久しぶりにハワイのこと。
タイトルに書いた、「Pa`a Ka Waha, Maka `Ala」とは、「口は閉じて、目で学ぶ」という意味のハワイ語です。これは、6月に来日したハワイアンのカヌービルダーから聞いた言葉です。
彼らの仕事は実際にそうでした。
ちょっとでも、「これはどうやるの?」というような質問をしようものなら、彼は優しく微笑みながらも「しーっ」と言い、目を指差して、無言で「見ていなさい」というゼスチャーをしました。まさに職人です!
日本の職人さんも同じだったと思います。日本は「目で盗む」と言いますが、自分の仕事をしながらも師匠の仕事をちらちらと見て、後で再現してみる。その繰り返しで腕を上げていくのが職人の世界。だからこそ、みんな真剣に目で盗んだのだろうと思います。
自分が納得できるまで質問をするという教育スタイルは、やはりアメリカの影響なのでしょうね。それが悪いとは言わないけれど、集中力は違っていたと思います。
これはフラの世界も同じなのだそうです。
伝統的なスタイルを貫く、ハワイ島の名門ハーラウの一員と一緒に行動したことがありますが、ハウマナは決してクムに話しかけません。もちろんクムからハウマナへ話しかけることはありますが、必要以上には話しません。ハウマナからクムへ質問するなんてもっての外、ただひたすらクムのやることを見てるのです。
だからこそ、得た知識はとても貴重だし、それを得た人はエキスパートになるんですね。もちろん、アメリカンな「自ら質問をする」というのが悪いわけではありませんが、むしろ、質問して答えを引き出すスタイルより、「見て学べるなら、どんどん盗みなさい」という方が、オープンに感じます。
最近日本でもハワイでも、こんなスローな教育が減ってきていて、ちょっと寂しいですね。