欧米と日本ではマナーが異なるケースが少なくありません。
「何方が良い、悪い」ということではない場合も少なくありませんので、相手に会わせるべきことと、日本式でも良いことの両方があると思っています。
それぞれについて私の考えを書いてみます。
”欧米人”、”外国人” と言ってもお国によってマナーが異なると思いますので、ここでは ”アメリカ人” を例として述べます。
1.『日本式でOK』なマナー
① ”ビール” のつぎ方
会食で、相手にビールをつぐ時、アメリカ人はグラスを持ちません。
アメリカでは、(私の理解では)ビールを他人に次ぐ習慣はありません。
日本で言う 小瓶 を ”自分専用” として飲みますので、人にビールを注いでもらうことはありません。
ワインをついでもらう時も、ワイングラスを持ち上げることはありません。
会食でアメリカの方にビールをつごうとしても、アメリカ人はグラスに手を掛けようとしません。
そのような時は、私ははっきりお願いします。
「グラスを持って頂けますか。これが日本式です。」
そして、次に相手にも私のグラスにビールを注いで頂きます。
「乾杯!、Cheers!」
② ”そば(麺類)” の食べ方
日本では、ご存じの通り麺類を食べる時は ”音” を立てます。
「ズズッ」と。
アメリカでは、これはマナー違反とされています。
この音を立てるのは、(私の理解では)麺を汁と一緒に美味しく食べることを目的として、日本ではマナーが悪いとは考えられません。
逆に、特に蕎麦などは音を ”立てないで” 食べる方が、私などは妙な感じがしてしまいます。
従って、日本でアメリカ人と一緒に蕎麦などの麺類を食べる時には、きちんと説明します。
「日本人は音を食べて食べます。
それは、soupと一緒に食べるためです。
日本では、それはマナー違反ではありません。」
日本で麺類をアメリカ人と食べる時はこのように説明します。
しかし、”海外で” 食べる時は別です。
それは、店の中に連れの外国人以外に沢山外国の方達がいるからです。
その人たち皆に日本のマナーを説明することはできませんので、激しい音を立てないように遠慮して食べます。
2.日本式を遠慮すべきマナー(行儀)
① ”割り箸” の処理
アメリカのIT企業の社長を、お寿司屋さんにご招待したことがあります。
とても良いお寿司屋さんです。
(と言っても、私でもご馳走できる料金でしたが 笑)
カウンタに座って食事をしました。
そこで「えっ」と思ったことがありました。
このアメリカ人の社長さんが割り箸を二つに割り、割った箸をこすり始めたのです。
私はすかさず「それはやらない方が良いです」と言いました。
この方からは「Why is that?」の様に聞かれましたので、
「あなたの様な”きちんとされた方”は止めた方が良いです。」
のようにご説明しました。
恐らく、以前この方が一緒に食事をされた日本人が割り箸をこすっていたのを見て、それが日本式と考えてしまったのだと想像します。
行儀の悪さが外国人に伝わってしまうのは困りものです。
② ”爪楊枝” の使い方
定食屋さんなどの食べ物屋さんから食事が終わって出る際に、爪楊枝をくわえている ”おじさん” が珍しくないように思います。
(私も ”おじさん” ですが、爪楊枝をくわえて歩くことはしません。)
爪楊枝を加えた人をアメリカなどで見たことは、私は一度もありません。
また、それはアメリカなどではマナー違反とされています。
日本でも同様だと思いますが。
これは気を付けるべきマナーだと思います。
③ ”皿” を持って食べる
日本では、ご飯茶碗、味噌汁の器は、持って食べるのがマナーです。
持たないことがマナー違反です。
しかし、カレーなどの大皿や、洋食の皿は違います。
”洋食” は欧米のものですから、皿は持たないで食べる方が良いと思っています。
「日本の食堂の中であれば、いいではないか」という考え方もあるかもしれませんが、大きな皿を持ち上げて食べるのは行儀が悪いと私は感じています。
特に最近は、海外の方が多く日本に来られるようになっていますし。
④ “鼻をすする” 音
電車の中などで、鼻をすすっている人がいます。
一度だけならOKですが、10秒おきなど定期的にすすり続ける人がいて、非常に不快な思いを私はしています。
「チリ紙を差し上げましょうか」
と、何度言おうと思ったことか。
一度そう言ったことがあります。
すると、返された答えがこれです。
「いいえ、大丈夫です。」
つまり、鼻をすすることが悪いこと、行儀がよくないことだとは思っていないようです。
その方は、その後も”鼻すすり”を続けていました。
日本人の中では、これを「嫌」と思う人と、別に何とも思わない人がいるようです。
しかし、この鼻をすする音を「ドイツ人はひどく嫌う」と聞いたことがあります。
これは、ドイツ人だけではないようにも思います。
海外に行った時は特に気を付けた方が良さそうです。
以上、異なる考え方もあるかもしれませんが、私の個人的な考えを書きました。