WOWOW「ロープ」の再放送の録画をやっと観ました。
野田秀樹さんの作品は言葉遊びにリズミカルな軽いノリに笑いがある反面、人間の裏側をストレートに突いている。
私にとって竜也くんの舞台の中で野田秀樹さんの作品は特別で、過去2作品今もメッセージが心に強く残っている。「オイル」はすごく影響を受けました。
話があってメッセージがあるというより、メッセージがあって話があるというか・・・・他の脚本家もそうかもしれないけれど、メッセージの伝え方が真剣というか強いんです。
ロープ放送後の野田さんインタビューより
『むこから日本に帰ってくると日本のぼんやり感、孤立感に苛立ちをつのっていて作品に吐き出した。
「オイル」や「パンドラ」とつなげられて語られたりする。
「パンドラ」も「みらい」という言葉がキーワードになっていて・・今回は違って使っているが、繋がりはある。
プロレスを題材にしたのはロープの中では誰もが何をしても許されるというのが戦場のたとえにならないか。
宮沢りえさんは独特の透明感があり、あの存在感がなければ生々しい台詞を語らせようとしなかった。
藤原竜也は本番前2週間前になって一段ぐっとあがってきて、本番中に自分の役を非常にぐっと掴むようになって楽しめるようになってきた。
渡辺えり子さんは当て書きというと怒られるので、当て書きじゃないって言ってますけど、当て書きですよね。稀有な女優さんですから、普段は心の優しい心の小さい繊細な女優さんですけど、舞台上に立つとだんなをだんなと思わない役者になれるっていうのは大したもんだなと思います。一緒にやっていて舞台上でふと怖くなるときがありますから(笑)
暴力の連鎖ということが日本で暮らしているとあまり感じられない。喧嘩をしはじめて、だんだんわからなくなってくる、戦場の現場にいるとわからなくなる、はたから見ているとおかしいって言えるのにできなくなっちゃうということを示す為に膨大な残虐なシーンが必要だった。膨大な実況台詞、少しとりつかれたように見える、このくらいで収めたらダメ、もっと書いてもっと見せ付けなければ思い知ってくれない、美しいものにしたらダメ、残るものが徒労感であってもいいし。過剰とか言われるが、この表現しかなかった』
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戦争って国をあげての催眠術・マインドコントロールでしょう。やっていることは殺人なのに正当化されてしまって、善悪の分別がつかなくなってしまうモノですよね。
舞台上では誰が重要でだれが主役というより皆がそれぞれ柱を支えています。
特に入国管理局員はポイントになる言葉を発していますね。
「そこはリングというプロレスラーの職場、その血の意味を考えているのです。血は流れるところによって意味が違います。戦争で血が流れても殺人事件とは呼びません。
ジャッジはいつも難しい、どこまで見てみぬふりしたものか」
「ロープの中で起きたことは問いません、私はロープの外で起こったことだけを取り上げます」
「あったことをなかったことにする、なかったことをあったことにする」
ノブナガ 「漫画を読んでいたらプロレスとの違いがわからなくなった。レスラーが額に血を流していても観客には『タラリ~ン』としか聞こえない」
竜也くんはいつも小気味いいんですよね、身体能力が高いから。
皆動けるんだけど、竜也くんは動きが軽い、ピョンピョン上にあがったり下りたり。
だからコミカルな演技も冴えてくる。
ノブナガ 「おれの力が役立つのならすべての暴力とたたかう」
ディレクター妻 「この子が言うと歯が浮かない~」
この部分あてがきですねぇ、今までくさい台詞でも竜也くんが言うとなぜかしっくりくるって感じてましたから。
「もともと暴力には理由がないんだから」
「もともと暴力には違いが無いんだから」
とわかっていながら、グレート今川を倒したノブナガの暴力を正当化するため
「この暴力には悪くないと説明しよう」という周りの声。
「正義の暴力」と実況する。
暴力をしても仕方が無いんだっていう暴力の口実、たしかにありますよね。滑稽です。
カメレオン 「今はいいよ、若いから何をやっても許されると思っているかもしれないが、でも結婚して子供が出来てから、『あのころはやんちゃしてました』って一言で逃げるのはやめなさい」
「やんちゃ」って言葉、宇梶さんにあてがきですか?
ノブナガ 「何の為にたたかっているかはわからない、敵だから死んでもいい、顔がないやつは死んでもいい」
タマシイ 「青年の純情は単純、単純は愚鈍、愚鈍は鈍感」
ベトナムのミライの最後の日の実況。
ここは辛い部分ですが、これを語ることが野田さんの真摯な姿勢なのですね。
タマシイ 「まるで世界中が催眠術にかかかっている、だれが催眠術をかけたのだろう、くりかえしロープに跳ね返ってもどってくる、そしてどーんだ」
残酷な現状に耐え切れなくなったノブナガの目、痛々しい。
女から兵士が赤ん坊を受け取るシーン、ここは二人とも言葉ひとことひとこと力強く発していて台詞が強い説得力がある。竜也くんはこういう語るところは非常に上手ですね。
タマシイ 「人はとりかえしのつかない力を使った後で無力という力に気づく」
タマシイの話を黙って静かに聞いているノブナガの汗に光った横顔が純粋。
このたたずまいも重要なシーンで、しっかり役を果たしています。
プロレスのレフリーの人、舞台向きの声ですね。
よく響くので、そんなに頑張らなくても届いてしまう、得ですよね。
このころ顔にたくさんの出来物や浮腫みが出ていたのは、オレステスの時に喉を痛めて飲んだステロイド系の薬のせいだったことを思い出して、辛かったわ。
「なんでそんなに歌ように台詞をいうんだ」とか野田さんにダメだしされていたようですが、純情な青年を演じているノブナガという役でもあり、一生懸命さが合っていたと思います。
野田さんの舞台、苦しんでいたようですが、経験が力になっていってますよね。
設定は比喩的なんですが、現実がたくさんで心に響くのです。
そんな野田さんの作品には今後も出てほしい。
そしてこれから出会う作品、必ず力の財産になるものはある筈だから優劣つけず挑戦してほしいです。
早いですね。もう27歳ですか、おめでとうございます!
初めは未成年の危うさが失せたら冷めるかなって思っていたのに、いまだやめられませんね。
ところでDaのマネジャー日記で「たのしみにしていてください」というのはどんな作品なのでしょう?
本当早く聞きたいです。