LEON's Bar -4ページ目

The dream becomes transient when run after

今日で一連のファーストキスのお話は最終章です。
長々とお付き合いいただいた方、ありがとうございます。



酔いつぶれて眠る女性を横にしばらく静かにお酒を進めていると、残念ながらこの日もそろそろ閉店の時間が近付きました。
ファーストキスの彼女を独り占めしていた若いお客さんも帰り、店内の照明も少し明るくなりあちらこちらで片付けが始まりました。
その頃になってやっと隣で眠っていた女性も目を覚まして立ち上がり、交代する様にファーストキスの彼女が自分のところに戻って来ました。
「今日はあまり話せなかったね」
と彼女。
「仕方ないよ仕事だもん」本心は寂しくてせつなかったけどそんな事を言えるはずもなく平静を装いました。
二人はロスタイムも残りわずかの中で悪あがきをするかのように、しばらくたわいのない会話を楽しんでいました。そこにお店のママが通りすがりにやって来て、
「○○さん、この前来てくれたとき店から出て来たところを見掛けて声をかけたんだけど、かなり酔ってたみたいで気が付いてくれなかったよね」
と言って奥へ消えていきました。
えっ?あの時ママ、お店の外にいたの?
それを聞いて自分も彼女もあきらかに顔色が変わるほど焦ってしまい、ごまかす様に目を見合わせて思わず笑ってしまいました。
ヤバッ!見られてたのかな?
「マジで~?ヤバイんだけど!」
と彼女。
「確かにまずかったかも」もちろん確認することも出来ず、自分は早々に帰り支度を始めました。
照れ笑いも消せないまま彼女は、
「もう私も帰るから○○さんもまっすぐ家に帰ってね。寄り道しちゃだめだからね」
今夜はなんにも無しですか?ちょっとだけ第2ラウンドを期待してたのに思いっきり不戦敗って感じです。
やっぱりあの日の出来事は彼女のただの気まぐれだったのでしょうか?
変に熱くなっていた自分がバカみたいで情けないです。
まぁ、いつもの事かも知れないけど、今回ばかりは結構キビシイっす。
あのキスが夢だったと思い込んでいた方がよっぽど楽だったかもしれないね。
いつもそうなんだ。
夢は夢のまましまっておいた方がいいんだよね。
夢って追いかけてしまうと儚く終わってしまうものだから。
違う意味でまたしばらく彼女の事が頭から離れない日々がまた続きそうです。
この日は明け始めて澄んだ空気の街をひとり寂しく現実の世界へと帰っていきました。
それでも、せめてもう一度だけでも…、今度は酔いつぶれていない状態で彼女を感じたいなんて思ってしまう愚かな男なのでした。

はぁ~。

I just a jealousy guy

ここ1週間、ずっ~と彼女の事が頭から離れません。そう、ファーストキスの彼女の事です。
朝から晩まで本当に一日中ですよ。
仕事も手につかないっす。まるで中学生の初恋みたいでしょ?
カッコワル~。
ホント、ダサダサです。


で、先日の続きです……。
「もぅ~、スッゴイ恥ずかしいんだけど!」
なんて言われて、なんて返せばいいの?
でも、これで彼女はしっかりと記憶がある状態であんな事をしてきたんだって分かったけど…その先がなかなか聞けないんですよ。
「あんな事しちゃったから怒ってるかなぁって思って…、もう来てくれないかとかと思っちゃったよ」
彼女は何を言っちゃってるんでしょうか。出来ることなら毎日でも逢いに行きたかったけど、彼女の出勤は週に3日だし、自分は毎日夜11時~12時迄仕事。今月はまともな休みはまだ1日も無い状態で、それでもやっとこうして逢いに来たって言うのに。
「そんな事無いよ。仕事が忙しかったんだよ」
そんな話をしているなかマスターが彼女のところに。どうやら他のお客さんの指名が入ったみたい。
言い忘れてたけど、自分はいつも指名はしないんですよ。指名って公然の強制力で無理矢理隣に座らせておくみたいでなんかね、好きじゃないんですよ。
で、彼女はあきらかに自分よりも若く、残念ながら自分よりもイケメンの客のところへ。しかもこちらからすごく目に入りやすい斜め向かいのテーブルに。
二人はとても親しそうに乾杯をしています。
代わりに自分の隣には顔見知りの別の女性が来ました。
結構話しやすくて可愛い女性で、自分とは友達感覚で接してくれるとても素直で良い子です。
ところがこの日の彼女はいきなり切れ気味でした。
自分の腿に膝を押し付けてこちらに体を向けると、
「ちょっと○○ちゃん聞いてよ!私、もうキレそうだよ!」
って、もう充分キレてるんですけど…。
彼女が言うには、さっきまで嫌な客がいて怒鳴られたり触られたり無理矢理飲まされたりして、我慢できずにマスターに言ったのに助けてくれなかったらしく、話し初めてすぐに大粒の涙を流しながら自分に訴えてきました。
斜め向かいのテーブルの二人をさりげなく気にしながら、涙の止まらない彼女の話を親身に聞いて一生懸命慰めました。自分だって慰めて欲しかったんだけどね。
一通り言いたい事を言いきった彼女はやっといつもの穏やかで可愛らしい顔つきに戻ったかと思うと今度は、「○○ちゃんごめん、ちょっとだけもたれさせて」と疲れたように言うと、こちらの返事を待ちもせずに自分の肩にもたれ掛かり目を閉じてしまいました。嫌な客にずいぶん飲まされた様でもうすでにヤバイ状態です。
「○○ちゃん、寝ちゃいそうだからなにか話し掛けてよ」
「いいから寝てなよ。少ししたら起こしてあげるから」
彼女が眠りやすいように自分の体をもたれ掛かりやすい位置にずらしてあげると彼女は、
「ダメだよ…寝たら…悪いもん……。」
そう言いながら言葉を寝息に変えていきました。
それから30~40分程、右肩に頬に涙の痕を残したまま酔いつぶれて眠る彼女の頭を乗せたまま、斜め向かいの二人に意識を預けながらひとり静かにお酒を飲んでいました。
自分の周りだけ静かで寂しくせつない時間が流れていきます。
ある人の言葉が頭に浮かびます。
「言葉に出さないヤキモチはただの嫉妬」
そう、自分は仲良さげなあの二人に嫉妬をしているんです。
やっぱりカッコ悪いですね。これが彼女のお仕事だからしょうがないと自分に言い聞かせても、まったく納得しきれていない。
見なきゃいいのに目が追ってしまう。彼女が他の男性の横で楽しそうに笑顔を見せているとどうしても冷静にはなれない。
今はただ早く彼女がこちらのテーブルに戻って来てくれるのを待ち続けるだけ。いつとは分からない不確定な時間を待ち続けるだけ。


