同じひとつの物事を、おそらくそれほど大差ない情報量しか持たない立場で受け止めて、何を思い、どんな想像をめぐらし、どんな判断をくだすか。
本当に、人によってどれだけ違うのか、と目を瞠る。
行動したその人自身に対する距離感や好悪
思いも寄らないことであったがゆえの驚き
あるいは、自分には思いつかなかったことに対する悔しさの裏返しである嫉妬心
勘ぐりをそうであるに違いない、と内輪で話すことによって、断定へと変換してゆく共鳴現象
次々に端末の上に流れてゆく文字列を斜めに目で追いながら、結局、どんなに冷静公平なように見えても、人は自分の見たいように見るのだ、という身も蓋もない現実に、改めて思いを致す。
そう、私だって、現実を、自分の見たいように見て生きている。
私には思いつきさえもしなかったことを、ひょっとすると情熱だけで突っ走ってしまったのかもしれないが、それでも、動き出す、やってみる、ということを始めた人がいることに、半ば感動し、半ばハラハラしながら。
誰かを批判して、馬鹿にして、嘲笑いつつ眺めているだけの者と
傷つきながら、ぶつかりながら、なんとか、やってみようとする者
ふと中島みゆきの名曲「ファイト!」のリフレインが脳内に響きだした。
♬ファイト!闘う君の唄を
闘わない奴らが嘲笑(わら)うだろう
ファイト!冷たい水の中を
震えながらのぼってゆけ♬