焼肉でお腹がいっぱいになり、駅までの道を歩きます。
ここのバー、前に行ったね!
まだ時間が大丈夫なら寄ってく?
入り口をのぞくと、ちょうど入れてもらえました!
1年前と同じ席だよー♡
私はあまりお酒が飲めないので、いつもオーダーはKさんにお任せしています。
僕はウイスキー。
彼女にはアルコールは薄めで、フルーツは…イチゴとスイカとブドウだって、どれがいい?
がいい!
結果、ほぼイチゴ100%のカクテル風ジュースでした
今日のシルバーヘアの写真、AirDropするね!
Kさんの携帯を借りて、受信した写真を確認しながら非表示フォルダに入れていきます。
Kさんの非表示フォルダには私との写真しか入っていないし、こうやって携帯を貸してくれるのも、すごく嬉しい
信じてるからね。
Kさんが私の気持ちを見透かしたように言う。
普通に写真を撮るようになっちゃったね。
あのときからだよね、六本木の…
ねぇ、もし急に具合が悪くなって倒れそうになったら、急いで非表示フォルダの写真を消さないとね。
分かった、薄れゆく意識の中で、最後に携帯を…って頑張ればいいんだね?笑
冗談じゃなくて、今日の写真なんて、上半身裸で言い逃れできないんだから…。
そこまでしなくていいんじゃない?笑
バレたって、もう死んでるんだから。
だって、今まで築いてきた信頼があるでしょ。お子さんだって、どう思うか…。
こんな一面もあったんだなって思うだけだよ笑
…そ、そんなものなのかな?違うよね?
会っている時間は全力で楽しもうね。
1年前、初めてホテルに行った日には、そう言って私を牽制していたKさん。
自分の立場をわきまえて、影を薄く過ごしてきたつもりだけど、
私の存在を何が何でも隠し通す、と言われるよりは嬉しくて、
でも私は自分の家族にはずっと知られたくないし、
複雑な気持ちが合わさって、切ない帰り道。