英語で誰かに声を掛けたり呼び止めたりする場合の表現が
"Excuse me."
ということは誰もが知っています。
これに対して、ワンランクアップの意味で、
"Sir."
という表現を上手く使いたいと考えています。
"sir"という単語は、通常目上の人、上司、お客様などに使うと言われます。
それでも、特に『目上』ということでない場合にも使われている場面に遭遇することが頻繁にあります。
例えば、アメリカの街で前を歩いている男性が物を落としたような場合、それに気が付いた見知らぬ男性が、
"Sir, xxxを落としましたよ。”
と声を掛けている場面を見ることもあります。
この二人の男性には、特に上下関係があるわけではありません。
また、映画の中ですが、アメリカ大統領が一般人の男性に "Sir." と呼び掛けるシーンがありました。
それは、映画『インディパンデンスデイ』です。
この映画は1996年に公開されたもので、アメリカ独立記念日7月4日の2日前に宇宙から巨大宇宙船がやってきて地球の全人類が存続の危機にさらされるというお話しです。
主人公はMIB『メン・イン・ブラック』などにも出演しているウィル・スミスです。
この「アメリカ大統領が "Sir." というシーン」は、大統領専用機の中の会話です。
有能な科学者とその父親がある理由があってその大統領専用機に同乗しています。
その父親が、大統領に詰め寄ります。
「アメリカ政府は円盤と宇宙人を捕まえて、それを隠している。」
これを聞いた大統領が、
「お父さん。タブロイド誌を真に受けてはいけません。
政府は円盤を見つけていませんし、隠してもいません。」
この「お父さん」と呼び掛けるシーンで、大統領は "Sir." と言っています。
つまり、このsirという言葉は、常に『目上の』人に使うということではないということです。
"sir"という言葉はとても『丁寧』な言葉です。
この言葉を上手く使うことで、ワンランク上の英語が使えるような気がしています。
見知らぬ人に "Sir." と呼ぶことでこちらが丁寧な英語を話し、相手に真摯に対応しているという姿勢を表すことができるのではないでしょうか。
以前の私は、殆ど全てのケースで "Excuse me." と言っていましたが、最近では状況をよく判断した上でこの "Sir." という表現を上手く使えるように心掛けるようになりました。
ただ、この"Sir."と言う時には、”er/ir/ur/他の発音(発音記号で書くと [ə:r] )” は、しっかりネイティブの発音を真似ることが出来るようにしておきたいものです。