滑走屋の誕生を言祝ぐ(2) | 気まぐれデトックス

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「滑走屋」メイキングの配信を、今週末にやっと二周しました。

90~120分の予定が148分の大盤振舞いですよ、あーた!

これね、本当に観なきゃ損です。

 

かなだいはもちろんのこと、山本草太君、友野一希君、三宅咲綺ちゃん、奥野友莉菜ちゃんのファンは必見。

三宅星南君、そして残念ながら本番出場は叶わなかったけれども島田高志郎君のカッコイイ演技や表情も楽しめますし、アンサンブルの佐々木晴也君や木科雄斗君、菊地竜生君も随所でキラリと光る動きと表情を見せてくれる。

というか、舞台関係大好きな人なら、かなりハマるんじゃないだろうか。この制作過程。

 

良いもの、誰も観たことがないものを生み出す為の産みの苦しみと、メンバーの献身。

全ての公演が終って、それぞれのスケーターの口から異口同音に語られる「人生最高の時間」「一生忘れられないくらい大変だけど楽しかった」「スケートやってて良かった」という言葉。

 

プロ、アマ、アンサンブル、ソロの区別を問わず、全員が主役で全方向全角度が正面

それが新アイスショー・滑走屋のコンセプトであり魅力であり強み、売りであることは間違いないのですが、それでもやはり書かずにいられない、個々のスケーターの素晴らしさを今回は。

 

まずは、「滑走屋の若頭」の二つ名を早々に奉られていた友野一希君。

ご自身でも「どの記事よりも詳しい」と自負される体験記を寄せてくれました🥰

 

 

 

配信の中でも、大輔さんと若手の架け橋になるのみならず、インフルで本番直前に出演を断念せざるを得なかった島田君の重要なパート(若手男子三人による「カルメン」の『ハバネラ』から大輔さんのソロ、フラメンコロックへつなぐ部分)を超短期間で頭に叩き込み、二日目から即応するその漢気に痺れました。

大輔さんも「絶対大変なのに快く受けてくれてありがたい」「男前」「なんていいヤツなんだろう」と感じ入っている様子でした。

尊敬する「大ちゃん」からそういう風に頼りにされて、きっと友野君も嬉しかったでしょうね!

 

さらに彼のソロ「Halston」ですよ。

もうね、全日本のFSであの✨神✨最終組を生んだのは、まちがいなく友野君だと私おもってて。

今季の男子のプログラムでは断然好きなプログラム。なんなら大輔さんのプログラム以外で、一番繰り返し観たかも。

だのに、四大陸選手権にも世界選手権にも派遣されず、あれをチャンピオンシップスで披露できないなんて、なんて悲劇だろうと。(もちろん選考には不満はないです!)

静謐で深くて、しんしんと積もる雪のように心に染み入る美しいプログラム。

それが、滑走屋の中でも、とても重要な位置づけで演じられ、しかもなんと9公演ノーミス!!!
なんたるショーマンシップ。

大輔ファンにして友野君「Halston」のファンとしてはもう、泣きたいくらい嬉しいですし、その覚悟というか在り方に、頭が下がりました。

間違いなく開催されるであろう次回「滑走屋」でも、彼が「若頭」的位置づけに立つであろうことは、ほぼ確信できる。

どうか末永く「滑走屋」をよろしくね、友野君!

 

 

そしてある意味、一番驚いたのが山本草太君。

正直言えば、草太君て、スケーティングは極上なんだけれども、音楽表現のセンスはあんまり感じたことがなくて。

「踊る」系のプログラムを演じていても「そう振付けられているから今ここで手を上げてます」みたいに見える人だったんです、私には。

それがまあ、ダークでミステリアスな長い長いオープニングに続けて彼が踊り出した途端、目を疑いましたね。

えっ???そ、草太君なの?君??どどどどうしちゃったの???!!!

みたいな。もう、別人ね。

頭の一振り、腕の翻し方、足の一蹴り、ビシビシ、ピタリピタリといちいち決まって、カッコいいのなんの!!

えええ?私が観ていたあの草太君はなんだったんだ?!そこにいる超イケてる男子、君のどこに隠れてたのよ???と、おばちゃん声に出さずに大騒ぎ。

男子三日会わざれば刮目して視よ、と古来言うのは、こういうことなんだ。

「滑走屋」メンバーの中で、唯一四大陸選手権に出場して、帰ってきてすぐ遅れて合流して。

「僕覚えが悪いんで」と一生懸命にメモを取り、録画を観ては覚え直し、「徹夜だな、追いつけない」とふんわりした笑顔の裡にもきらっと厳しい眼差しを見せて、友野君や島田君に協力を仰ぎつつ食らいつく様子にも、惚れ惚れしたよね。

彼も自分の配信の中で、「すごくキツかったけど幸せだった」と振り返ってくれていたらしい。

 

 

本当に本当に残念だったのが、島田高志郎君。

三宅星南君と共に、早々に大輔Pから「新プロ作ってもらう」と期待のご指名を受けて、きっと張り切っていただろうに。配信の中でも随所で素晴らしくセンスのいい動きを見せていたし、大輔さんも「高志郎のプログラムいいんですよ。単体でもいいけど、流れの中で観るとさらによくて」と披露できなかったのを惜しんでいた。

おそらくリンクを確保できる時間も限定されていたろうし、試合に出る選手もいたし、通常のアイスショーの準備期間がせいぜい三日程度ほどであるので、一週間の準備期間をキープするのが限度だったんだろうと思う。

それでも、単なる持ちプロの寄せ集めでない、これだけハイレベルの作品を創るには、時間が足りな過ぎた。

結果、どうしても大輔さん本人はもちろんのこと(配信の中での足の様子には胸が痛かった。頼むよ大輔さん、、、身体いたわってください・・・(T_T))キャスト全員への負担が大きすぎたのも、体調不良者が続出した一因だったのではないかな。

元々、大輔さんの練習のハードさはシングル時代から有名で、フロラン・アモーディオ級の国際的トップ選手から「あんな練習見たことない」と畏敬をもって語られるほどなんだけれども、それは高橋大輔というトップオブトップだからできる、というものでもあって。

大輔さん自身も配信の反省を口にしていたし、おそらく今回発見された課題は、次への糧になる。

「二週間、三週間かけて良いものを創る」のがアイスショーの世界でも当然になってほしい、という、舞台好きの大輔さんらしい、そして舞台を愛する私達にも共通する願いをも、打ち明けていた。

 

ありとあらゆる経験を、全部後日に生かしてしまうお人なので、次回「滑走屋」開催の折には、きっともっと円滑な運営ができることだろう。

 

なんでも、「初めてやる」というのは大変なことなのだ。

批判は簡単にできる。

安直に批判を口にする前に、胸に手を当てて問うてみるといい。

果たして、自分は道なき道を切り拓いたことがあるか?と。

 

何十年もトレイルブレイザーとしてフィギュアスケート界を切り拓いてきている大輔さんの偉大さを、改めて感じ入る「滑走屋」であり配信でもあった。