24作目「LOVE SONG」
1989.6.21発売 オリコン最高20位 売上約3.2万枚
再発1992.3.25発売 オリコン最高1位 売上約49.9万枚
このシングルから名義が「CHAGE&ASUKA」になりました。次作の「DO YA DO」では「CHAGE&ASKA」に改められますので、「CHAGE&ASUKA」としては唯一のシングルです。作詞・作曲の名義には飛鳥涼の名がまだ残りますが、2001年以降すべての表記がASKAに統一されました。「涼」の名が公式には消えてしまったのには少し寂しさも感じる昭和の時代からのファンのひとりです。
セルフカバーアルバムの『12』の1曲目を飾ったようにチャゲアスの代表作の一つですし、世間での知名度も高い歌です。「チャゲアスといえばラブソング」というパブリックイメージを印象づけた歌とも言えます。しかし、そう単純な歌ではありません。
跳ねた16ビートの軽快な曲調に乗せて歌われるのは「WALK」と同じ世界観です。男の弱さとそれを支える女。決して甘いラブソングではありません。
当時のバンドブームへのアンチテーゼとして書かれた、ってエピソードは有名です。若さと勢いにあふれた8ビートのシンプルな楽曲が世間にはあふれていました。そんな中チャゲアスはすでに若さと勢いでつっぱした20代は過ぎ、30代に入っていました。
詞は… 奥さんに向けたものかな? 歌の主人公が明らかに「シンガーソングライターの歌手」です。この歌の主人公をASKAさんとしてノンフィクションとして読むことも可能です。しかし、私小説的な狭い世界観ではなく、普遍的で大きな世界観の愛の歌として聞くことができるのが、この歌がその売り上げ以上に世間に広がった理由でしょう。(その世界観の広がりは『12』のセルフカバーの方がより顕著です)
自分が作る歌がなかなか受け入れられず、巷では「半オンスの拳」が受けています。安っぽい稚拙な表現で自意識過剰のメッセージを歌い上げていた楽曲が多かった当時の(現在も、ってのが寂しいところですが…)音楽シーンを揶揄するかのような表現です。心が弱くなっているときでも「君」を思い浮かべれば大丈夫だよ、ってな感じの1番。
そういえば君との出会い。片思いからふたりの恋へ。そんな恋心は歌となり街に流れている。心が弱くなった時でも君のことを歌にしていけば僕は強くなれるよ! ってな感じが2番。
ツアーやレコーディングなどで君に会えない時間は増えていく。でも、君からの電話が僕に力をくれるんだ。
君が想うよりも僕は君が好き!
仮のタイトルは「SOUL」だったというこの「LOVE SONG」。確かに萎えていた「SOUL」の復活がテーマですから、そちらの方がより歌のテーマには近いです。でも「LOVE SONG」だからこそ売れたんでしょうね。最初のリリース時はそれほどでもないですが…
ASKAさんの「恋」と「愛」の使い分けは非常に面白いです。それだけで1冊の本が書けそうなくらい深読みできちゃいます。案外、何も考えず、なんてこともあるかもしれませんが。有名な「愛には愛で感じ合おうよ 恋の手触り消えないように」にもつながる重要なフレーズが今回出てきます。
「恋が歌になろうとしている ボタンがわり愛をつないで」
みなさんはどう聞きます? ASKAさんの「恋」と「愛の使い方を気にして他の楽曲も深読みしがら聞いてみると… 聞き慣れた歌もこれまでとは異なる響きで聞こえてきますよ。
曲は16ビートのポップス調です。これまであんまりなかった曲調です。ギターで作曲していたデビュー当時には表現しにくいリズムですし、ロック色を強めていた1986年以降にもこの軽い感じはあまりありませんでした。使われるコードの数もこの頃から飛躍的に増えます。アコギで正確にコピーするには相当のテクニックが必要とされるんですね。私は再現できません。
歌のキーも高いです。しかも最後には半音上に転調し、サビを2回繰り返しますので、カラオケでこの歌を歌われる男性の方は苦労されるんではないでしょうかね。
この歌の編曲はASKAさんと十川ともじさんとの共同名義です。おそらくASKAさんが作ってきたデモ音源のアレンジをそのまま踏襲しているのでしょう。演奏はおそらく当時のバックバンド「BLACK EYES」だと思います。ギターが近藤敬三さんの音だと思うので… ベースもこの頃から恵美直也さんが担当しています。
また、CHAGEさんのコーラスアレンジが独特です。高音域で同音を続ける部分が多く、メロディーに3度や5度の音でべったりハモるのではないチャゲアスならではのコーラスが印象的です。
次作「DO YA DO」までは1年を待たねばなりません。当時のASKAさんの半年の渡英も結構長く感じたものですが、今思えば… 半年なんてね…
チャゲアスのシングルはもう5年以上出てない現在からすれば1年なんて! と言いたいところですが、当時はまだかまだかと待ち焦がれていましたね。
