8月1日(火)の日経新聞朝刊(12版)に、次の記事が掲載されました。
記事を複写した部分を「青字」にします。
『中3英語「話す」正答率12%
学力テスト 6割0点、対話AI活路』
内容のポイントは「文部科学省が2023年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)を実施し、中学3年生の英語の「話す」 問題の正答率が12.4%だった」とのこと。
「4年前の前回調査を18.4ポイント下回った」のだそうです。
また、「生徒の6割が全問不正解で、自分の考えを英語で表すことが不得意という特徴が浮かんだ」とも書かれています。
文科省の施策が、全く効果が無いと言えると私は読みました。
また、この記事には文科省の担当の方のコメントが次の様に紹介されています。
「場面設定が難しく、自分の意見を直ぐに言えない問題が多かった。
英語力が低下したとは判断できない。」
私は、このコメントに大きな疑問を感じます。
前回調査から18.4ポイントも下回って半分以下の12.4%になったのに「英語力が低下したとは判断できない。」との分析は非常に乱暴と感じます。
問題傾向が変わって「判断できない」のであれば、比較できる調査になっていないということです。
そうであれば調査問題自体に”問題”があると考えるべきです。
また、次の様にも書かれています。
「同省は対話型AI(人工知能)の活用などで英語力底上げを図る。
9月以降、千葉県の高校や香川県の中学校で自動で受け答えするAIを活用する実証実験を始める。
千葉県では生徒のレベルに応じたやり取りができるAIを使い、自宅学習で英語力を磨く。」
ここで気になるのが「対話型AI(人工知能)の活用などで英語力底上げを図る」というところです。
対話型AIで英語力の底上げする考えとのことですが、うまくいいくでしょうか。
一般的に多くの日本人は ”英語の勉強” 楽しいとは思えず、苦手意識があるようです。
これとは違って、英語の授業が好きで、あるいは嫌いではない人もいます。
その人たちは、しっかり英語力を付けて、英文科に進んだり受験の英語で狙う点数を取って希望の合格したりしているわけです。
日本人の英語教育でフォーカスすべきは、大多数を占める前者です。
現状の英語の勉強が好きではない生徒たちに対話型AIを与えることで英語力が底あげできるという考えのようですが、そう考える根拠を知りたいものです。
英語を勉強することが楽しいのは、”英語ができると、世界の人たちと心が繋がることができる。友達になることができる。世界が広がる。”と感じられるからだと私は考えています。
例えば、一言英語を話すだけでも外国の方を心が通じて笑いあうこともできます。
それが楽しいのではないでしょうか。
相手が機械(AI)では、その感動はあるのでしょうか。
実際の会話ではないAIとの会話で、”学校の英語は楽しくない” ということを解決できるのでしょうか。
ツールがあればうまくいくとの考えであれば短絡的です。
英語が好きな方は沢山いらっしゃいますし、私のブログにも訪問して下さっています。
皆さんは、如何お考えでしょうか。
今回は(も?)理屈っぽいことを書きましたがご容赦下さい。
文科省のご発言に否定的なことを書きましたが、私は言いっぱなしにする積りは毛頭ありません。
日本人の英語力向上のために、機会があれば同省の方ととことん議論させて頂きます。
そうする間にも、私は様々な企業で英語力向上の方法について講演を重ねています。
そして、参加された殆どの方にご賛同を頂いています。
文科省に伺いたいことがあります。
「英語力を向上させる方法が明確になっていますか。」
「そうであれば、その方法でご自分達の英語力を向上させているのですね。」
「それが正しければ、それを日本人に推奨すべきです。」
「その答えが、対話型AIですか。」
「その答えが、英語の学習開始を小学校に引き下げることですか。」
私は非常に疑問です。
明確な答えを国民に示すべきです。
検討されている文科省の方ご自身が英語が苦手なのではないかと想像してしまいますが、私の勘違いでしょうか。
文科省で答えが出なければ、一報下さい。
先日の記事でも書きましたが、スイスのEFの調査では非英語圏111か国中で日本人の英語力の順位は2011年の14位から下がり続け、2022年には80位になっています。
もう、待ったなしです。
『どうする文科省(どうする家康)』