渋谷レコ屋㉕ | レコ屋巡りの夜

レコ屋巡りの夜

塩化ビニール(=レコード)中毒患者のトホホな日々を綴りたいと思います。
オリジナルが欲しいけど高いなら諦めます。

都心は連日の豪雨。地下にある渋谷D店(2店舗)&吉祥寺D店は大丈夫だろうか?「浸水して在庫のレコが死にました」…では済まないだろう。これからのレコ屋は、2F以上に作らないとアカンと思うのは私だけだろうか?

 

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

 

(前回のつづき)

下北沢D店退店

駅に向かって徒歩30秒と近い G店(Face Records の Rock 専門店)入店

店の奥の壁は和物(City Pop & 80年代)で埋め尽くされる…松田聖子ちゃんのレコ(Master Sound 高音質盤?)が5,000円以上で一面に並び、時の流れを知る(退店)

下北沢駅から井の頭線・急行に乗り込み一路渋谷へ…そして!

 

 

渋谷到着!

 

死ぬほど暑いのに、死ぬほど人だらけ!(F*CK!! …なるべく人が写らないように、上空を撮りました)

 

スクランブル交差点が観光名所だそうで、色んな国の人達がカメラを構えて青信号の交差点を行き交う。よく見りゃ、上の写真のSTARBUCKSのガラス越しに、客がカメラを構えてるのが見える。あぁ、レコを買うのに、毎度こんなところを通り抜けなきゃならんとは。

 

何でこんなところにレコ屋を作ったんよ?Rock 系レコ屋は、(ワイ等)客の高齢化に合わせて巣鴨に作れ!皆移転や!若い客&外国人はお断り!Hip Hop & Club系のレコ屋だけ渋谷で営業しなはれ。やっぱり棲み分けは必要や!

 

…とイライラしながら歩くこと10分で、最初のレコ屋・D店 Jazz & Rare Groove館に到着。この店の写真も撮ったんですが…スマホ内の写真をPCに転送できず(PCで書いてます)。遂にスマホが壊れた or USBケーブルが昇天したか?

 

エレベーターで5Fへ上がって入店すれば、オオオッ、ここが噂の Soul & Jazzフロア@D店 in 渋谷!今まで無視してたんですが、リンク先の山崎さん (SSW&ハードなレコード・コレクターやで!)が以前、

 

「Nina Simoneのレコが予告もなく放出され、秒殺でなくなった!」

 

という情報を得ての訪問(確かこの店)。土曜でしたが夕刻だったからかそれほど人はおらず、比較的ゆっくりレコを見れましたね(ホッ)。数年前からSoul レコを買いだしたんですが、その時に比べて狂ったように高騰したレコもあるんでしょうが、Rockに比べれば比較的値上がり幅は緩い感じの値付け。ふと壁を見れば、以前山崎さんがブログで「買ったで!」と紹介されていたレコだ!

 

 

エライ値段やがな…。あの人はシレ~っとこんな高額盤を買っていたのか…。油断ならぬ男である。もしかしたらいらっしゃるかな…と思うもいない。買っても良いかな的なレコがチラホラ見えるも、次のD店 Rock In Tokyo で狙っているレコがあるので、大人しくスルー&サイレント退店。

 

そしてタトゥー満載の肌を露出する若いネェチャン&外国人連中の波を縫い、歩くこと5分で目的地の到着!

 

 

上の写真は2~3年前の写真。この日は人が多くてとても写真は無理でした。奥の左側にレコ+CDの大海原が広がる

 

基本的に、渋谷はもう自分には来るべき場所じゃないんですよ。他にもRockレコを置いているレコ屋は数店あるんですが、土地柄なのかとにかく高い!んですよ。この店でも買えないことが多くて、渋谷でレコ屋巡り自体をしなくなっていた。が!たまたま1か月ほど前、仕事で渋谷近辺に来た時に少し時間が出来たので、駅から離れたこのD店へ駆け足で寄ったのだ。

 

その時に見つけた1枚が帰ってからも気になって仕方なく、意を決して再訪したのである。実を言うと、下北沢D店で他にも欲しいレコ(4桁プライス)が2~3枚で出て来たんですが、渋谷で見逃したレコの為にスルーという名の我慢をしたのだ。

 

そのレコは…一応USサイケに入るんだろうか?ガイド本では見たことがないのですが、youtube で見つけて聴いたら、私にストライクな音だったわけですよ!(ハァハァ…) 海外では有名らしく、値段はまともなコンディションだと、100ドル~200ドル以上+送料(30ドルくらい)=2万円~ほど。少し前にヤフオクでも良コンディションで出たんですが、1.5万円で終了。撃墜したかったんですが、コンディション良好なので値段は2万円を超えが予想され、名誉ある撤退…。

