10年以上前のことですが、ある職業にとても魅かれた時期がありました。
ストーリーのあるインテリアで暮らしを豊かに
STORY+DESIGN 山口晃子です。
随分前からなんとなく気づいていたこと。
木にまつわる問題に触れると、なんとかしたい!という気持ちになる。
もう10年以上前、仕事で壁面緑化について調べている時に出会った、樹のお医者さんである、『樹木医』。
病虫害や環境悪化などにより、樹勢の著しく衰えた樹木を、保護・管理する、エキスパート。
たまたまそのタイミングに女性の樹木医に密着した番組を見て心を揺さぶられ・・
『樹木医』になってみたい!と思ったのです。単純ですね。
しかし『樹木医』になるには条件が厳しく(実務経験7年以上!)、これから目指すにはハードルが高く断念。
今でも、もの言わぬ樹木を観察、調査し、寄り添うように手当をする、そんな『樹木医』さんを尊敬してやみません。
は〜。前置きが長くなりました。
そんな私の心をグイッと鷲掴みにしたのが、間伐材問題をデザインで解決しようという試み。
残念ながら終了してしまった番組「サキどり」。
その中で、間伐材を有効活用する家具「KINOWA」が取り上げられていました。
【間伐材を使うことで日本の森林も空間も豊かに】
日本の国土の約7割は森林に覆われており、そのうちの約4割は人の手によって植えられたスギやヒノキの人工林。
現在、この人工林が荒廃の危機に面しているのだとか。
戦後、木材の需要が増大し、天然林を伐採して成長の早いスギやヒノキを植林する政策がとられたのにもかかわらず、安価な外国産材へと需要は大きくシフトし、日本の林業従事者が減少。
放置された人工林は木々同士が重なり合い、光合成が妨げられ荒廃してしまったのです。
そんな国産木材利用のハードルを下げるべく、間伐材を使った家具づくりにチャレンジしているのが、『KINOWA』です。
間伐材であっても無垢の木の家具は、育林・伐採・搬出のコストに加え、複雑な加工と流通のコストが重くのしかかって高価になりがち。
『KINOWA』は素材のままの形を活かし、複雑な加工を減らすことで、リーズナブルな価格と、シンプルなデザインを実現しています。
ストイックなまでにシンプルなデザイン。
国産の無垢材。
それを使うことで、日本の森林がまた豊かになる。
この循環ってすばらしい!
そう感じて、オフィスリノベでご提案させていただきました。
やっぱり、自分がいい!と思ったものしか、ご提案できませんからね。
というわけで、デスクの納品にも立ち会い、木のいい香りに癒されつつ、勉強させていただきました。
オーダーでお願いしたコンセントタップを置くダクトレールにコードを通すための穴を開けているところ。