海ねこ症候群 第7回本公演
『世迷いファンファーレ』
王子小劇場
作・演出:作井麻衣子
舞台監督:松本仁志
音響:栗原カオス 音響操作:太田智子
照明:中村仁(黒猿) 照明操作:村上桜佳
宣伝美術:古戸森陽乃(かるがも団地)
当日制作:宮野風紗音(かるがも団地)
出演:
髙岡葵[海ねこ症候群](スミカ)
坪田実澪[海ねこ症候群](須田めぐみ)
吉田萌乃(高校生のめぐみ・スーちゃん)
河合陽花[海ねこ症候群](お仕事センター職員・有働明美)
新里乃愛(同・弥生)
村田さとし(同・タカ)
信國ひろみ[バケツまみれ](自称占い師・シャーロックあきこ)
安齋彩音(エア出勤仲間・白鳥明)
清水建志(同・長浜純平)
しみずあかり(スーの友達・ゆっこ)
新井彩(同・しーちゃん)
藤井哉大[逃飛行](担任・立川翔)
安藤安按(めぐみの育ての親・君江)
五月女泉(キャバ嬢・沙織)
作井麻衣子[海ねこ症候群](めぐみの産みの母親・須田愛花)
STORY
須田めぐみ、25歳、独身。会社での人間関係に疲れ退職をしためぐみは、親にその事実を伝えられずにいた。彼女は今、会社の最寄駅から3駅先にある「のぞみヶ丘公園」に通っている。公園の隣には就職の相談所となる「お仕事センター」があり、求職中の人々が交流の場として公園を利用していたのだった。めぐみと同様、なかなか再就職が決まらない「ちょっと変わった人々」が、この公園に「エア出勤」をすることで日常を保っている。ある日、いつものように公園で仲間たちと過ごしていためぐみは、スミカと名乗る女の子と出会い…【当日パンフレットより】
海ねこ症候群、今年3作目の新作本公演。
通常と反対向きに客席を設置。キャットウォークを使用し、手すりからはアースカラーの様々な形の布が垂れ下がる。床には白い線で囲み。背もたれのない簡易な椅子がいくつか。
物語は25歳の須田めぐみがエア出勤をする現在とめぐみがスーちゃんと呼ばれていた高校時代が交互に描かれていく。その中で、現在のめぐみの前に現れたスミカという女性がいかにもいわくありげで、その正体は何なのかという点に興味を惹かれつつ展開を追っていくことになる。
めぐみ=スミカというのは最初に予想したところではあるけど、スミカが有働と話しているところをめぐみが見ているので違うか……と思っていたけど結局のところは予想通りで、むしろスミカが本来の姿だったということが分かってくる(須田だからじゃなく、スミカだからスーちゃんだったのね)。
最終的にはそこが精神病院で、有働らが医師やスタッフで、白鳥や長浜は患者であることが判明する。うーん、この手のオチはあまり好みではないけど、キャストもそれぞれよかったし(特にスーの友人役のしみずあかりさん)、演出面も含め全体的には楽しめた。
上演時間1時間46分。