「眠狂四郎女妖剣」(1964)

 

シリーズ第四弾を某動画サイトで観ました。

 

 

監督は池広一夫。予告編はコチラ

 

将軍の娘、菊姫は江戸の美女を攫ってきてはアヘン漬けにして殺す所業を繰り返しています。全裸美女二人の死体が河岸に横たわってるのを見た狂四郎(市川雷蔵)。これには江戸城に出入りしている主治医(浜村純)が豪商備前屋(稲葉義男)と組んでアヘンをはじめとした密輸品を大奥に売ってボロ儲けしていることも絡んでいます。ちょうどその時、鳥蔵と名乗る隠れキリシタンに声を掛けられて、"びるぜん志摩"という女教祖を助けてほしいと依頼されますが、そんなことは信徒で解決しろとシカト。捕まった鳥蔵を助けようとする小鈴(藤村志保)監禁している宣教師"転びバテレン"にさせたら、捕まった鳥蔵の命を助けてやると菊姫に言われて、宣教師を誘惑して抱かれたのに約束を反故にされます。小鈴の動向を追っかけていた狂四郎は、牢屋から出てきた宣教師の首を斬って鳥蔵と小鈴助けようとしますが、2人とも死亡。好き勝手に振舞う菊姫に接近して、秘密を暴いた後、自分の出生の秘密を知るという"びるぜん志摩"のいる浜松に向かう狂四郎。

 

闇ビジネスを嗅ぎつけた狂四郎をジャマだと感じた備前屋は名うての刺客を送り込んで、旅先での狂四郎暗殺を目論みます。忍びの者(伊達三郎)巫女(根岸明美)鳥追い女を装った娼婦(春川ますみ)などの追っ手次々と交わしていきながら、隠れ家に潜んでいた"びるぜん志摩"(久保菜穂子)とようやく会えた狂四郎。そこに備前屋と菊姫の手下が襲ってきて、"びるぜん志摩"は拉致されます。菊姫の腹心の部下(中谷一郎)を始末して、備前屋の密貿易船にたどり着いた狂四郎は備前屋一行をまとめて斬り倒し密輸に協力していた宿敵陳孫(城健三朗)とも一騎打ちとなります。死闘の末、陳孫が海に飛び込んでトンズラすると、舟倉にいた"びるぜん志摩"と再度ご対面。自分は備前屋と結託して信徒を売っていたこと、転びバテレンに生け贄として犯された武家の娘から産まれたのが狂四郎であること、狂四郎の乳母となったのが志摩の母であることなどと話しながら色気で誘ってくる志摩の体を斬り裂く狂四郎。「お前なんぞ平気で斬れる。無頼の徒だからな」と冷たく言い残して立ち去っていく・・・というのが大まかなあらすじ。

 

劇場公開は1964年10月17日。同時上映は「座頭市血笑旅」。座頭市との相乗効果もあってか、シリーズ初のヒット作となりました。風呂上りの女の後ろ姿からスタート。エロティックなチラリズム要素が全編に散りばめられていて、シリーズの方向性を固めた本作を最高傑作という人は多いみたいです。狂四郎の出生の秘密が暴かれた点、そして、ストロボ撮影で刀が弧を描く円月殺法披露された点も代表作に挙げられる理由かと。まだ全作観てないのでなんともいえませんが、80分ちょっとので見せ場が豊富なのは間違いありません。藤村志保根岸明美春川ますみと順々にお色気パワーを発揮。久保菜穂子の透け透けボディラインが最もエロかったです。数あるチャンバラシーンでは、中谷一郎の右腕を空中に斬り飛ばす場面が秀逸。ひさしぶりの登場となった少林寺拳法の達人である陳孫との直接対決は消化不良。次作以降のどこかでまた登場するのでしょうか?