台風の影響か、とても蒸し暑い今日の東京
さてチベット旅行記の続きです。
Day1、2、3、はこちらから。
5日目。
今日はいよいよショトン祭。別名ヨーグルト祭り。陰暦の6月30日に行われ、デプン寺とセラ寺で巨大タンカが掲げられます。横幅30m縦が35mという巨大タンカは、見るだけで悟りの種を得られると言われ、参拝者は40万人にもなるそうです。
この日は朝6時に土砂降りの中を出発。前夜にガイドさんから【朝4時出発ね】と言われていましたが、雨だとタンカを広げないらしく、様子見で6時に変更。6時で良かった。
門前からすごい行列です。
外国人は、途中で何度もパスポートを提示させられるので、濡れないように、しかしすぐ取り出せるようにしておかなければなりません。ガイドさんからは大きい荷物は邪魔になるので、なるべく手ぶらで行ってね言われていましたが、なるほど然り。いやー、すごい人です。
しかもですね、
信心深い人≠品行方正
ということを改めて思い知りました。
巡礼者たちは、隙があれば横入りし、隙がなくてもぐいぐい押してきます。順番はきちんと守り、列があればきちんと並ぶジャパニーズスピリットには、これが一番疲弊しました…
他人を押しのけてでも、自分が徳を積むのが大事。
自分に正直で良いのですが、ついつい『それってどうよ?!』って思っちゃいました…。
のろのろとでも進んでいた列も、8時くらいには完全にストップ。雨のためタンカが開かず、既に山頂からは大勢の参拝者が並んでいるので、詰まってしまったようです。その『朝の山手線のラッシュ状態』のまま、2時間くらい待つことに。後ろから巡礼者がぐいぐい押してきて、隙あれば追い越して行こうとするので、それを阻止しようと前の人にぴったりくっついているという状態。
無数の巡礼者との無言の闘いが2時間
疲れました。。。。
寒さと疲労のため、60代女性のおふたりはリタイヤ。おふたりでタクシーでホテルまで戻りました。あたしだってキツかったのだもの。でも、あそこで決心しておいて良かったと思います。この後、さらに体力を消耗する事態が待ち受けていました。
午前10時頃、タンカが開いたのか列が動き始めました。
その途端、みんな走り始めたのです!
標高3650mから3900mまで一気にです!
しかし、止まると後ろからの圧力で将棋倒しになりそうなので、こちらも走るしかありません。低地に住む、高所に慣れてない日本人、もう必死です!転んだら後ろから来る何万人に踏み潰されるかも知れません。しかし、息もめっちゃ苦しい。でも止まれない。止まると踏み潰される。
ほんとに必死でした。
日本人ご一行様、低酸素により顔面蒼白。チアノーゼ状態でふらふら。と、その時、前方に巨大タンカが見えてきました。
もうここで拝めればイイや…と思いましたが、ガイドさんに促され、最後の力を振り絞ってタンカの真下まで行きました。
たくさんの人がカタを投げ入れていました。五体投地を始める人もいましたが、中国公安が移動するようにと言って来ます。あたしもしばらく立ち止っていましたが、中国公安に言われて移動。
これは見て良かった。
途中で何度も心が折れそうになりながらも、ここまで来て良かった。
なぜタンカに心惹かれるのか。
それはこの前日にポタラ宮で視えたビジョンで分かっていましたが、このタンカの前に立つと、心が震えて仕方ありませんでした。何時間でもいられそうでしたが、中国公安にどかされて退場…。
今年は残念ながら、この日デプン寺の本堂に入ることはできませんでした。タンカをしばらく見つめ、下山。下山後の小さな売店で食べたヤクのミルクのヨーグルトが美味しかった。
午後はノルブリンカに行く予定でしたが、それまでに色々とすったもんだがあり、さらに疲れきってしまい、パス。ホテルで休憩しました。あたしの鋼の心臓も、3650mから3900mまでのダッシュに悲鳴をあげました。
夕飯時にはショトン祭を途中で離脱したおふたりも合流し、珍しいイスラム系の方が経営している食堂へ。鶏を1羽丸々使った料理をいただきました。鶏の足から頭まで入っていました。
夕食後のフリータイムに、ライトアップされたポタラ宮を見学。チベットは1週間の休暇期間らしく、街は夜遅くまで賑わっていましたが、あたしは高所障害でぐったり。また消化器官をやられて、吐き気がおさまらず。
夜のポタラ宮は妖艶で、昼間とはまったく違う表情でした。
続く。
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今年は猛暑と言われていますが、エアコンに頼らず快適な生活。