夫の職場で、ただならぬ問題が起きている。
3−4ヶ月前に採用された、40代の男性が、同僚からの借金、または盗みもしている疑惑が上がったそうである。
借金については、職場の高校生スタッフに、700ドル貸して、来週1000ドルにして返すから、と言ったところから始まった。
前述の通り、確かにこの国では、学生でも1日バイトでも働けば、150ドル(1万3千円くらいか)はもらえる。
しかし、そのあとコロナになったとか言って、結局その返すはずの週仕事に来ず、
そのあと再び、その高校生に、あと700ドルお願い、来週2000ドルにして返すといったと。
ところが、もう2週間も経っているのに、何も返して来ないそうなのだ。
さすがにその高校生も、店長である夫に相談してきた、ということである。
40代のいい年したおっさんが!
彼は、採用されてから、口のうまいお調子者だが、確かにちゃんとものは売れる、
副店長候補だとまで言っていたのが。
NZの職場では、採用して3ヶ月後に、本採用にするかどうかが決定される。
それまでに何かあれば、理由の説明なく採用を断れるが、本採用のあとの解雇は、ものすごく難しい。
この事案が上がったのは、ちょうどその3ヶ月の本採用が決まった後だった。
しかし、考えてみれば、その3ヶ月の間にも、急な休みが多かった。
私も聞いてたのだが、この人、なんか奥さんが出ていって、離婚する、という話になった、というドラマがあって休んだり、
そうかと思えば次の週にはまたくっついて、
次は、娘がいなくなった、探すとかで休んだり。
一方では、彼が車を売りたい、と言っていたので、
たまたま小さい乗用車を探していた夫の友人である大工さんが探していたのを思い出し、
大工さんが見にいったそうだが、状態が非常に悪くて結局買うのを断念した。
で、車が売れないと、お金がない、で、息子に借金を頼んだが断られたから、同僚(高校生の子)に頼む、となったらしい。
今となっては、コロナになったという急な休みなども、怪しいものだ。
さらに最近、倉庫の中で、釣竿のリールの空箱が隠すように置いてあることがある、と。
他のスタッフにも聞いてみて、それぞれが、空の箱をあれ?と思っていたことがわかった。
それも、その40代の男が普段からこのリールが好きだ、欲しいと言っていたブランドだったそうだ。
とすると、あの人が、、、ということになっている。
夫は、このことを大工さんにもすぐ話したが、大工さんも、それは今までもやってきた可能性大だね、と言っていた。
夫は、やはりこういう事態は人事に報告しなければならない、
盗みについては、証拠がないけど疑いがある限り伝えなければ、と全てを話した。
ところが、人事の反応は芳しくなかった。
本採用をしてしまうと、明らかな盗みでなければ、即首にはできない。いいとこ警告、になってしまう。
が、証拠なしに首にしたら、ハラスメント罪。
会社側が罰金になる可能性もあるから、簡単には動けない、ということらしい。
それにスタッフ同士の借金は、会社の規則には触っていないから、よけいややこしい。
女の子は、まだ両親にも話していないんだそうである。
夫も、自分がなんとかしてあげなければ、と気がはやる。
この会社で働いて22年になるが、こういう問題は初めてだわ、と毎日顔をしかめている。続