土曜日の朝、4時に起きて飛行機で福岡へ。
土曜日三公演、日曜日二公演計五公演を観て、その夜の飛行機で東京へ。
出発遅れもあって、自宅に帰り着いたのは午前様😂
いったいオマエいくつなんだよ?!と自分で自分にツッコミ入れてしまうハードスケジュールな遠征をこなして、お、案外まだいけるじゃん?と性懲りもなく思っている。
本当に、この舞台狂、フィギュアスケート狂は、死ななきゃ治らない気がする。
万一、舞台やエンタメや美術やスポーツが楽しめない世の中になってしまったら、自分は生きる気力を失うと思う。
〇〇鬱の続く今日この頃ゆえに、出発前は「心底楽しめるだろうか?」と若干不安に感じていたが、杞憂だった。
前回、前々回とはガラリと趣の異なる「滑走屋~第二巻~」実になんとも、サイコーに楽しかったよ。
「シ」がテーマ、と最初に発表された時には、その音から、「四」から連想される「四季」「四方」「四神」「四十(座長の年齢)」etc.だけではなく、「死」「詩」「史」「志」「士」「師」「氏」「支」「嗣」「仕」「始」と、様々な漢字が思い浮かんできて(漢字って本当に豊かな文化ですよね♪)、なんかよくわかんないけど凄いもんになりそう、とワクワクしていたものだが、観て思うに、これら全部を含んだ内容になっていましたねえ。
四神による新たな麒麟への継承。前の麒麟は退き、一歩引いた立場で神に「仕」え新たな世を「支」える。新たな世が「始」まる。
長が新たな麒麟に選ばれたら、後継者がその神族の長となるから、そこにも継承=「嗣」が発生する。それはその神族の歴「史」のひとコマでもあり、各神族の「志」、在り方もまた、次なる長に継承される。
その意味で、現長は次なる長の「師」でもあり、現麒麟は次なる麒麟の「師」でもある。
「玄武」エンディングでは、麒麟は次なる麒麟である玄武(哉中姐)に心臓を奪われ「死」を迎える。
ちょっと脱線するけど。
心臓を抉り取られた麒麟の倒れ方が本当に「バッタリ倒れて死んだ」感じで、演技なのに演技に見えないのには、改めて「氷艶」その他の舞台系の演技で積み重ねた大輔さんの経験値の高さ、その氷上での発露ぶりに感動した。
考えてみれば、「氷艶」シリーズでは大輔さん必ず死ぬことになっているので(笑)、「氷上で死ぬ」ことに関しては世界一の経験値の持ち主だもんね😂😂😂
パンフレットや公式サイトに多少は物語(ストーリー)の輪郭を載せてはいるものの、「観た方が自由に解釈してください」とこちらに「丸投げ」してくれる大輔さんのいつもの姿勢は、私にはとても心地よい。
「正解」がひとつだけしかない表現なんて、つまらない。
時に「これぞ」とドンピシャ自分のツボにはまる演技なり表現なりというものに巡り合うことはあるが、それは「私にとっての『正解』」であって、そうじゃない受け取り方をする人はする。そしてそれが多様であるほど、その作品は豊穣なのだと思う。
そういう意味で、「滑走屋」は常に豊穣だ。
幕開け、足元がすっかり覆い隠されてしまうほどのスモークの上を、麒麟が滑っていく。
いや、「滑っている」とすら感じない。膝から下が霧に包まれているので動きが全くないように見え、たぶんエッジの切替と重心移動で進んでいるのだろうが、魔法の力で雲の上をしずしずと移動しているように見える。
いきなり、ダークファンタジーの世界だ。
黒に金の長衣、高い立ち襟。重厚にして威厳あるたたずまい。王者、皇帝の風貌。そこにいるだけで、この人が四神を統率する者=麒麟なのだと一目で理解できてしまう。
それにしても、なんだこのリニア感。かつて「氷艶~破沙羅~」で笑也さん演じる磐長媛の重々しくも上半身が微動だにしないぬめぬめとした滑りを目にした時の驚きを思い出すじゃあないか。
四神を呼び寄せる仕草(それぞれの神族に合わせた動きなのが堪らない)の優雅にも流麗なことといったら。
大輔さんて、「マンボ」や「HIPHOP SWANLAKE」のイメージが強烈すぎるせいか、踊りまくり系が得意と思われがちだが、そっちはもちろんのこと、こういうエレガント系も抜群なんですよね。
ああああ、もう、こうやっていちいち書いていると時間と文字数がいくらあっても足りねーじゃねーか。
話を端折ろう。
麒麟様、おそらくご出身と思われる白虎一族(だって大輔さんも友野君も寅年だしー?友野君阪神ファンだし?ガンガン踊りまくるんなら俺らにお任せ!だもんね)と踊りまくる時の生き生きしていることってば別神(べつじん)のようでございましたわ。
ええ、上着を脱いでアイスダンスで鍛えたしなやかに逞しい腕と肩を惜しげもなく披露していただいて、ご馳走様でした。
手首の黒いリストバンドと短い金髪がやんちゃな雰囲気(ヤンキー風味)を添えて、踊り子の本能爆裂。
若い衆従えて、誰よりもキレッキレで、タメたり抜いたり音楽と戯れる様子は、問答無用、ダイスケタカハシここにあり。
私が実見叶った土日は、樋口新葉さんが体調不良で抜けてしまったので、彼女のソロパートを麒麟様と白虎の長・友野君で分担した公演しか観ていないから、新葉ちゃんはどうだったのかなー、、観たかったなー、、、とも思う一方、まさかのお久しぶり・「マンボ」ステップアレンジ版を観ることができて、すんごく嬉しかった。な、懐かしかったよお。。。(思えば、ほんっとありとあらゆる衣装で「マンボ」ステップ踏むの観てきたよねえ😂真逆な雰囲気の「KrOne」衣装でさえ「マンボ」だったもんなあ・・・)
