アポロとラブラブになる第3弾をU-NEXTで観ました。
監督・脚本はシルヴェスター・スタローン。予告編はコチラ。
アポロとのリターンマッチを制してチャンピオンになったロッキー(シルヴェスター・スタローン)。その後、10度の防衛を重ねて国民的ヒーローになり、豪邸に愛妻エイドリアン(タリア・シャイア)と息子、トレーナーのミッキー(バージェス・メレディス)と同居するセレブな生活ぶり。前作でボロボロだったCM出演も器用にこなしてる模様。一人いじけているポーリー(バート・ヤング)も、なんやかんやで小判ザメのようにロッキーにくっついて生きています。ただ、向かうところ敵なしかというとそうでもなく、王座を虎視眈々と狙っているのが世界ランキング1位のクラバー・ラング(ミスター・T)。強烈なパンチ力を持ち、オレと対戦しろとロッキーを挑発。試合の様子をミッキーもチェックしています。人気プロレスラー、サンダー・リップス(ハルク・ホーガン)とのエキシビションマッチで戯れる姿を見て、イライラが止まらないクラバー。
フィラデルフィアでのロッキーのブロンズ像除幕式中にクラバーが乱入。侮辱的な発言にキレたロッキーはクラバーの挑戦を受けることを決意。しかし、ミッキーが対戦を頑なに拒みます。ロッキーの衰えに気づいていたミッキーは弱い相手を選別して防衛を続けていたことを告白。それを聞いてショックを受けるロッキー。とはいえ、現役最後の試合ということで再びタッグを組んでトレーニングを開始。タイトルマッチ当日、試合直前にミッキーが心臓発作で倒れます。精神的支柱を失ったロッキーは精彩を欠いて、2ラウンドKO負け。試合後、息を引き取るミッキー。失意のどん底で沈み込むロッキー。そこに現れたのが、かつての戦友アポロ(カール・ウェザース)。自らトレーナーを名乗り出て、ロッキーと二人三脚で打倒クラバーを目指す戦いを開始するのだが・・・というのが大まかなあらすじ。
MTV人気もあってロックをBGMにノリノリで押し切るタイプの映画が量産されていた時期に作られた本作。サバイバーの『アイ・オブ・ザ・タイガー』がテンションを即座に上げてくれます。浮かれる、負ける、悲しむ、頑張る、勝つの一連の流れでテンポ良く展開。前2作より20分上映時間が短くなってる分だけ人物描写か薄く、良くも悪くも内容が軽くなっています。ロッキーの人生で幸せのピークだったと思われる10回の防衛を重ねた時期がダイジェストで紹介されるのは、いま振り返るともったいない限り。ミッキーの持病やクラバーの強さに無頓着すぎるのがお粗末で、案の定、ミッキーは死んでしまい、クラバーには完敗。ショボンとしたロッキーを勇気づけるのがアポロ。自分が育った黒人だらけのボクシングジムに連れてきて、ハングリーさ(虎の眼)を復活させようとします。献身的な愛。それでも士気が上がらないロッキーを目覚めさせたのが、付き添いでやって来たエイドリアン。ロッキーへの愛ならアポロに負けません。たくましい妻に成長しました。一緒に帯同してきたポーリーは何の役にも立ちません。覚醒したロッキーが海辺でランニングをしてアポロと抱き合ってはしゃぎ合う場面は、映画史上屈指のBL(ボーイズラブ)シーンといわれています。
「特攻野郎Aチーム」(1983-1987)でも活躍したミスター・Tのその後については勉強不足でしたが、1995年からガンの闘病生活に入って仕事をセーブ、克服してからはTVやCMに活動の場を移して、今もお元気のようです。「クリード」シリーズに登場する噂もありましたが、出てくることはあるんでしょうか?ちなみに「クリード3」(監督・主演はマイケル・B・ジョーダン)は今年11月に全米公開予定。また、ロッキーのトレーニング中にキスしに来る野次馬の女性は、スタローンの妻サーシャが演じています。下積み時代、女優の卵だったサーシャがバイトしていた映画館で出会って、猛烈なアプローチでハートを射止めて結婚したスタローン。この頃はまだ夫婦生活も順調でした。