「悪魔のいけにえ レジェンド・オブ・レザーフェイス」(1994)

 

名作「悪魔のいけにえ」(1974)の4作目をU-NEXTで観ました。

 

 

監督は1作目の共同脚本だったキム・ヘンケル。予告編はコチラ

 

今作はDVD化されてないようです。シリーズとしての繋がりはなく、オリジナルに近しい設定で作ったセルフリメイクといった体裁。特筆すべきは、アカデミー主演賞を受賞した2大俳優の夢の共演。まだブレイク前のレネー・ゼルウィガーが殺人鬼に襲われる不憫な女子高生、マシュー・マコノヒーが殺人鬼一家で最もイカれた男を演じています、という点のみが見どころで、ホラーの出来としては水準以下かと思われます。「The Return of the Texas Chainsaw Massacre」のタイトルでひっそり公開されたのを、2年後のレネー・ゼルウィガーのブレイクにあやかって「Texas Chainsaw Massacre:The Next Generation」にタイトルを変えた再編集版で拡大再公開した経緯もあったとのこと。

 

舞台は1996年、高校のプロムナイト当日の夜。内気なメガネっ子の女子高生ジェニー(レネー・ゼルウィガー)は、会場を抜け出してボーイフレンドと一緒に親友ヘザーの彼氏の車の後部座席でイチャついていると、ヘザーと彼氏がやってきます。二人が痴話ゲンカをしながらドライブしていると、車はいつの間にか、不気味な田舎道に入り込んで衝突事故も起こして、一行は立ち往生に。衝突した車のドライバーが意識を失って倒れていたので、助けを呼びに近くをうろついていると、明かりのついた家にいた美女親切にも救助の手配をしてくれます。ただ、助けに来てくれたトラック運転手ヴィルマ(マシュー・マコノヒー)がどうかしてる人物だったので、逃げた高校生たちはもう一軒あった不気味な一軒家にたどり着きます。ところが、その一軒家はヴィルマの自宅で、家族全員がキ○ガイ美女もヴィルマのカノジョで一家とグルだったことが分かります。絶体絶命の高校生たちは、果たして、キチ○イ一家(死体も一緒)から逃げ延びることができるのか・・・というのが大まかなあらすじ。

 

プロムの夜に起きた惨劇という設定はよくある学園ホラー風味を入れただけで、特に意味はありません。土地勘のありそうな場所を車で徘徊したら、頭のおかしい人たちに遭遇したという設定もザツ。肝心のレザーフェイスはギャーギャーわめくキャラになっていて、怖さはそれほど感じず。ヴィルマは世界を影で操っている秘密組織の末端構成員という謎の設定になっていて、終盤で秘密組織の上司が○チガイ一家を訪問しに来るという奇妙な展開もあります。単に、謎めいた雰囲気を付け加えたかったんでしょうか。ヴィルマがリモコンで動くギブスを足に装着している設定もあまり効果的ではありません。総じて、1作目をなぞったストーリーですが、余計な要素を加えた挙句、それらがうまく機能しない状態になっていて、完成度が雲泥の差となっておりました。1作目が偉大すぎるのかも。終始、目を見開いて狂った男を怪演するマシュー・マコノヒーと、一人だけまともな受けの演技をするレネー・ゼルウィガーの力量はさすがだと思わせます。なお、最後にジェニーが訪れた病院で患者が運ばれるシーンで、警官役にジョン・デュガン(グランパ役)、患者を運ぶ役にポール・A・パーティン(フランクリン役)、患者役にマリリン・バーンズ(サリー役)と、1作目の出演者がカメオ出演するというお遊びがあります。