かるがも団地 第11回公演
『意味なしサチコ、三度目の朝』

公演概要
吉祥寺シアター
STAFF
脚本・演出:藤田恭輔(かるがも団地)
脚本補佐:古戸森陽乃・宮野風紗音(かるがも団地)
舞台監督:三津田なつみ
舞台美術:伊東あおい
音響:北村萌
音響アドバイザー:近藤海人(かまどキッチン)
照明:中村仁(黒猿) 演出助手:谷平絵梨
小道具:秋林彩(Nichecraft)
衣装(South-O-Sour担当):岡花暖
音楽:簗島瞬、戸谷大輔、秋元陽来
宣伝美術・脚本補佐・衣装:古戸森陽乃(かるがも団地)
宣伝写真:藤田恭輔(かるがも団地)
制作:宮野風紗音(かるがも団地)
当日運営:及川晴日(娑婆駄馬)
当日運営補佐:す〜す〜(すわろす)、河﨑正太郎(譜面絵画)
映像撮影・編集:松本佳樹(世田谷センスマンズ)
映像撮影補佐:中村元彦、鄭玲美
舞台写真撮影:月館森(露と枕/盤外双六)
配信協力:ニュービデオシステム
CAST
波多野伶奈(秋林幸恵)
村上弦[猿博打](サチコ/幸恵の孫)
北林佑基[世田谷センスマンズ](幸恵の友人、ガソリンスタンド店長・祥太郎/乗客/団地の人々/反対派市民/アイドルのファン)
大西薫(幸恵の友人、中学校の英語教師・翠/団地の人々/小学校の先生/反対派市民/アイドルのファン)
板場充樹[猿博打](幸恵の友人・樹希、新聞記者/団地の人々/サチコの父/アイドルのファン)
守谷花梨(祥太郎の恋人、病院の医療事務員・果林/団地の人々/プロデューサー)
上田茉衣子(クリーニング屋の娘・上田/団地の人々/児童/反対派市民/高校の生徒/アイドルのファン/乗客)
長井健一(市の職員・橘/人材派遣会社の営業・新人くん/記者/団地の人々/児童/中学教師/高校の生徒/アイドルのファン/宮野の母)
フジイヨウヘイ(キャリアコンサルタント・木暮/団地の人々/児童/市の担当者/高校の生徒/乗客)
助川紗和子[知らない星・声の出演](幸恵の母)古戸森陽乃*(犬/乗客/団地の人々/児童/反対派市民/高校の生徒/アイドルのファン/作業員/祥太郎・果林の子供)
藤田恭輔*(幸恵の父/警察官/作業員/中学教師)
宮野風紗音*(幸恵の相方・宮野/おばあちゃん/団地の人々/児童/反対派市民/ALTの先生/作業員/幸恵の子供)
*=かるがも団地
STORY
そこは能代とかいう、秋田の片田舎。街は緩やかに衰退と縮小が進む。駅前の商店街はシャッター通りになる。小学校が閉校して更地になる。やがて、この街の賑わいの象徴だった、唯一の団地も取り壊される。ここに何があったかなんて、そこに誰がいたかなんて、どうせみんな忘れていくんだけれど。だから私も、おめえのこと有耶無耶にしていいのかな。【公式サイトより】
概評
2021年に上演された作品の再演。
初演はかるがも団地を知る前の公演だったけど、後に映像で鑑賞。今回は初演時のキャストが再集結。
初日の8月8日は物語の語り手である幸恵と友人・サチコの誕生日でもある。
初演が花まる学習会 王子小劇場(現・インディペンデントシアターOji)で今回が吉祥寺シアターということで、序盤はややこの広さを持て余している印象もあったが、次第に幸恵の語りに引き込まれる。
やはり劇場で観ると感動の度合いも違ってくるけど、とりわけ幸恵が泣きながら自転車を漕ぐシーンは照明に照らされた涙が一際美しく印象的だった。
波多野伶奈さんは初演では反対派市民の役もやっていたが、今回は幸恵に専念。さらりとやってのけているように見えるけど、出突っ張りでずっと話し続けているので相当大変だろうな。実年齢が近づいたこともあり、より等身大な幸恵を生み出していた。
対する村上弦さんは再演とは言え、ジャパニーズ生活『目醒め』から2週間足らずで初日を迎えるという驚異的な出演ペース。サチコは陰と陽を併せ持った難しい役どころだと思うが、しっかり自分のものにしていた。
上演時間1時間47分。