曇り、8時、アパートメントホテル西向田発。川内市内の川には鯉のぼり。旅をはじめた頃は桜が咲いていたのに季節は移ってゆく。通学のチャリに抜かれながら国道3号へ。
国道3号線はトラックが多く、歩道が狭かったり無かったりする。福岡県を出てから気になるのは道路脇にPの駐車場を示す標識がやたらとあることだ。筆者の近所では滅多にお目にかかれないし、かつてそうであったであろう場所は車が入れないようにしている。これは、ゴミを不法投棄する輩が多いために無くなっていったものと推測される。恥ずべきことである。
10時を過ぎ、ようやく海が見えてきた。
タイヘイヨウアカボウモドキが漂着しました。」との看板。
タイヘイヨウアカボウモドキは太平洋、インド洋に生息するハクジラの仲間で、ここで発見されたのは2002年当時、世界でも7例目とのこと。2003年には沖縄でも発見され、その骨格標本は沖縄美ら海水族館に展示されている。タイヘイヨウアカボウモドキのパネルを見ることができただけでも眼福である。
さらに進むと奇岩人形岩なる標識があった。
よく見ると、子供を抱いているような岩。
地元では、この岩は子供を抱えた母子の姿に見えることから、漁から帰らぬ夫の無事を祈り続けたまま息絶えた母子を不憫に思った海底の守り神が、岩の塊に変えてしまったという伝説が語り継がれている。
奇岩人形岩近くの西方町特産品人形岩販売所。
ここにあるオブジェは人形岩の形をウサギの親子でデフォルメしたのだろうか。かわいいと言えばかわいい。しかし筆者だけかもしれないがシュールな感じもした。
阿久根市に入り、道の駅阿久根に着いたのが10時50分。ここには日本一おめでたい自動販売機がある。販売しているものは、普通の飲料であるが、自動販売機のデザインが鯛と伊勢エビが描かれ大漁の文字が躍っている。そうか日本一なのか。がんばれ!とエールを送りたくなった。
アイコスの販売員の方が声をかけてきた。商売にはならない旅の話を面白そうに聞いてくれたので長々と話してしまった。お仕事の邪魔をしてしまったかも。
牛ノ浜海岸にて沖合の岩の上に鳥居と鯉のぼりを発見。すみっ瀬と言われる岩で鳥居は地元の人が安全祈願のため建てたとか。
このあたりは奇岩奇礁の乱立する海岸で、牛ノ浜景勝地とも呼ばれている。海岸に露出する岩石は、緑色凝灰岩や泥岩、砂岩の層がいくつも複雑にからみあったメランジ推積物として美しい文様が見られ、地質学的にも貴重な地域だそうだ。
阿久根市街で国道3号線は交通量も多く、嫌気がさしたので、道を間違えながらも国道383号線へ。ずっと海岸線を回ると時間がかかりそうなので途中から県道367号線に乗り換える。やはり主要道路じゃない方が走りやすい。ここらへんは統一地方選がまだ終わっていないので、選挙カーが走り回っている。お願いしますと言われても選挙民じゃないので無視。無視した筆者は、阿久根ニャンコに無視された。
出水市に入ったのは、14時。それなりに山越えになった。平地に出て出水市ツル観察センターを目指す。
出水市ツル観察センターの近くにも田の神さあ。
鶴の飛来時期ではないのは承知の上だが、観察センターにはパネル等の展示があるかと思いきや完全にクローズ。
観察センターの駐車場脇にはシャッターを降ろしたお土産店があるのでシーズンには賑わうのだろう。
出水市ツル観察センターの建物の横に稲畑汀子さんの句碑があった。
「空といふ自由鶴舞いやまざるは」
観察センターの農地にいたシラサギ等の写真をツルのつもりで撮影。酔狂なことである。
後で見返してみたら、もしかしてナベヅル?ナベヅルは主に3月中旬には渡去し、残ったとしても4月上旬までらしく、4月19日に居るはずはないのだが…
16時半、ホテルキング着。観光ホテルで結婚式場もある。この旅一番の高級感、部屋もツインベッド。窓の外が壁であることと、大浴場が使えないことが割安の理由らしい。
18時過ぎに買い出し。途中、日本一のお地蔵様がいらっしゃったのでお参りした。
何が日本一かと言うとその大きさである。一枚の岩を切り出して作る一刀彫で建立したお地蔵様としては日本最大であり、高さが4.15mもある。大正14年の作とのこと。
ホテル近くのプラッセ出水店に買い出し。夕食は、握り寿司と鹿児島にきて豚なしは寂しいのでカツサンド。黒豚のはずはないけど…数日かけて飲むつもりでウイスキーも一瓶。
本日の支出は宿泊代4,500円(2025年変わらず)、食費等1,724円
合計6,224円 1,224円の赤字