今夜も長くなってしまいましたね。
お話ししたい事はまだあるので、また続きは後日にさせていただきます。
では。

confirmation from communication

16年越しのファーストキスの彼女のところにまた行ってきました。

正直ちょっとドキドキですよ。
彼女はこの前の事を覚えているのだろうか?
どんな気持ちであんな事をしてきたのだろうか?
そして彼女は今、自分の事をどんなふうに思っているのだろうか?
たとえ結果はダメだったとしても確認は大事ですよ、大事。
直球で問いたださなくても話をしていればそれなりに雰囲気はつかめるはず。

不安な思いをポケットに押し込み覚悟を決めてお店に入ろうと近付くと、突然お店のドアが開き中から彼女が出てきました。
何というタイミング。
何というサプライズ。
不意討ちを食らってポケットの中の感情も一瞬ビクッと震えました。
その躊躇を彼女は敏感に感じとったのか?
「なんで固まってるの?早く中に入りなさいよ!」
と自分を導きました。
諦めて再度ポケットの中身を握りしめながらもぎこちない足取りで店内へと…。席に着くと早速彼女も自分の右隣に座りました。
そして彼女の方から
「この前は大丈夫だった?」
そう言われる位にやっぱり泥酔状態だったみたいです。
「いやぁ、かなりキツかった。完璧に二日酔いだったよ」
彼女も二日酔いどころか三日目迄大変だったようです。質問は続き、
「確かにかなり酔っぱらってたけどちゃんと覚えてる?」
「多分。途中、少しだけウトウトはしたけど記憶が無くなったりはしてないよ」
その答えを聞いた彼女は急に真剣な顔つきになり、
「そんな事聞いてるんじゃないよ!」
と少し怒ったように言いました。
なにか変なこと言ったかなぁ?って思っていると、
「帰りに…ほら、……したじゃない!」

それってキスの事?
いきなりそこなの?
ちょっと、まだ心の準備が…。
でも、そんな気持ちを悟られたくなかったからあえて目を見詰めたまま、
「もちろんちゃんと覚えてるよ。でも、どうせなら酔ってない時にして欲しかったなぁ」
なんて照れ隠しに余計なことまで言ってしまいました。声が震えてなかったかなぁ?
「もぅ~、スッゴイ恥ずかしいんだけど!」
って、こんな話を顔を合わせながらしているこっちの方が恥ずかしいよ。
ホント。
出来ればあの日、どんな気持ちであんな事をしてきたのかを聞きたかったけど、そんな勇気も寝たフリをしているし、望む答えが返ってくる自信も海にこぼれた涙の雫の様にどこにも見つからないし、彼女の表情や言葉の中から確認をすることもなかなか出来ず、ひきつり気味の笑顔でお酒を口に運ぶだけでした。
ふぅ~。
これがお酒がすすんだ終盤だったなら酔ったフリしてごまかしたいところだけど、まだまだ序盤どころかキックオフのホイッスルの余韻さえまだ消えていない状態では、ある意味イジメですよ、イジメ。



とりあえず、長くなってしまったので今日はここまで…。
続きはまた後日、ご報告させていただきます。
ちょっとだけ待ってて下さいな。

では…。