友野君も、おそらく今季のSPのステップをアレンジした感じだったので、突然の新葉ちゃん降板で、ぶっつけ本番でも対応できる、身体に染み込んだステップを応用したという次第だったのだろう。
偶々曲の持ち味が近く、二人とも音楽に対する反応(感応)力が並外れているので、全く違和感なく、もともとこの曲でこのパートは二人が踊る構成になっていたかのようにすら見えた。
「起きてほしくない何か」が起きがちな福岡初演( ;∀;)
無限に危機対応力が磨かれる大輔P、そして若頭友野君。お疲れ様でした。そしてありがとう。
新葉ちゃん、お身体お大事に。しっかり養生して、また元気な姿を氷上で見せてね。
正直言うと、日焼けして金髪の大輔さんて、ルックスとしてはいまいち好みじゃあないんだが(個人の好みです、ご容赦なされよ)、あのノリノリダンスにはぴったりでした。
今更だけどさあ、、、なんで、そんなに自在に踊れるんです?そこ、氷ですよね?しかも、29人が縦横無尽に踊りまくり滑りまくった結果、雪原のようになった治安の悪い氷。。。もはや人類の謎のような・・・
あああああ、また脱線しよる。
麒麟さん語りだすときりがないから、四神語りいきましょう。
最もダークでエロティシズムに満ちた貌を見せる玄武。
神獣としての玄武は、蛇の巻き付いた亀の姿で描かれる。
しかし、この作品中では「亀」要素はなく「蛇」の動きをイメージした動きを見せる。くねくねとしなやかにつややかに動き、時にシュッと素早く動いて相手にとどめを刺す。
唯一女性だけで構成された神族。「女」と「蛇」といえば、楽園追放のイヴを思い起こす。
キリスト教において、誘惑するもの、悪しきものに欺かれるもの、と貶められてしまったが、イヴの原形は大地母神だ。
混沌の中、生命を産み、育み、殖やすのが大地母神。
男を誘惑し、支配し、命を奪う玄武のその在りようは、邪悪に見えるけれども、植物以外の生命体が生きていくには、他の生命体を喰らうしかない。蟷螂などは、卵を産む為に雌は雄を喰らう。
命を奪うことも生むこと(=セックス)も否定してしまったら、生命は種として存続しえない。わかりきったことだ。
玄武エンディングでは、次なる麒麟に指名された途端に大輔麒麟様の心臓を奪い、恍惚たる表情で心臓に唇を寄せるが、アレなんかまさに蟷螂の雌だろう。
「四神相剋」という言葉がある。
元はといえば五行思想の木剋土ー土剋水ー水剋火ー火剋金ー金剋木、という相剋(相手を打ち滅ぼす)の関係をベースにしていて、
青龍=木、青、東、春
朱雀=火、赤、南、夏
白虎=金、白、西、秋
玄武=水、黒、北、冬
という四神の属性に置き換えると、青龍は白虎に、朱雀は玄武に、白虎は朱雀に、玄武は中央の黄龍または麒麟(=土、黄)にそれぞれ滅される関係(陰の関係)にある。
逆に「相生」というお互いを生み出してゆく陽(プラス)の関係もあって、木生火ー火生土ー土生金ー金生水ー水生木となるので、青龍は朱雀を、朱雀は麒麟を、麒麟は白虎を、白虎は玄武を、玄武は青龍を生み出す。
だから、事毎に朱雀は玄武を厭い排除したがる様子を見せるし、白虎の若い衆は玄武のレディースを追いかけ、玄武の後継ぎたる姫(育良ちゃん)は青龍の次なる長(高志郎くん)と恋に落ちる。
玄武が麒麟の心臓を奪うのも、「殺られる前に殺れ」の鉄則に従ったのかもしれないし、千穐楽の玄武パートで麒麟の心臓を狙うもじっと凝視められて果たせず、優しく頭ぽんぽんされて狂気の笑い声を上げる(ある意味完全敗北)のは、浄化というか無力化された=滅されたということなのかもしれない。
まあそのへんの小理屈は措いておいて、この不思議に魅力的な作品世界を編み上げていった大輔さんとゆまさんの発想力と構成力には、脱帽するしかない。広島公演があまりにも素晴らしかったから、「次」は大変だよなーと若干案じていたけれども、「滑走屋」の持つダークなお洒落さスタイリッシュさは維持したまま、フィギュアスケートの魅力全開に「そう来たか!!」と驚嘆させられた。もう、平伏。畏れ入りました。
それにしても、若い一族の娘達の頬に触れ、「いいこと、美しさを磨くのよ。それがあたし達の最大の武器💛」と微笑みかける哉中姐さんの、まあどぎついまでに奔放に妖艶なことよ。(ま、うん、アンチの皆様の彼女を嫌う理由の一端も、そこいら辺にあるのやもしれませぬな・・・)
育良ちゃん筆頭に、お若いお嬢さんがたも揃いもそろって実にチャーミングで、アイコン的に目から下を隠すように顔の前に手をかざす仕草が印象的でコケティッシュ。とりわけ三人の赤い扇子を使った踊りが、扇子さばきも鮮やかに、実にカッコよく全体のアクセントになっていたと思う。皆勤賞の奥野友莉菜ちゃんが、本当に最年少初演メンバーの頃とは見違えるほど、自信に満ちてキラキラと踊っている様子には、目頭が熱くなった。
おや、もう一時だ。
心の赴くままに書いていたが、たいがい長いので、いったん切って上げちゃう。
たぶん、続く。
