました。300万ドルの予算を考えれば、臨場感を演出する手腕が見事なこともあって、最上級クラスの面白さでしょう。映画館で観るべきだったとモーレツに後悔しています。
