人間の根底にあるもの | Hoʻola ~自分を生きる~

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ハワイが大好き。
写真を撮るのが大好き。
視えない世界も、視える世界もひっくるめて、
この世を遊ぶように楽しんでいこうと思ってます♪

今週の東京の空はきれいでした~!
お盆で帰省している人が多かったのでしょうね。道路もがらがら。また明日くらいから都心にも人が戻り、いつもの喧騒と空気に戻るのかも知れませんが、しばしのきれいな空を楽しみました。

いまさら水星の逆行の影響を受けているのか、書きたいと思うお題が割と内省的なこのごろ。ブログもハワイの話から外れて、ちょっと暗めな感じです(笑)

でも、もともと底抜けに明るい!ってタイプでもないんですよね~!あたし。
と開き直ってみる(笑)

そして、さらにいまさらながら、星野道夫さんの本を読んで感動しています。以前のあたしが持っていた星野さんのイメージは、厳しい自然を撮影する逞しい男性カメラマンでした。だから星野さんの写真はたくさん見たけれど、本は読まなかったのです。それがあるきっかけで読んでみたのですが、その目線の優しさにびっくりしました。

アラスカの自然や、そこに暮らす人を描写する言葉がいかに優しく気遣いに溢れていることか…過去を知り、未来に生きる子どもに思いを馳せ、しかし、今を生きることの大切さを書いている。しかも、押し付けがましくないのは、たくさんの経験をしているからなのでしょう。

星野さんの文章には「悲しみ」という言葉が数限りなく出てきます。まるで、人間の根本は悲しみで出来ているとでも言うかのように。その悲しみと言うのは、親しい友人を亡くしたときの悲しみももちろんあるのでしょうが、もっと究極なのです。ひとつの生命は他の生命の犠牲の上に成り立っていることから発生する悲しみというようにあたしには見えました。

食物連鎖がある以上、あたしだって生きていくためには他の生命を摂っています。昨日食べたチキンだって、大豆だって、他の命です。それが意識していなくても心に染み込んでいる。無意識の世界で根付いている。それを思ったとき、自分を取り巻くさまざまなものの気配を感じることができました。

そして、もうひとつ。
人間の根底に悲しみがあると考えたとき、なんだかとっても救われた気がしたのです。悲しんでも良いんだ、と思うことのなんと優しいことか。星野さんの本の中では、「悲しみ=優しさ」と置き換えることができるような気がしました。

最近の流れとして、社会全体にポジティブでなければならない、自分が確立していなければならないという強迫観念が感じられます。しかし、悲しみと言うのはポジティブではありません。
それなのに、星野さんの本に描かれる悲しみは、これ以上ないくらい優しさと同義なのです。立ち上がれないときに自分を守ってくれる薄い膜の中でじっと浸り、浸りきって目を上げたときに優しい風を感じさせてくれるようなそんな感じがします。

それにしても、写真ももちろんですが、言葉と言うのも強い力を持っていますね!
星野さんも若くして亡くなりましたが、最近ハワイでも才能あるミュージシャンやクムフラが50代で次々に亡くなっています。きっと天国は賑やかでどんどん美しくなっているのでしょうね。