犬と猫と三姉妹 -131ページ目

夫って人

夫とは 日本で知り合った。

就労ビザで三年弱 滞在していた。

 

私は 世話焼きとお節介ごちゃませの性質なので 一人で暮らす異邦人に 何かと

「大丈夫?食べてる?困ったことない?」

と 聞いていたら 長女が受け継いだ 根拠のない自信の持ち主の源、何を勘違いしてか

 

「僕のこと 好きなんだな」

となり アレヨアレヨで 十四年。

 

初めて 夫のアパートにお邪魔した時

「ちょっとここにいて下さい」

と 別部屋に消えた夫、居間に待ちぼうけの私。

 

何だろう、、と考えていた矢先 クラリネットを持った夫が 演奏を始めた。

たまげた。

えっ クラリネット?

と思考が追いつかない間に 終了、

 

「素晴らしい、ありがとう」

と戸惑いを隠し お礼を言うと

 

「じゃあもう一曲」

と また長い曲を演奏しだした。

 

いや、、一曲でいいし、、とも言えず ひたすらフィナーレが来るのを待っていた私。

 

レディファーストの国からやってきた紳士(夫)は 度々 小さな花束をくれた。

しかし かなりの確率で 菊メインだった。

 

家に持ち帰ると 母が

「あらー 丁度 ご先祖様に生ける花がなかったんや、買ってきてくれたんか、ありがとう」

と 神から(クリスチャンな夫)仏(仏教徒な母)へ 優しさの気持ちと共に 菊が伝導された。

 

二年以上付き合いが続いても まだ菊だった。

もう勘弁して欲しいので

「あれ お葬式とか 仏壇に飾る花やで」

と 伝えた。

 

夫は頭を抱え 

「知らなかった!アメリカでは菊は普通ですよ」

とパニックに陥っていた。

気の毒に、、他にもあげていたかもしれない。

 

お互い あやふやな言語力でありながら ここまでよくぞきたな、と 我ながら感心する。

 

基本的には 優しく よき父ちゃんではあるが この二年で お互いの価値観がこんなにずれているのか とも認識した。

 

コロコロの話になると 喧嘩しかないので もうしない。

埋めれない溝だ。

 

この先 生きるタイムラインが違ってくるような気もするが 私が アメリカでここまで楽しく過ごせたのは 間違いなく 夫からの支えの基盤があったからに違いない。

 

そこは感謝を忘れてはいけないが お友達と盛り上がる話題は ほぼ 『旦那の話』。

ここも捨てきれない。

 

 

こうしていつも おこぼれを頂くのを期待している太郎。

 

ジブリの虜、長女の優しさ

ど田舎で大きくなった私。

川遊びや山登りは日常茶飯事。

 

そんな中、年に二回 算盤の試験で 街へ行くのが 楽しみだった。

友達と神姫バスに乗り 街に近づくと どんどん景色が変わってくる。

もちろん 東京のような大都会でないにしても 田舎在住小学生には十分 心が浮き立つ時間だった。

 

午前中に さらっと試験を終わらせ マクドナルドで緊張しながら チーズバーガーセットを頼み 買い物に繰り出す。

絶対に立ち寄るのが アニメイトだった。

ジブリの作品で 今もお気に入りは トトロと魔女の宅急便。

大人になれば 深読みして 実は こういう暗号なのか、、と 思考の蟻地獄に陥るが それでも やはり大好きだ。

 

特別お小遣い1000円で 下敷きや 何かしら買うのが 幸福のひと時だったことを思い出す。

 

母が ジブリ好きなら 必然的に三姉妹も ジブリを見て育つ。

そして 洗脳を含め 彼女たちも 虜になっている。

 

大きくなったら なったで  運転手になったり 用事が増えたり そして テレビを独占されたり じっくり映画鑑賞も難しい。

 

母は お気に入りの ジャルジャル、エガチャンネル、スベらない話を聞き流し 薄ら笑いを浮かべながら 家事をしてるのが現実。

 

昨日 長女が 私に絵を描いてくれた。

 

猫娘も興味津々。

 

実は 先週末 モールに行き 日本のアニメを扱っているお店に入った。

そこでたくさんの模写があり 私が ジブリ作品の前で

「えーな、えーな 欲しいなぁ」

と もう関西のおばちゃん丸出しでかい日本語で ブツブツ欲望を唱えていたのだ。

 

しかし それはもちろん お高くて じっとみただけで 帰ってきた。

 

長女は そんな私の気持ちを汲み取ってくれたのか 

「おかんにあげるわ」

と ティーン特有のつっけんとんな態度ではあるが 私にくれた。

 

ごっついいい額が欲しい。

本物より 価値がある!親の欲目。

 

学校が始まり お一人様時間ができたら 久々に 魔女の宅急便をじっくり観よう。

 

キキが魔女修行に旅立つ日に

お父さんが キキに言ったセリフが きっと心にしみるはず。

 

「いつの間に こんなに大きくなったんだろう」

 

 

梅干しと思い出ぽろぽろ

いよいよ三日間干し期間に突入した。

 

時計の秒針音だけ聞き 一枚一枚 紫蘇を広げていると 昔 遊びに行った祖母宅の記憶が蘇る。

普段どころか ここ何十年も思い出さなかった。

 

そうそう、祖母、叔母と一緒に 収穫した野菜をザルに並べたり 玉ねぎを吊るしたり 

父が忙しかったため 家族旅行をしたことはないが お正月は祖母宅へ泊まり 従兄弟たちとたくさん遊んだなぁ、大晦日はお年玉のことを考え 楽しみだったなぁ。

結構 幸せな思い出 たくさんじゃないか、と 走馬灯のように 蘇った記憶の不思議な時間だった。

 

先人たちは 今のようにコンビニもなければ すぐネットでポチッなんて買い物できなかった、 現代人から見れば

『なんと不便な』生活だったかもしれない。

 

でも自然と共生されていた。

季節の野菜を作り 保存し 厳しい冬を越えられ  私たちに命が繋がっている。

 

やっぱり 田舎に還りたい とつくづく思う。

還暦までには、、、。

 

来年までに青梅が大量に手にはいるルートを探し当てたい。

 

もっと色々修行を積み  いつか 綿花から育て 服まで出来上がったら この上ない達成感と喜びに私は浸ること間違いない。

 

 

三姉妹の衣替えは半日仕事。

疲れを吹き飛ばしてくれる 猫娘の可愛さ。

「萌え」ってこのことか。