昭和8年(1933)。奈津の父親が亡くなる。ハルは葬儀に行くため、糸子に早く着替えるように言うが、糸子は自分は行かないと言う。渋々善作についていくと、焼香を済ませた玉枝と勘助が出てくる。糸子は勘助に入ってもいいかと相談するが、勘助はこればかりは仕方がないと答える。逃げようとしながらも中に入ると、奈津は涙を見せずに気丈に振舞っていた。サエにドレスを作って以来、川本が言った通り、店はえらいことになっていた。店主は1着を3日で作れと糸子に命じる。店主はドレスを馬鹿にし、背広が一番偉いと思っている節があったが、糸子は客の要望に何とか応えたいと思っていた。そこで、直接布を当てて裁断することで、型紙を作る手間を省くことにする。糸子のやり方に満足する店主。糸子は手間は省いたが手は抜いていなかった。店のミシンを使おうとする糸子だったが、他のテーラー職人は使わせようとせず、貸そうとした川本には釘を指す。職人がドレスのことをオモチャと言ったことに腹を立てた糸子は、布をつかむと自宅のミシンで縫うために帰宅する。ミシンを踏んでいると、ハルがスイカを食べるかと声をかけてくる。そこへ久しぶりに駒子が現れる。糸子に洋服を縫ってもらいたいという駒子は、全員のドレス作りが終わるまであと2ヶ月ほど待つと言う。糸子は奈津の様子を尋ねるが、奈津よりも女将がかなりがっくり来ていて、結婚については喪中のため式が挙げられず、入籍だけするとのことだった。駒子によれば、奈津は案外元気で、ツンツンしていてズケズケ物を言うという。それを聞き、奈津が何を強がっているのか、何を一人で我慢しているのかと奈津のことを考える糸子は、喧嘩でも何でもふっかけて泣かしてやると決意する。だんじり祭りの日。八重子が息子の太郎を探しているのに気づいた糸子は、一緒になって探し始める。得意客に挨拶に向かっていた奈津は、一人で遊んでいる太郎を見つける。どこかで見たことがあると思っていると、泰蔵がやってきて太郎を抱きかかえる。泰蔵に「大変だったな」と声をかけられた奈津は、泰蔵が自分のことを知っていたことに驚く。
かくして踊り子たちからドレスの注文が殺到。
大忙しとなるも、店主にとってはドレスは背広が売れない夏を乗り切るための存在でしかないんですよね。職人たちも愛想が悪いままですが、桝谷パッチ店の職人たちのようにやがては糸子のことを認めていくようになるんでしょうか。
再登場の駒子、今後は奈津に関する情報提供係としての役割が中心になってくるんでしょうか。強がっている奈津のことを案じる糸子ですが、「泣かしちゃる」というのが糸子らしい気遣いですね。
その奈津は泰蔵が自分を知っていたことに驚いていましたが、そりゃ知ってるやろ。笑