母の日。
緊急事態レベル3の中、人の家の訪問や、パーティーはしてはいけないというときだったが、
甥っ子が数日前、なんとこんな計画をしてグループメールをまわした。
みんなそれぞれの車で自分のランチを持って集まり、ソーシャルディスタンスを保ちながら、母の日を祝おう!と。
甥っ子はもう4年ほどだろうか、うつ症状のためいわゆる引きこもり生活に近く、自宅療養治療中なのだが、
このロックダウンで、だれもが引きこもりになったわけで、
そんな彼がこういう提案をしたことが嬉しくもあり、全員が両手を上げて賛成した。
これは、車から出ないで、ビーチに集まってみんなでランチを食べる会、と、私は解釈した。
しかし事はそんな単純ではなく。
ゲーム好きなNZ人、(というかこの家族だけか)
クイズ会、だったのである。
ペンとビニール袋を持ってきてください、だいたい45分から1時間で終わります、とも書いてあった。
さて、蓋を開けてみると、プリント2枚が渡され、
そこには英語テストのような問題と解答欄が書かれていた。
これから車に乗って、このクイズに答えながらドライブし、ここへ戻ってきてください、と。
コビッド19にちなんで、何かを19個持ってきてください、という課題も書いてあった。
言ってみれば、車で回るオリエンテーリング、というか。
例えば、
ここを出て、〇〇道路に行き、その道にあるオレンジの標識丸の横の青い棒に書いてある言葉は何か?
とか、
この道には、何本NZの旗が立っているか、とか、
XXおじさん(親戚の人)の家のある道路の名前は何か、とか、
サーフボードのポストがある家の番地は、何番?とか、
Which building has the most stories? とか。
(この5つ目のは、ただのなぞなぞ。頭の固い私たちは、その道路の家の階数をそれぞれ数えたわ。答えは図書館)
私はただ、あの甥っ子がこんなすごいことができるなんて、、、と、
感動するばかりだった。
。。。が、それもつかの間、
ローカルな土地を旦那の運転でぐるぐると周り、
私が助手席でその紙を読んで答えを書く役だったわけで、
しっかり酔った。
う。。。気持ち悪い。。。
この、ビニール袋を持ってこい、というのは、このためだったの?と私は言った。
自慢じゃないが、私は、車に酔うと、何にもできない。
体の角度をまずい方向に向けると、どーっしようもなく、吐き気が。。。
頭の働きも止まる。
答えを書く字なんか、ミミズがはってる。
ぐえ〜と思いながら、1時間半かけて最後までなんとかクイズをやりきったとき、ちょうどうちのそばだったので、
ちょ、ちょっと、トイレ。。。と帰宅してから、
元の集合場所へ戻った。
それぞれの問題の答え合せをし、
一番少ない距離で戻ってこれた人に特別点が与えられた。
結果は想像通り、私たちが最低得点だったのだが、
19個ものを集めてくるのも忘れてしまって、大失態だった。
車酔いのせいにさせてもらったが。
帰宅してから、このビニール袋は何のために使うんだったんだろう?と私が言ったら、
旦那は、19個ものを集める時に使うためだろ、と。
何だ、早く言ってくれりゃ忘れなかったのに!(ナントカ袋じゃなかった)
と、1から10までこのキウイスタイルのゲームに、まったく乗れない私であった。
しかし、甥っ子は、こんな企画をして大したもんだ。
このリーダー性とか企画力があれば、日本ならイベント会社とかで働けそうなのに!
と、酔いが引いたオバさんは、甥っ子を眩しく思うのだった。