【おさんぽ行くか!】 4. 追いかけっこ | 日々コギ精進(仮)

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レオ…
ティーダ…
いつまでも君達を愛していますよ…

《追いかけっこ》

 

ティーダは"追いかけっこ型-逃亡派"だったと思う

 

2005年。利用している範囲の高速道路のSAPAエリアにドッグランがまだ無い頃。大きな公園をおさんぽしているとドッグラン設置の署名を求められることが多かった頃。要は気楽に行けるテリトリーにドッグランがあまり存在していなかった頃だ。公園でノーリードにしてワンコを遊ばせる光景は割とよく目にする風景だった。

 

朝、会社に出勤する前のおさんぽ。近くにある大きな公園の芝生広場に行くと、そこには"柵が無いドッグラン"があった。そこにいたワンコ達は件のルイスくん(当時10)を中心としたグループとはまた別のグループで、もっと若いワンコが多かった。

 

今では反省をしているとても恥ずかしい話だが、最初はそのグループに混じってティーダをノーリードにして放牧したこともあった。だが程なくして目撃した、お友達ワンコの公園外への逸走事件やブログで見た悲しい出来事、更には放牧ワンコが他の飼い主さんに噛みついて流血させる事件などから、ティーダをノーリードにするのは怖くて出来ないと考えるようになり、その"柵が無いドッグラン"を楽しむグループとは自然と距離を置くようになった。

 

その後しばらくの間、ティーダを走らせるのは"ボール持ってこい遊び"をロングリードでする時くらいになった。それはそれで楽しかったのだが、時が経つとやっぱりこう思うようになった。

「自由に走らせてやりたいなぁ」と。

 

彼から「ドッグランで走りたいなぁ」などと頼まれたことなどもちろん無いのだが、「自由に楽しく走っている我が子を眺めていたい」と思うのは飼い主としては至極当然のことだと思う。だが、当時の居住区の徒歩圏内にドッグランは無く、車で片道30分以上かかる私営のドッグランやドッグカフェ併設のドッグランが3ヶ所ある程度だった。ちなみに今では関東圏コーギー会では有名な通称"道満ドッグラン"はこの頃まだ存在しなかった。

 

出不精である私はティーダと一緒に暮らす前は週末は専らインドア活動をしていたものだが、人間変われば変わるものだ。その頃には毎週水曜日くらいになると「今週末はどこのドッグランにいこうか?」なんて考えるようになっていた。そうして何度かドッグランに通ううちにドッグランの中での行動パターンには"いろいろなタイプ"があることに気づいた。

 

◎単独行動型私はいません派

 忍法"雲隠れの術"の使い手

 伊賀や甲賀や戸隠などの流派の存在は未確認

◎単独行動型直ぐ寝る派

 短時間ドッグランを楽しんだ後に直ぐ寝る

 広場のど真ん中で熟睡することすらある

◎単独行動型トレジャーハント派

 お宝(オヤツ)を求めて彷徨い歩く

 あのポケット!このバッグ!お宝GETだぜ!

◎単独行動型撫でて派

 あちこちで撫で撫で要求炸裂

◎単独行動型本能派

 スリゴロやクン活にひたすら邁進

◎持ってこい遊び型

 ボールなどの"持ってこい遊び"が大好き

 同タイプとの"ユニゾン"には注意が必要

◎プロレスラー型

 ただただプロレスが大好き

 どうやら相性が大事らしい

◎追いかけっこ型便乗派

 自発的には動かない

 他で発生した追いかけっこに途中参加する

◎追いかけっこ型追跡派

 相手が逃げるように挑発する

 逃げた相手を追いかけることを好む

◎追いかけっこ型逃亡派

 ひとしきり挑発した後に逃げ始める

 タイミングが合わないと寂しい結果になる

 

ティーダはお友達を挑発しては「ここまでおいで!」とばかりに逃げ始めるのだが、そのタイミングがまあ本当に上手くなかった。それはもう超絶に上手くなかった。だから彼が思い通りに追いかけられたのを見た記憶が無い。見事なくらいに全く無い。

 

それでも当時の彼はどんなワンコにもフレンドリーだったので、追いかけっこは上手くいかなくてもまあまあ彼なりに楽しく過ごしていたように思う。あの時を迎えるまでは。

 

その日。初めて訪れた新設して間もないドッグランで彼はそれまで同様に楽しくワンワン吠えながら追いかけっこをしていた。相変わらず誘い方は上手くなかったが。

 

その子らはもしかしたらその界隈のボスだったのかもしれない。10m先で追いかけっこをしている彼を眺めていた私の両サイドを二頭のセントバーナードが駆け抜けて行った。その体躯に似合わず素早く加速していったように覚えている。ワンワンと吠えながら走っていた新参者のティーダを気に入らないと思っただろうか。走っていたティーダに対して好連携による強烈なサンドイッチプレスを発動した。直後に砂煙を上げて横に一回転するティーダ。それは本当にあまりに一瞬の出来事だった。

 

それからティーダはキャンキャンキャンキャン言いながら私のところに逃げてきた。

「とーちゃん!助けて!」

「( TT ) だっこ!だっこ!」

本当にそんな感じだった。

 

その事件以降、彼は全てのワンコに"威嚇吠え"をするようになってしまった。遊びたい気持ちは変わらずに持っていたように思う。でも以前ようにフレンドリーに誘うことができなくなってしまった。「遊びたい」。「でも怖い」。その相反する感情が"威嚇吠え"になってしまったのだと思う。彼がドッグランで楽しく遊ぶことはそれ以降二度と無かった。彼がノーリードでお友達と楽しく走っている姿を見たいという私の願いもそれ以降二度と叶わなかった。

 

追いかけっこが下手なお前を見ているのがなんだか面白くてね。ずっとお前だけを見ていたんだ。だから背後の入り口から入ってきた彼らに気づくことが出来なかったんだ

守ってあげられなくてごめんねティーダ

今、お前がいる虹の橋の袂では追いかけるのが上手いお友達がいるといいなぁと思ってる。お前が逃げるのが上手くなることはないと思うからさ。

逃げるのが上手くいかなくても走りたくなった時にはこっちに戻ってくればいいよ。

そしたら"あの広場"へ行こう!

もうノーリードでも大丈夫だもんね!

思う存分に追いかけっこをしようよ!

とーちゃんは遅いけどさ

精一杯追いかけるからさ

ティーダ?

 

つづく

 

※ボール遊びする?
 しばらく休んだ後の再開お誘い顔。
 (*´∇`*)はいはい。お付き合いしますよ。