↑の続きです



今回のメインの目的地、 

旅館建物室礼美術館 河鹿園へ





河鹿園は2017年まで営業していた割烹旅館


国の有形文化財に登録され、
現在は旅館建物室礼美術館として、
歴史ある建物と書画の美術館となっています







2年前に何気なく来た時に
あまりに素敵で忘れられず…
再訪できて嬉しいです


各部屋には草花が丁寧に活けられ、
貴重な書画は
ガラスケースに入れられるのでなく
部屋にさりげなく飾られていて、
ご主人の手書きの丁寧な説明が
添えられています


日本画家の川合玉堂さんと、
ご主人の祖父母が懇意であったそうで、
玉堂さんご本人や奥さんから譲り受けた作品が
たくさん展示されています


添えられている説明も表面的なものではなく、玉堂さんの人柄やエピソードが織り交ぜられ、時間を忘れて見入ってしまいました。











「河鹿園」玉堂さん作




脇床の網代天井





たくさんのお部屋を見て回れます

暖かい明かりが灯り
書画や野花が丁寧に飾られ
炬燵も温められていました


そっと座って足先を炬燵に入れると
温かさにちょっと涙がでそう



炬燵のテーブルの上には
その部屋に飾られている書画の説明書きが
そっと置かれています









川沿いの斜面にへばりつくような立地で、
渡り廊下で繋がった建物が5つほど。
部屋もたくさん。


趣のある廊下の、この階段を降りて
右に入ってまた階段を降りて
となかなか入り組んでいます


部屋によってそれぞれ造りやしつらえが違い、
丁寧な説明が書かれています。










この箱に魅了され、
前に正座してじーっと見ていました





大徳寺の禅僧による書「行雲」

「くれぐれも宮沢りえのサインなどと言わないでください」という
ユーモアある説明書き




↓の2枚の写真、
ひとつづきの広いお部屋だったと思います




 

入ってに右奥にあるこのガラス戸が↓
とても美しくて…
部屋の入口に
「西側の脇床の窓の建具に大正の香りをお感じください」とあります





外を覗くと、青い川と真っ赤な紅葉





この部屋の奥には、こんな素敵な空間








このあと出てくる2つの部屋のどちらかで
高浜虚子の句会があったそうです




左下のは「玉堂」でなく「偶庵」と
なっています

「偶庵」は御岳に移住してからの
玉堂の雅号

たまたま見つけた住処という意味で
御岳の家を偶庵と名付け、 
雅号にしていたと玉堂美術館で読みました

そしてこの短歌は、お母さんへの感謝のうた

幼い頃は病弱だったけれど長命を授かり、
玉堂さんはお母さんに感謝する短歌を
毎年誕生日に必ず作ったそうです
泣ける…



さりげない置物に心奪われます







 

このお部屋、↑に書かれている通り
最高の景色



そしてガラステーブルに映り込む



玉堂美術館の大イチョウも見えます

今年はちょっと行くのが遅かったので
2年前の写真を見てください!

 

多分この御岳渓谷で一番の見どころの紅葉

ここに来る前に外で写真を撮っていた時も
たくさんの人が撮影していて、
窓から覗くと下でみんな写真撮ってる

そのきれいな紅葉を目の前にひとり占め

この時館内に他のお客さんの気配はなく、
しばらくここで座って
夢のような紅葉を眺めていました

これは夢かな~と思いながら




南側は渓谷と紅葉と玉堂美術館の大イチョウ
東側は竹 







こんな部屋でゆっくり泊まりたいなぁ


続きます