「だます」、「欺く(あざむく)」を意味する英単語がいくつかあります。
deceive、cheat、trick など。
この違いを整理します。
まず、deceiveの意味を辞書で確認します。
deceive [他動詞]
1.~をだます、欺く
(deceive A into ~ing)
A(人)をだまして~させる
He deceived us about his age.
彼は我々に年齢を偽った。
She deceived him into buying it.
彼女は彼をだましてそれを買わせた。
(trickを用いる方が普通。)
2.(deceive oneself)
(自分に好都合な事ばかり考えて)誤ったことを信じ込む、
勘違いをする
3.(物事が)(人)を惑わす
deceive [自動詞]
人を偽る、欺く
さて、辞書『スーパーアンカー英和辞典』に、「deceive、cheat、trick」の違いが次のように説明されています。
deceiveは「だます」の意の一般語で、うそをついたり隠しだてをすることをいう。
cheatは、不正やいんちきをして人をだますことをいう。
trickは、計略を使ってだますことをいうが、必ずしも悪意があるとは限らない。
cheatという単語を見ると想い出す単語があります。
cunningです。
cunningは、日本語の中でも登場する「カンニング」ですが、
「テストでカンニングをする」という場合の「カンニング」はcunningではないと中学生くらいの時に勉強した記憶があります。
「テストでカンニングをする」と言いたい場合は、cunningではなくcheatingを使うということでした。
念のために、cunningという単語を辞書で確認しておきます。
cunning [形容詞]
1.[しばしば軽蔑して]狡猾な、ずるい、気の利いた、巧妙な
He is cunning as a fox.
彼はキツネの様にずるい。
2.(米口語)(子供・笑いなど)可愛らしい
a cunning girl [baby]
かわいい女の子[赤ちゃん]
cunning [名詞]
こうかつさ、悪知恵、ずるさ
(試験の「カンニング」はcheatingという。)
He used cunning to escape.
彼は悪知恵を働かせて逃れた。
cunningという単語は、私の中型の英和辞典2冊、英英辞典1冊何れにも「動詞」であるとの記述はありませんでした。
「形容詞」、「名詞」です。
英英辞典には、cunningの意味の一つとして、"craftiness" という単語が紹介されていました。
craftinessは、「ずるさ」という名詞です。