では前回に引き続き、私が足しげく通っている、親の顔より見た、大手牛丼チェーン店について少し掘り下げて考えてみます。
(この内容に会社は関係なくステマでもなく、私の感覚に依拠することを最初に断っておきます。)
女性の方は特に「ひとりではそういう飲食店に入れない、恥ずかしい…」という人も多いでしょうから、自称牛丼屋ソムリエの私があなたの牛丼チェーンデビューをお助けします!!(求められてない)
牛丼を提供しているチェーン店はいくつかありますが、今回は「S屋」「M屋」「Y屋」の3つに絞って考えてみようと思います。
今回焦点を当てて考えるポイントは4つ、「お茶」・「味噌汁」・「豚汁」・「牛肉」の4部門にしようと思います。
(サラダの種類とかカレーの味付けとかドレッシングなどを考え始めたら長編の記事になってしまいますゆえ…何卒…。)
まずはお茶の特徴なのですが、M屋とY屋はセルフスタイルなのに対し、S屋は入店後すぐお茶が提供されます。
上記2店はセルフで用意する労力はあれど、水とお茶が選べるというメリットはありますね。
しかし!!(声を大にして)
冷たい麦茶の有無を言わさぬ美味しさ!
この美味さなら水が元々あっても選びません!
身体に染み渡るミネラル!
あぁ…!(飲み干して)「もう一杯、もらってもいいですか…?」(イケボ)
…多少誇張が入りましたが、S屋の麦茶を同じく好む同僚に「麦茶を飲みに行こう」と言うだけで、こちらが牛丼屋に誘っている意図を察するぐらいです(これは特殊なケースですが)。
彼は「麦茶屋さんが牛丼もついでに提供しているんだ」と言っていました。なるほどなぁ。
では次に味噌汁です。
味噌汁は我々が入店後、水(orお茶)の次に口にするであろう、とても大事なオードブルです。
身体に足りていなかったものが「はぁ~染み渡る~」のが味噌汁です。
味噌汁で一息ついて、店に受け入れられていると感じたお客さんはここで初めて心を許すと言っても過言ではありません(過言)。
・M屋の味噌汁は、他2店のしょっぱめの関東風テイストとは違って、どちらかというと九州の味噌に近い甘みがある気がします。
そして綺麗な明るい色の油揚げ、少しモチモチしていて豆腐みを感じるのもよいです。
・S屋の味噌汁の味わいは、ダントツではないが普通に良く、わかめ、ネギ、油揚げがバランスよく入っていて優等生です。
たまにネギを入れすぎて全体がネギネギしていることもありますが、それはそれでおいしいのでマルです。
・Y屋の味噌汁は、アオサが入っているのが特徴的で、個人的には二日酔いの身体に染み渡る部門(今作りました)では優勝な気がします。
他の店にはないアオサを入れることで独自路線を開拓し、牛丼チェーンの味噌汁競争(あるのか?)から上手く逃れた気がします。
例えるなら、お金持ちの腕時計の見栄っ張り競争で、どこまで高額になっても勝敗のつかない熾烈な戦いの中で「スマートウォッチ」という別カテゴリを身に着ければ戦いから降りられるのと似ていますね。いや似てないかな?
さてでは豚汁です。
豚汁については私はかなりの手数を踏んでおり、牛丼屋じゃなくても豚汁変更オプションがあれば注文してしまうくらい豚汁が大好きな豚汁マスターですが、第1位は昔から変わりません。
間違いなくS屋です。圧巻です。
旨味を感じさせるのが本当に上手!
M屋も特徴的な滑らか~な豆腐が入っていたり、Y屋も具だくさんで満足度を高めたりして美味しいのですが、それより、S屋のあの一体感ですよ。
「豚汁」と名乗るからには一体感が必要なのです。
味噌汁に豚と具を足しただけになってしまってはいけません。
いいですか、豚汁というのはオーケストラです。
バイオリンがいてヴィオラがいてチェロがいてコントラバスがいて、管楽器がいて打楽器がいて・・・お互いがお互いの味を引き出しあって、全体の調和を成すんですよ。(話が大きくなってきました)
そしてあの旨味です。
味噌はもともと旨味が強いものですが、そこに豚の旨味が見事に絡み合っています。
無限に飲めますよあの汁は…。水筒に入れて持ち運びたいくらいです。
そういえば以前こちらのブログでも旨味成分を爆発させるアミノ酸の組み合わせを紹介しましたね。
①イノシン酸②グルタミン酸③グアニル酸のうち、
①×②は相性が良く、②×③も相性が良いとされています。
S屋の豚汁を飲んでいると、液体の中をフワフワと浮遊するカケラを見ることができますが、これは昆布です。
昆布は②グルタミン酸をとても多く含む食材ですね。
またS屋の豚汁には大きくカットされた大根も多く入っていますが、こちらも②グルタミン酸を含みます。
ではそれと相性の良い①イノシン酸の食材は何か。イノシン酸は魚や肉に多く含まれています。
言わずもがな、豚肉です。
豚汁ですから、小さいのがたくさん入ってますね。
そしてもう一つ、S屋の豚汁に入っている特徴的な食材が、干し椎茸です。
干し椎茸は③グアニル酸を含みます。具体的な数字は分かりませんが、昆布のグルタミン酸と融合して、かなり旨味に貢献してるんではないかと思います。
最後の項目、「牛肉」については薄切り厚切り、脂身の多さ、旨味、塩加減など採点項目が多くありますが、どの店にも良いところがあり牛肉については「それぞれに良い」とさせていただきます。決して文章の量が多くなってきたからではありません。決して。
そんなこんなで牛丼屋について熱く語ったらお腹が減ってきましたね。
家に帰っても料理は面倒だし今日は(今日も)牛丼屋に寄って帰るとしましょう。
暑くて食欲が出ないから、今日はめかぶオクラ牛丼で!!(終)