1989.6.21発売 オリコン最高20位 売上約3.2万枚
再発1992.3.25発売 オリコン最高1位 売上約49.9万枚
このシングルから名義が「CHAGE&ASUKA」になりました。次作の「DO YA DO」では「CHAGE&ASKA」に改められますので、「CHAGE&ASUKA」としては唯一のシングルです。作詞・作曲の名義には飛鳥涼の名がまだ残りますが、2001年以降すべての表記がASKAに統一されました。「涼」の名が公式には消えてしまったのには少し寂しさも感じる昭和の時代からのファンのひとりです。
セルフカバーアルバムの『12』の1曲目を飾ったようにチャゲアスの代表作の一つですし、世間での知名度も高い歌です。「チャゲアスといえばラブソング」というパブリックイメージを印象づけた歌とも言えます。しかし、そう単純な歌ではありません。
跳ねた16ビートの軽快な曲調に乗せて歌われるのは「WALK」と同じ世界観です。男の弱さとそれを支える女。決して甘いラブソングではありません。
当時のバンドブームへのアンチテーゼとして書かれた、ってエピソードは有名です。若さと勢いにあふれた8ビートのシンプルな楽曲が世間にはあふれていました。そんな中チャゲアスはすでに若さと勢いでつっぱした20代は過ぎ、30代に入っていました。
詞は… 奥さんに向けたものかな? 歌の主人公が明らかに「シンガーソングライターの歌手」です。この歌の主人公をASKAさんとしてノンフィクションとして読むことも可能です。しかし、私小説的な狭い世界観ではなく、普遍的で大きな世界観の愛の歌として聞くことができるのが、この歌がその売り上げ以上に世間に広がった理由でしょう。(その世界観の広がりは『12』のセルフカバーの方がより顕著です)
自分が作る歌がなかなか受け入れられず、巷では「半オンスの拳」が受けています。安っぽい稚拙な表現で自意識過剰のメッセージを歌い上げていた楽曲が多かった当時の(現在も、ってのが寂しいところですが…)音楽シーンを揶揄するかのような表現です。心が弱くなっているときでも「君」を思い浮かべれば大丈夫だよ、ってな感じの1番。
そういえば君との出会い。片思いからふたりの恋へ。そんな恋心は歌となり街に流れている。心が弱くなった時でも君のことを歌にしていけば僕は強くなれるよ! ってな感じが2番。
ツアーやレコーディングなどで君に会えない時間は増えていく。でも、君からの電話が僕に力をくれるんだ。
君が想うよりも僕は君が好き!
仮のタイトルは「SOUL」だったというこの「LOVE SONG」。確かに萎えていた「SOUL」の復活がテーマですから、そちらの方がより歌のテーマには近いです。でも「LOVE SONG」だからこそ売れたんでしょうね。最初のリリース時はそれほどでもないですが…
ASKAさんの「恋」と「愛」の使い分けは非常に面白いです。それだけで1冊の本が書けそうなくらい深読みできちゃいます。案外、何も考えず、なんてこともあるかもしれませんが。有名な「愛には愛で感じ合おうよ 恋の手触り消えないように」にもつながる重要なフレーズが今回出てきます。
「恋が歌になろうとしている ボタンがわり愛をつないで」
みなさんはどう聞きます? ASKAさんの「恋」と「愛の使い方を気にして他の楽曲も深読みしがら聞いてみると… 聞き慣れた歌もこれまでとは異なる響きで聞こえてきますよ。
曲は16ビートのポップス調です。これまであんまりなかった曲調です。ギターで作曲していたデビュー当時には表現しにくいリズムですし、ロック色を強めていた1986年以降にもこの軽い感じはあまりありませんでした。使われるコードの数もこの頃から飛躍的に増えます。アコギで正確にコピーするには相当のテクニックが必要とされるんですね。私は再現できません。
歌のキーも高いです。しかも最後には半音上に転調し、サビを2回繰り返しますので、カラオケでこの歌を歌われる男性の方は苦労されるんではないでしょうかね。
この歌の編曲はASKAさんと十川ともじさんとの共同名義です。おそらくASKAさんが作ってきたデモ音源のアレンジをそのまま踏襲しているのでしょう。演奏はおそらく当時のバックバンド「BLACK EYES」だと思います。ギターが近藤敬三さんの音だと思うので… ベースもこの頃から恵美直也さんが担当しています。
また、CHAGEさんのコーラスアレンジが独特です。高音域で同音を続ける部分が多く、メロディーに3度や5度の音でべったりハモるのではないチャゲアスならではのコーラスが印象的です。
次作「DO YA DO」までは1年を待たねばなりません。当時のASKAさんの半年の渡英も結構長く感じたものですが、今思えば… 半年なんてね…
チャゲアスのシングルはもう5年以上出てない現在からすれば1年なんて! と言いたいところですが、当時はまだかまだかと待ち焦がれていましたね。