マイルズ・デイヴィス。ボクの大好きなジャズ・ミュージシャンのひとりです。
彼の名盤は数多ありますが、ボクのささやかな愛聴盤のひとつである、通称『小川のマイルズ』について書きたいと思います。
1955年にマイルズはやっと、自身のクインテットを結成します。そのクインテットのプレスティッジ・レーベルからのデビュー・アルバムがコレです(秘密裏に、裏で契約を結んだCBS用にレコーディングしてはいましたが)。
CBSからのデビュー・アルバム、『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』よりも雑、というか、ジャムセッション風に聴こえるのが、ボクは好きです(ラウンド…も大好きですよ)。
クインテットのテナーは当初、ソニー・ロリンズを予定していたそうですが(だとしたらスゲーことになっていたことでしょう)、諸事情により、当時は無名に近かったジョン・コルトレーン。まだこのアルバムを聴く限り正直、脱皮前という感じが否めません。
ピアノは「カクテル・ピアノ」と揶揄されたレッド・ガーランドですが、ボクは彼のコロコロ転がるようなピアノが大好きです。ポール・チェンバースとフィリー・ジョー・ジョーンズのリズム隊も申し分ありません。
そしてとにかく、マイルズのトランペットがイイです…と書いてしまうと、身も蓋もないですけど、それに尽きるのだからしょうがない。他にも名演が尽きないマイルズですが、ここでのリラックスしたプレイも魅力的です。
この後に、クォリティの高い数々の名盤を世に放っていくマイルズですが、ボクは先述のように、リラックスしたムードが好きで、このアルバムをよく聴きます。