5月7日昼の部、ムサシ観劇しました。
いやぁ・・観終わった後に「もう一度観たい」と、切に一回だけの観劇を惜しみました。
数々の竹と寺が交差して寺のが徐々に現われる場面、
寺に向かって歩いているようにも思え、竹のユサユサ揺れる様子が幻想的なんです。
音楽が宮川彬さんなんですね。
宮川さん、好きですよ。NHK番組の「クインテット」、毎日録画して時々編集保存してますよ~。
実は今回武蔵は寡黙な役だと聞き、不満を抱いて観劇に臨みましたが・・・いえいえ全然周りにのまれていません。・・というよりこの中の武蔵を理解してひたむきに演じていてる、ぶれない人物像を演じ切っていて全体を引き締めており、やはり主役としての存在でした。
じっとしている場面であっても、舞台ありきの存在感で流石です。
オーラっていうと使い古されて軽い表現ですが、本当に舞台の上での彼は光を発散しているように見えます。
堂々とした真っ直ぐな背すじ、立っても座っいても保たれている。
この役のために鍛えた上に持って生まれたこの人の立ち姿の美しさがあります。
NHKで稽古風景を見たときは、返っていつもより若く幼く見えると思いましたが、巧く若さを抑えていました。
ここで流れたタンゴのシーン、動きがきれていて素晴らしかったです。
これもただただひたむきに体にたたきこんだんだろうなと芝居にかける真面目さが伝わってきました。
口数すくない役とはいっても緩急は見たいもの。
浅川甚平は聞き茶で乙女の父親に勝てなくていつも2番だったという話に対して「それは辛い話だな」と、武蔵が小次郎を皮肉るようにニヤっと笑うところがツボでした。
こういう細かいニュアンス、上手ですよね~
まいに「・・ねぇ」と弱々しく語りかけるところも可笑しかったです
「褒めながら腐すな」って小次郎が武蔵に言うところ、よく井上先生見てますね。
この二人お互いに尊敬し合いながら、褒めたり貶したり・・それも信頼があるからできること。
それと・・他の役者さんにも何かあったかもしれませんが「身毒丸」をパロディしてますね。
「撫子さん、浮気しないで!」みたいな・・小次郎に嫉妬してしまいましたよ(笑)
武蔵に「生きるか死ぬしかない」って喋らせるところがあって、また天保以来の「ハムレットパロディだ」って思いました。
常にではないですが、野太く吠えるようなオレステスな発声が気になりました。
オレステス以来、時々それが出てきて気になります。
お腹にためた息と共に声を出すことは基本だろうけど、「腹式呼吸」=「強く息を吐き出しながら声を出す」は違うでしょう・・息漏れの発声と腹式呼吸は別物だし、喉を開けることと息漏れ発声も別でしょうし・・。
オレステス発声で喋ると表現が狭められてしまう気がします。
杏ちゃんは強くて通る声で力みがなくクセもなくて腹式もしっかりできていていいなと思います。
お腹に力を入れていても観客それを感じさせないで・・
12列目の席だったので細かい表情がわかりにくい点もありましたが、その一方遠目からみて整った目鼻立ちを改めて感じました。顎が細いな~とか。
横顔の美しさの理由の一つに顔の厚みが他の人に比べてすごく薄いことに最近気がつきました。
最後の方で武蔵が舞台から下りて通路を通る演出があったのですね。
意外だったので感激でした。
ありがとう!蜷川さん。
席が通路横とまではいきませんでしたが、十分この瞬間はアップで顔が見られました。
汗で光った横顔、やっぱりすごく綺麗、再確認したようでした。
カーテンコールは3回。
一回目は微笑むような柔らかい顔で出てきて、二回目は白い歯をこぼす笑顔が見られました。
これでたちまちヘロヘロ。
どうしてこう笑顔に弱いのでしょう。
この余韻をまだ引きずっています。
また武蔵に会いたいわ。
ロンドンに持って行くなら、日本で再演あるのでしょうかねぇ~。