正司照枝(小原ハル)
駿河太郎(小原勝)
上杉祥三(木岡保男)、柳生みゆ(小原静子)、南条好輝(生地屋・河瀬)、飯島順子(木岡美代)、玄覺悠子(縫い子・昌子)、春やすこ(大山)、鴨鈴女(神田)、都築俊(吉田)、朝井千景(菓子屋店員)、永井貴也(職人・中村)、今井雄一(職人)、前田莉緒(子守)、瀬尾真優(長女・小原優子)、鈴木紗良(次女・小原直子)、高田真衣[クレジットなし](縫い子・幸子)、吉沢紗那[クレジットなし](縫い子・トメ)、橋爪未萠里[クレジットなし](縫い子)、NAC、キャストプラン、日本芸能センター
小林薫(小原善作)
昭和15年(1940)。糸子は菓子屋「欄干堂」に栗まんじゅうを買いに行くが、店に置いてあるのは大福だけだった。国民から栗まんじゅうまで取り上げるようなみみっちいことでほんまに日本は戦争なんか勝てるんかと憤る糸子。店に帰ってからも、「栗まんじゅうぐらいな好きなだけ食わせろちゅうねん。その程度の度量ものうて何が大東亜共栄圏の盟主や。アホらし」とまくしたて、縫い子の昌子からは声が大きいと言われ、静子からはしょっぴかれるでと言われる。糸子は帰ってきた職人の中村に大福を渡し、男の人たちで食べるように言い、昌子には2階にお茶を持っていくように頼む。この年の7月に七・七禁令(ぜいたく禁止令)が発令され、100円以上のものを売ってはいけないことになった。糸子は100円以下でできる限りのいい服をバンバン作り、客に喜んでもらう。常連の神田からはお礼に柿をもらい、店をつぶさないようにと言われる糸子。昌子は30円の服に15円の生地使っていては利益なんか全然出ないと進言するが、糸子は客に喜んでもらうのは大事だと言う。これだけ働いてこれしか儲からないのは間違っていると言う昌子に対し、その分柿やら何やらをもらって縫い子たちにひもじい思いはさせてないと言う糸子。今はお国の非常時だから、店の儲けとか細かいことを言っていてはいけないという糸子の言葉を聞き、昼間言っていたことと全然違うと笑う静子と勝。そこへ直子を預かってくれていた吉田がやってくる。吉田はくたびれた様子で、明日からは預かれない、まるで猛獣で家の中がぐちゃぐちゃだと糸子に告げる。糸子は柿を持たせようとするが、吉田は今日限りもう勘弁してと言って帰る。善作も優子でいっぱいだと言い、直子のことを猛獣だと言った吉田の言葉に笑う。自分たちも優子の時はとにかく病気をして大概苦労したと言う善作に、糸子は甘やかしていると不平を言うが、善作は可愛い孫をほったらかしにできるかと言って帰る。現在、オハラ洋装店には昌子を含めて4人の縫い子が泊り込みで働いているため、夜は交替で直子の世話ができるが、昼間は誰も猛獣の相手をしている余裕はなかった。夜中、目を覚ました直子はハイハイをしながら、あちこち散らかし、寝ている昌子を起こす。翌日、善作から電話がかかってきて、いい話があると呼び出された糸子はてっきり直子を預かってくれるところが見つかったのかと期待するが、商売の話だった。善作から紹介された生地問屋の河瀬は、金糸が一本入ってる生地がぜいたく品と見なされて販売禁止を食らい、蔵に山ほどある生地が売れないと首をくくらなくてはいけない状態に追い込まれていた。善作は金糸を隠せば使えるだろうと言い、糸子に生地を買い取るように言う。糸子はとりあえず一反買って、服を作ってみると言う。その代わりに子守が出来る人がいないか、河瀬に尋ねる糸子。生地を抱えて嬉しそうに帰ってきた糸子に声をかける木岡。直子を預かってくれるところが見つかったと聞き、気の毒なことだと同情する木岡。木岡の妻も売り物があるから店に近づけないように言う。夕方。河瀬に命じられて子守をしていた少女が店にやってきて、直子の猛獣ぶりを訴える。糸子は少女に詫びて、ハルに甘いものを持ってくるように頼む。その夜。生地を見ながら、どうにかなる、絶対方法があるはずだと考え込む糸子。
いやー、いいですね、糸子。
「国民から栗まんじゅうまで取り上げるようなみみっちいことで、ほんまに日本は戦争なんか勝てるんか」…まさしくその通り。
七・七禁令が発令されれば「上等や」とばかり、100円以下でできる限りいい服を作り、利益が上がらないことを縫い子の昌子から指摘されると、お国の非常時だからと適当なことを言うあたりも面白い。
と言うわけで1歳となった直子は猛獣と呼ばれるほどのやんちゃぶり。
吉田のおばちゃんも何があったんだというぐらいくたびれてましたから、相当なものでしょう。しかしこの女の子もうまいこと泣きますね。
糸子も「なんで子供なんて産んだんやろ」などと身も蓋もないことを言ってましたが、ちゃんと子育てしているんでしょうかね。