 

しかしそのレコが、1か月前にこの店で8,000円程であった!(ハァハァ…) 8,000円は高いけど、相場的には安いし普通買うっしょ?でも、なぜそんなに欲しかったレコをスルー?それは…プライスタグに『背ダメージ』と。ん?ジャケットの背?…と見てみれば、背が裂け(ここまでは補修できる)&タイトル部分が欠損(剥がれて missing 状態)!…レコード・コレクター学的に、タイトル部分が欠損してるのは…と、その時は時間もなかったのでそのまま涙の退店。

 

 

しかし、帰ってから悶々と自問自答を繰り返す。盤面をお前は見たのか?と。盤にキズが入っていれば諦めも付くけど、盤が美品で相場の半額ならGOだったのでは?相場がハッキリしているこの現代で、今更美品を安く買おうというのは、そもそも無理がある(不可能とは言いませんが)。ならば検盤してから諦めようと。あの背が欠損している状態なら、他の掘り師達も買わないし売れ残っているだろう。来店する前にそのレコをググってみるも、D店のHPには表示されず。売れてしまったのか、それとも最初からリストに載せてないのか?とにかく気になっての、今回の渋谷訪問なのだ。

 

早速入店して、速攻で奥地の"US Psych(サイケ…米国人コレクター達は、”サイキ”と発音してます)" へ足早で駆け寄る。この店はD店(否、どの店より)サイケ・レコを置いている。当然量も多く普通は嬉しいのだが、この時ばかりは、

 

「あぁ、やっぱり売れたか?」

 

とパタパタするのも気が気じゃない。するとUS Psych棚の最後の方で、あった!

 

Bead Game – Welcome ( AVCO Embassy AVE 33009 ) US LP カンパニー・スリーブ 1970年 7,470円(8,300円⇒10% off)

 

 

オオオッ、まだあったよ!で、(ジャケットの)背は…

やっぱ死んでまんがな(涙)。誰も買わんよな、普通。

 

サクッとレジに駆け込み検盤させてもらうと…オオオッ、盤面はキズなしビューティフル!しかも…

 

プライスタグには書いてなかったけど、"NOT FOR SALE PROMOTIONAL USE ONLY" スタンプありのプロモ盤やないかい!

 

ってことは、アカンのはジャケットだけか?これもタグに表記なかったけど、底も抜けてるし、表ジャケットに "TRO" という謎の書き込みもあるし(多分、配布されたUSラジオ局名?)。イヤイヤイヤ、盤はきれいだし、底抜けは補修OKだしと購入決定!(ホッ)

 

 

Blues、Heavy ベースで、Soul & Popも散りばめられた素晴らしいPsych。私好みの音…

 

調べてみると、このUS5人組のサイケ・バンドの Jim Hodder (Dr)は、この後にあの Steely Dan のオリジナル・メンバー!エエェッ?マジか?しかも "Cant' Buy A Thrill" ~ "Pretzel Logic" までドラムを叩いていたと(驚)!全く知りませんでした(汗)。

 

聴いてみれば音も素晴らしく、珍しく刻印を見れば…

 

両面にSTERLINGスタンプあり

 

STERLING社のカッティングで、音に不満がある盤には出会ったことがない。ジャケはF*CKですが、半額プライスだしな…。数年後にこのレコのシュリンク付き極美品に出会ったら、また買うかも(アホや)。

 

 

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本日の一枚を確保してホッと一息。今度は奥地にあるROCK新入荷レコ棚から、順番にパタパタ開始である。しかし…やっぱりと言うか…場違いと言うか…。レコの埋蔵量は半端ないんですが、このブログを始めた10年程前と比べて、大抵のROCK CLASSIC盤は法外な値段で取引されてますなぁ…。先の Steely Dan の高くなったことよ!10年くらい前なら1,000円台で売れ残っていたAja のオリジナル盤が1万円越え?時代はこういう美しい音を欲してるんでしょうねぇ。City Popもその流れか。

 

美しさと無縁の Bluesy & Heavy な音を好む男は漂流を続け、ROCK "M"で遂に指が止まる!

