東のレオンの部屋に戻ると、箱の中で小さく丸くなって座っていました。

ゆきは、知らぬ顔をして、布団をひきました。

子猫が、ジーッとゆきを観察しているのは解ります。

『この人は、何だろう?ここは、どこだろう?』


ゆきは、布団の真ん中に座り、小さなボールをお手玉のようにして遊びだしました。
子猫は、ボールを目で追い、首をフリフリ、キョロキョロしていますが、箱からは出てきません。

次に、ゆきは、紙をクチュクチュとして小さなボールを作りほり投げました。
1つ、2つ、3つ…
すると、子猫は、箱から飛び出して、紙のボールに向かい走り出しました。

そして、可愛い小さな前足で、ボールを転がして遊びだしました。
紙で作ったボールは、軽くて子猫も扱いやすいです。

ゆきは、黙って子猫が1人で遊ぶ姿を見ていました。
遊び疲れたのか…子猫は水を飲みに行きました。

「賢いね。もう水を置いてある場所が解ってるのね。さぁ、そろそろ寝ようね。」


スタンドの明かりはつけて、ゆきはお布団に寝転びました。

子猫を抱き上げ、お布団に連れてくるのではなく、
子猫から、お布団に近づいてくるのを、待つのです。

箱のベッドに入って眠るかな?
布団に寝転ぶ、ゆきに興味をしめし、自分から近づいて来るのかな?




続く
11月30日
忘れない大切な日
レオンは静かに旅立ち…、3年の月日が経ちました。


秋にレオンから贈り物が届きました。
「レオンとラブ」が選ばれ新聞広告に掲載されました。
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先日、イラストを描いて下さいました猫福さんが、お友達と3人で、京都に観光にこられました。
ブログを拝見してましたら…偶然にレオンが訓練を受け、私が走り回り、振り回されていた公園に、紅葉を見に行かれたとかもみじ
レオンが猫福さんを呼んだのかしら?と、思いました。



11月30日
この日を、旅立ちの日に選んだあなたを…
私は、本当に優しい思いやりのある子だったんだなって…感謝しています。


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子猫はスヤスヤと眠っています。

ゆきはそっとドアを閉めて、先輩猫達のいる西の部屋へ行きました。

部屋に入ると、一斉に、5匹の先輩猫達の視線をあびました。

ゆきは、ベッドの上で、寝そべっている、ボク君の隣に座り、頭を撫でながら静かに話しだしました。


「あのね、今晩、私はレオンの部屋で寝るから。3日間だけ、ベビーちゃんと、眠らせて。獣医さんへは行って、ベビーちゃんの体調が大丈夫なら、ちゃんとみんなに紹介して、このベッドで一緒に眠れるから。みんなが初めてこの家にきた時のことを、覚えてる?
ベビーちゃんも同じことをしてあげようね。」


ゆきが話し出すと、各々が、好きな場所で、好きなポーズでちゃんと話は聞いているようです。


「解ってくれたなら、返事してね~。ラブ!」
声をかけられたラブちゃんは、お上品に尻尾を少しだけふりました。


「福ちゃーん!」
ゆきにお尻を向けて寝そべっていた福ちゃんは、起き上がり、振り向いて、ゆきの目を見ました。


「華君!」
「ニャ~」
呼ばれたら、声をだして返事をする華君は、ゆきの足元に歩いてきました。


「桜!桜ちゃん!」
マイペースな桜ちゃんは、鏡の前、お気に入りの場所から、ゆきの方をチラッと見て、返事をしました。


「タヌキ寝してないで~ボク君!」


ボク君は、バタン!と大きく尻尾を振りました。
タヌキ寝は、ボク君の得意技です。
いつも眠っているように見えるのですが、ゆきが何かを話し出すと、耳をイカ耳にして、ピクピクと動かし、しっかりと話は聞いています。


ゆきは 猫達によく、お話をします。
日々の出来事、自分の思っていること、たわいもない事もあります、四季の移り変わり。ゆきの喜怒哀楽を、猫達はどう、受けとめているのでしょうか?
言葉の一言、一言を、理解しているのでしょうか?
完全室内飼いのため、猫達は外の世界を知りません。窓から見える世界を、見て日々暮らしています。


猫が、猫として生まれながらに持っている本能を、大切にしてあげたい、
人間と一緒に、生活して、生きていくなかで、共に学び、理解をして成長していくことを大切にしています。


猫達に一番教えられた事は何だろう?

ゆきは、足元まできて、返事をする、華君を抱き上げふと考えました。




続く