 

Mill Valley Bunch – Casting Pearls ( Verve V6 - 8825 ) US LP 1973年 1,200円(10%オフ)

 

オオオッ、やっと安く見つけたよ!…って昔から何度も見てはスルーしてた気がするこのジャケ。これがUSブルース・ロックの重要盤と気付いたのは遅く、3年程前の事。存在は知ってたんですが、youtube に実際に音を聴いて何が何でも!…と。2年程前にも近くのH店で3,000円程で見つけるも、Discogs で安く売っているのを知っていて華麗にスルー。そして今回の邂逅である。

 

このアルバム…

このクレジットを見て分かる人がいるんだろうか?(私には分かりまへん)

 

これだけ見たら何が何だか分かりませんが、実は変名で…

 

Barry Goldberg (p), Lee Michaels (p, org), Mark Naftalin (p, org), Mike Bloomfield (g), Nick Gravenites (vo, g)等々、USブルース・ロック界隈の重要人物が大挙登場する一大ジャム・セッション・アルバム(ハァハァ…)。どうやら権利関係の問題から?クレジットでは彼等の名前は伏せられているらしい。タイトルから『ミル・ヴァレーの仲間たち』で、サンフランシスコ北のミル・ヴァレーの一同を介してのアルバムらしい。他の方のSNS評を見ると、「和気あいあい」と評してる方が多いのですが、私に言わせれば、

 

「どこがやねん?」

 

というかなり力の入った、本格的なアルバム。なので欲しかったんですが、安いうちに買えてよかった~。ジャケも盤も美しく、音も素晴らしい(嬉)!

 

 

どこかのエンジニア会社のカッティング?と思うもほどの音質も、そんな刻印なし。金もかけられないし、そんなことするわけないか(笑)。しかもラッカー盤の枝番(=マトの枝番号)もなし。最初に1枚ラッカー盤を切ってお仕舞い…と、売ろうとする気はなかったみたい?ですが、素晴らしいUSブルース・ロックの1枚にして高音質盤。再発盤も当時出ておらず、普通にオリジナル盤と。レコなんて聴いてみないと分からんですよ、ハイ(完!)。

 

 

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2枚も欲しいものを確保でき、ここである事に気が付く。『3枚以上中古盤を購入⇒10%オフ』と!これはこれはと、何としてでもあと1枚…と探すも、普通に高いんですよ。上の Mill Valley Bunch は現在人気のないブルース系だったからか買える値段だったけど…。

 

アッ!とここでこの店にも100円コーナーあったなと気付く。頼むから何か1枚買わせてくれ…と郷ひろみ、西城秀樹、小柳ルミ子と出てくるのを我慢して、これならの1枚を抜く:

 

Paul Revere & The Raiders featuring Mark Lindsay – Revolution ( CBS YS-953-C ) 国内盤 LP インサート付き 1967年 100円

 

ウ~ム、ジャケは日本で言うグループ・サウンズ的な笑顔の眩しい若い衆。Garageでも Soft Rockでもない、中途半端な Pop Rock…というイメージで、今まで手を出さなかったグループ。自分的にはこういうのは苦手なんだよな…と思いつつも、10%オフの為にと抱え込む。帯なし国内盤とは言え、100円とは安いな…と恐る恐るレジにて検盤すれば…、やっぱり薄キズがところどころに入ってる(涙)。でも音には出なさそうなので購入決定。

 

邦題は『革命!!』と。革命を起こしているらしい彼等。裏ジャケの日本語ライナー・ノーツを読めば、

 

『(1967年)現在、アメリカでモンキーズをしのぐほどの人気を持ち、日本でもこのところ急激にのして来たポール・リヴィアーとレイダースの待ちに待ったニュー・アルバムである』

 

と。『急激にのして来た』と言われてもなぁ(笑)。

 

期待せずに聴いてみると…

 

 

オオオッ、なぜかこれも音が良いじゃん!

 

しかも… Heavy & Bluesy な曲もなぜかAB両面でやってるし。エッ?単なる白人ポップ・グループでは?ウ~ム…10%オフの為に失敗覚悟で買ったけど、これはこれでたまに聴くのはありかも。

 

『国内盤は、マスター・テープのコピーを使ってカッティングしてるから音が悪い』

 

とレココレの誰かが言ってたみたいですが、これはどうなのよ?マスター・テープのコピーなんて、本国盤以外全ての国も同じなのに。しかもこれは素晴らしい音ですぜ?レコなんて聴いてみないと分からんのですよ(完!)。

 

 

そして…金と体力が尽きた男は、まだH店、T店、R店など巨大店舗が待ち構える街を全てスルーして、夕闇の雑踏の中に消え去ったという…(つづく…はず)。

 

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